横浜のほほん・続

植物や生き物を見ながら歩いて感じたことなどを中心に日々を綴る。

宿根木・・・杉板張りの家

2016-09-09 06:15:53 | 旅行



佐渡の南端近く、小木港から3kmほど西に宿根木(しゅくねぎ)というところがある。
宿根木は江戸時代に廻船港「小木」が整備される前から廻船業を営む者が居住していた。
当時は佐渡の富の三分の一を集めたと言われるほど栄えていた。

小木港が出来ると宿根木の船主と船乗りたちは全国に乗り出し商売を続け、
むらには船大工や造船技術者が居住し千石船産業の基地となった。






集落に向かう車窓から千石船博物館が見えた。
安政時代の千石船「白山丸」を復元したものや船大工や漁業の資料が展示されているそうだ。






さて集落の港に面したところには風よけの竹垣があった。






また一隅には20cmぐらいの石が多数と、薄板の束が置いてあった。
石には小さな穴があけられている。






宿根木の建物の屋根は瓦葺きもあるが、石置木羽葺屋根も多く見られる。






あるお宅の郵便受けは石置木羽葺屋根が分かるように作られていた。
屋根側から出した釘のようなものを石の穴にはめ込むことで落ちないようにしている。






さて竹垣をくぐって集落に入っていくと狭いところに110棟の木造建物がある。

この「三角家」はJR東「大人の休日くらぶ」のCMで吉永小百合さんが訪れて有名な建物だ。






ここは一客一亭の宿つまり一日一組限定の「伊三郎」、もと千石船船頭の家だったそうだ。






軒下の持ち送りに扇形の飾りが施され「石」の字が彫りこまれているのが面白い。






建物は「サヤ」と呼ばれる杉の縦板張りだが内側に何か漆喰が見えるものもあった。






この建物ははっきり土蔵と分かる。土蔵の外側も杉板を張って景観を整えている。






集落を進んでいくと白山神社がある。鎌倉時代後期に建立されたらしい。
石の鳥居と手前の石橋は安政ごろに宿根木の船主・高津勘四郎が寄進したもので、
尾道産の花崗岩を運んできて尾道の石工職人が作ったという。






さらに進むと宿根木の一番奥に称光寺がある。宿根木村の全戸が称光寺の檀家だそうだ。
称光寺は藤沢にある遊行寺を本山とする時宗のお寺で遊行二代真教上人が開山し、
1349年遊行七代の託何上人が本堂を建立した。

今年しばらく前に遊行寺へ行ったことがあるので称光寺に親しみを覚えた。






そばの小川には蟹がいた。地元の人によれば昔はもっとたくさんいたそうだ。






小さな魚の姿も。潮によっては海の小魚も上がってくるという。

コメント (2)
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