日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

日明恩「埋み火」

2011-04-16 | 読書
日明恩/たちもりめぐみ、ふりがななしでは読めない名前
初めて読む作家の「埋み火」



珍しくも消防士を主人公とした2冊目
帯びには「相次ぐ老人の“放火自殺”・・」
昨年近所で放火があり、高齢者関連の仕事をしていることもあり
購入し読んだ。

一言で言うなら「おしゃべりな本」なのだ
生活の安定が目標の消防士雄大/たけひろ
頭の中で考えていることが,文章に綴られる。
22才、今時の若者言葉がそのまんま

親友のダチ、工務店勤務の見てくれ,好男子(古い!)が
クールでリアリストでアバンギャルドかつ切れやすい同級生だが
工務店でなにをしているかは不明
大工なのか? 監督なのか? 職人の職種は? など
気に入らない点はあるものの、
消防士に関することはこと細かく描写されている。

赤羽北所管内で火災に寄る老人の死者が立て続けに起こる。
偶然が重なり(ミステリーには偶然が多いが)
死亡する前の老人達を見かける、同行の子供に不信感を持つ・・

・・と物語は進み、きっかけと,実行が明らかにされるが
ここは警察小説と違い、人情的に目をつぶり
仲良くなった子供と、敬愛してやまない母親とダチ
更に、訳の分からないなぞの人物 “守”

結果オーライとなった最後に全員の登場となる。

暗い話題でありながら「馬鹿」な雄大の為か
明るくあっけらかんと始まり、進み、終わる。

ともするとミステリーを読み続けると
心が疲弊して、明るいものが読みたくなるが
ミステリーでありながら「癒し効果」のある1冊です。
早速消防士ものの1冊目を目指して近所の本屋さんに行ったが、なし!

でも、昨年1月に読んで感激した作家、カミラ・レックバリ
の新作が手に入った。
氷姫
「悪童」表紙からして、心が寒くてふるえそうな予感がする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする