日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

乃南アサと堂場舜一\0

2005-07-05 | 趣味・遊び
 今日は終日デスクワーク、新鮮な話題がありません。

6月は3冊の読書ノルマを達成。
乃南アサの「晩鐘」上下2冊、乃南さんの本は文庫化されると直ぐ読んでいます。
始めて読む堂場舜一(どうばしゅんいち)の「雪虫」これは書店で題名に引かれて買ってしまいました。

3冊とも文庫本ながら厚いし、重いし、高い。
ちなみに一番厚い「晩鐘ー下」は厚さ27ミリ、350グラム。
689ページ、953円。
本を計量しても何の役にも立ちませんが、この重さでは電車で読むのは腕が疲れそう。
幸い私は椅子に座って片肘を着いて読むので、重さは問題外ですが、手に取って少しひるみます。

「晩鐘」は殺人の父親をもつ早熟の兄妹と母親、被害者の家族と新聞記者のドラマ。
巷の殺人事件では殺人者の人権は守られ、被害者側はマスコミによって丸裸にされる。
この物語でも事件の7年後にも立ち直れない家族の物語。
被害者の家族が傷つき生活を破壊され、
殺人者家族が、奈落の底の落ちてゆくストーリー展開。
乃南さん相変わらずの、心理描写と会話の臨場感が真実と勘違いさせそうです。

「雪虫」の作者のことは解説で納得いきました。
スポーツ小説とミステリーを交互に出している異色の作家。

物語は3代続いた刑事家族。
若いカッコマン(古い!)の刑事が追う事件。
物語は戦後乱立した宗教団体が関係する現代の殺人事件。
若者の現役刑事、署長を務める元刑事、仏の刑事と言われた引退刑事。
深入りすればするほど家族の暗部が吹き出る。

昔読んだ高橋和巳の「邪宗門」?だったか、やはりこの時代の新興宗教の隆盛から没落までの小説がありました。
(高橋和巳の本は、上り坂の後必ず転落するストーリーだった気がする)

先日、中野坂上でミニチユアぽく立派な社。
高札に、「日本の国土は龍体・・、昭和24年に現れた黄金の龍を国土の神として祀り・・」
何だか背筋が寒くなる感じ・・
読んでいるうちにこの「雪虫」を思い出していました。

2作品ともドキドキ感、読後の満足感、抜群でお薦めです。
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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白そう (きんぎょ)
2005-07-05 22:33:08
 ゾクゾクしそうですね。今度読んでみます。

 先日、宮部みゆきの模倣犯を読み返してみたら、建築家って登場人物がいたんですね。建物を通して住んでいる人物を推理するなんてスゴイ!やっぱり人と建物って通じるものがあるんでしょうか。
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建築家? (いちよう)
2005-07-06 17:20:03
あれ??忘れていました。



あの別荘は見てみたい気がしますが、

地下室と階段のあるポーチ、両方とも鳥肌が立つシーンですよね。



探しだして建築家を検証してみます。
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晩鐘 (meshimaeclub)
2005-07-13 08:35:08
一葉さん、こんにちは

「晩鐘」下巻今読んでいるところです

風紋の続編ということでしたが

晩鐘から読んでしまいました

父(73歳)は、両方読んだのですが

風紋から読んだほうが良いとの意見でした

「涙」に出てくる主人公と、真由子は、なんか

似ている気がしました

乃南アサさんの本質に迫っているのかな?

と思ったりしていました
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風紋 (いちよう)
2005-07-13 13:50:55
meshimaeclubさん、コメントありがとう。



「涙」はよく覚えていますが(印象的です)「風紋」は思い出せないのです。

何しろ段ボール一杯(小)に乃南アサの本を貸し出してしまいました。

本人は完読、今は4姉妹の間を回っているみたいで何時戻ることやら・・



その後「5年目の魔女」を読みましたが、これは最高に怖いストーリー

お薦めします。
返信する
晩鐘完読 (meshimaeclub)
2005-07-15 13:02:51
いちようさん、こんにちは

晩鐘って、何か意味があるのかなぁと思って調べて見ました

晩鐘=暮鐘⇔暁鐘=新しい時代の到来を告げるもののたとえとなっていました

ということは、世紀末的なさま(退廃的なさま)をあらわしているのでしょうか?

私のイメージでは、晩鐘って子供のころ外で遊ん

でいて外も暗くなってきたころ、晩鐘がなり

あーそろそろ家に帰らなければ、、、という

イメージでそんなに暗い感じではないのですが

(寂しいですけど)



最後に、壊れてしまった大輔君に涙してしまいました

ご推薦の「5年目の魔女」楽しみです
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続編とは (きんぎょ)
2005-07-15 18:12:42
晩鐘、あれからすぐ図書館で見つけて一気に読みました。ずっしり。久々の読み応え。人権てなにと考えさせられました。

今日も図書館で乃南アサの本を借りました。

これを読み終わったら風紋読もう。

また、お薦めの本紹介してください。
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そうねえ (いちよう)
2005-07-15 19:22:00
晩鐘はかなりショッキングですよね。



その他のお薦め本と言っても・・

片っ端から読んで忘れて同じ本を買うことがあるので、

あのストーリーと思っても題名が思い出せないし、

題名がわかってもストーリーが・・

2年前に読んだ「水の中のふたつの月」これもかなり怖い本でした。



忘れ防止に今年からパソコン上に読書ノートを作りました。

??と思ったら検索できるように。

でも買った後の祭りって事が多いかもね。
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その後 (きんぎょ)
2005-08-05 22:49:04
毎日暑いですね。

先日、乃南アサのしゃぼん玉を読みホロリとしていたところ、下の娘が夏休み恒例の読書感想文を書かなくちゃと言い出しました。読んでごらんと薦めたらすっかりハマッている様子。どんな感想文が出来上がるやら

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教えて下さい (いちよう)
2005-08-06 15:53:14
「しゃぼん玉」ですか?

記憶にありません、短編に入っていたのかしら?

出版社を教えて下さいね。
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朝日新聞社 (きんぎょ)
2005-08-06 17:28:56
文庫本になってないみたいです。図書館の返却日がすぎてるのに読み終わらなくて娘が文庫本を買いに行ったら店の人に言われたそうです。

罪を犯した青年が山村の老人たちとのふれあいで、人間らしい感情を取り戻すというわりと単純なストーリーですが、いいんです。

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