受容しなければならないのか「介護虐待」

2015-03-08 12:14:08 | 日記

 受容しなければならないのか「介護虐待」

 

  テレビをはじめ、新聞各紙が、東京北区の高齢者施設で起きた「高齢者の虐待」いうニュースを発信している。中でも、NHK総合 【ニュース7】(2月17日)の“ベルト”“手袋”身体拘束・高齢者マンション実態という報道は、画面を見るものにとって切ないものであったことは私だけではないだろう。

  テレビは次のように報じている。

  «マンションは有料老人ホームとしての届け出は行っておらず、行政指導や検査対象にはなっていなかった。関係者は外部の目の届きにくい中で拘束が行われていると証言している。マンション3棟には約160人が入居しているが、関係者によると認知症の人や体を動かせる人にも拘束が常に行われていた。ベッドに横たわる高齢者が指の自由が利かないミトン型の手袋を着用したり、ベッド柵にひもで体を固定される姿が映し出された。部屋の外からドアが開かないようなつっかえ棒もあった。

 問題のマンションは3棟。同クリニックと提携するそれぞれの不動産会社が、2002年、07年、11年に同クリニック近くに開設し、合計147室を持つ。同クリニックのホームページによると、北区西が丘に建つ4階建て、84室のマンションは約7.4m2から約10m2の部屋の家賃が3万円。このほか、「食費が上限3万円、水光熱費1万円、生活支援サービス3万円、医療・介護の一部負担金が標準で5万~5万7000円で、1ヵ月12万~15万7000円」とホームページにある。

  医療保険と介護保険の負担はそれぞれ個人差が大きい。それらを除き、食事を上限まで、おそらく日に3食頼むと入居者が1ヵ月に支払うのはちょうど10万円となる。東京都内のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)やグループホームよりは断然安く、個室ユニット型の特別養護老人ホームと比べても大差ないだろう。相当に低価格である。入居者の多くは認知症を患い、意思疎通が不十分。家族がこれらマンションを探して入居に至っている»

  地方においても、この「サービス付き高齢者向け住宅」が次々と建設されている。医療法人から、建設会社、教育会社、不動産会社の経営である。そしてある施設では、介護事業所と提携し「過剰介護」が横行しているという実態も報じられている。さらに火災や介護放置などによる死傷者を出すなど、基準を満たしていない「無認可施設」も今もって数多く存在している。

  しかし、それらのことを承知しつつも、施設の絶対的不足の中からやむなく入所の手続きをする。起こり得るべくして、起きている実態の一つが「介護虐待」というものであろう。この虐待も受容しなければならないのか。昨日に引き続き高齢者が生き続ける厳しさを痛感したところである。

  そして今日も<入所制限>400人待ち…避難家族悲痛「ベッドあるのに」という記事を見る。(毎日新聞3月8日)

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿