日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

志水辰夫「滅びし者へ」

2009-10-17 | 読書
久しぶりに手に取った志水辰夫の本「滅びし者へ」
この文庫本は二重帯が巻いて合った。
「ただ知りたかったんだ、自分が何ものか」紀伊国屋書店・新宿本店の特製帯
下に集英社の「志水辰夫の世界」
文字は今までになく小さく、ギッシリ詰まっていて
本嫌いには取っつきにくそうだが
本の虫にはチト遠く、近眼の私は「よしよし」



将来を誓った女性との結婚に反対され、
猛特訓の末腕利きの陶芸家になった意固地な主人公だが
古巣に戻って見れば、女性には夫がいるが
女性の父、有名陶芸作家を腕でねじ伏せて一緒になる夢を描く。

・・ところが、気づけば人と違う能力に目覚め
宗教関係施設に入れ込み、主人公の意図(?)が読めないまま
物語は怪しい方向へ突き進む。

〔あれあれ・・〕と思うままに帯を見直すと
「呪いの地か、救いの血か。」紀伊国屋
「血の秘密から、歴史の闇へ。伝奇長編小説」集英社
ありそでなさそな小説の世界から
ありえないホラーの世界(伝奇)へ

主人公の意に染まぬ行動と成り行き
そこには、長年培ってきた研究成果を操る老人
織田信長の時代から延々とつづく歴史の新解釈(?)

累々たる屍を乗り越え、一人残された主人公
呆然として陶芸世界に戻るのかと思う(願う)と
魑魅魍魎の世界へ続くようだ。

しみたつファンはもとより、ホーラーファン、歴史小説ファン
万人をアッといわせる凄いストーリー展開

志水辰夫の本は3~4冊しか読んでいないけれど
「何と言う作家なのだろう??」疑問は増す。

1992年集英社発行・1996年文庫化の第8刷

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