日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

宮部みゆき著「桜ほうさら」

2016-02-20 | 読書
先週読み終えた上下刊
宮部みゆき著「桜ほうさら」PHP文庫



駅の横にあった本屋さん、数年前に閉店してしまった。
それ以後、本をネットで買う事は止めた。
(高い専門書だけはネットの中古本を利用しているが)
これ以上町から本屋さんが無くなるのは困る・・・

この文庫本も新聞広告で見ていたが、本屋さんに行く時間がなく
新宿に出た折りに、改札横の本屋でようやく手に入れられた。

宮部みゆきさんの得意とする江戸時代
貧乏な搗根藩(東金?)の重鎮から密かな命を受けて江戸に出た若侍笙之助
自力で生活を営む為に写本などの得意分野を生業とする。
貧乏長屋の住人達に愛され、頼られたり頼ったり・・

ある時寝ぼけ眼で見た切り髪の女の子に恋をする
探して見ると思わぬ近場にいることが分かり、会える事になった。
この女の子はアレルギーの一種で顔に黒い痣のようなものが出るため
髷は結えずにボブヘアーで過ごしていた。
(そう言えば、昔一度だけ会った人が朝には薄黒い顔が、
 夕方には黒くなって驚かされた事があったっけ)

アレルギーはともかくこの子が賢いこと
笙之助が困ったときは会いたいと切望し、話しをすると方向性が見えて来る。
笙之助は写本だけでなく、長屋の困り事や行方不明の人たちを捜す役目にも活躍し

挙句は重鎮からの命も果たしてしまい、
家族の嫌疑を払い、実兄に殺されそうにもなる。
人柄と知恵には勝れるものの、ヤットウはからきしダメながら
長屋の人達に助けられ・・いろいろあった挙句(ささらほうさら)
別の名前でこの先の人生を送る事になった。

いろいろあった事は上下刊をお読みくださいね!


先日のNHKの番組で
「日本人の規律深い事、日々精進の精神は
 侍の(生産性の無い)伝統が庶民にまで行き渡った故」と話していたが
その事を実感する物語です。
(物語に実感は無い訳だが)

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