日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

ミステリーよりドラマチックな作家北林一光

2011-06-14 | 読書
宮部みゆき氏絶賛!につられて購入した文庫本
北林一光著「ファントム・ピークス」角川文庫
名前も知らなかった初めての作家
裏表紙には「杞憂の才能が遺した、超一級のパニック・エンタテイメント」
遺したとは???

作者紹介には
第12回松本清張賞の最終候補者に。
次回作を書き進める中、癌を発症し06年他界(享年45才)

小説より波瀾万丈な成り行きのような作家



内容は
都会生活を止めにして夫婦で移り住んだ安曇野
体調が回復した妻が一人で沢に入り、行方知れずになる。
土木会社で働いていた夫の元に、行く筈もない場所から妻の骨が見った知らせ
休みの度に沢を調べ回っていると
今度は恋人の後ろから消えた若い女

探索に加わった夫、母を目の前で惨殺された子供が救出される・・

物語はテンポ良く進み深まる謎を解き明かす動物学者2人
最後の惨殺が過ぎ謎が解き明かされて行くが
直木賞作家の 熊谷達也 を思い出させる、山の問題となっている。

最後の章の「惨劇の日」から終りまで息をつかせぬ面白さだが
最後のページの二行
この作品は2007年・・・刊行された単行本を文庫化したもの・・
地名,公的機関,役職等の名称に付いては,著者執筆当時のままとしています。

2005年原題「幻の山」として宮部みゆきが絶賛したにもかかわらず受賞を逃し
2006年に他界した後,友人らの手により2007年11月末角川書店より単行本出版
そして、2010年12月末この文庫が出来た。

で,題名が変わったのは本人が納得の上か?
著者執筆当時と中身も違うのか?
次々と湧き出る疑問
小説よりミステリアスな匂いがする。

ミステリーよりドラマチックな作家、北林一光
その内テレビか映画になりそうな作家です。

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