ガラス固化体の貯蔵状態を知りたい・見たい。すべてに疑いを持つ

2016-04-04 16:50:44 | 日記

 ガラス固化体の貯蔵状態を知りたい・見たい。すべてに疑いを持つ

    専門化でなければ述べてはいけない。そのようなことを「素人の私」がというためらいを持つ。そんな必要はない。「市民の感覚」で述べ取り上げていく事が大事だと先輩は述べてくれた。そこで昨日取り上げた「高レベルの放射能廃棄物」の処理として用いられている「ガラス固化体」について知りたくネットを開いた。次に貼り付けたのが林経産大臣がのべていた電気事業者による解説である。これを見てさらに唖然とした。

  「ガラス固化体は、高レベル放射性廃棄物とガラスを混ぜて一体化して固めたものです。ガラス固化体をつくるには、再処理の工程で使用済燃料から分離される高レベルの放射能をもつ廃液を、まず蒸発濃縮して容量を減らしたあと、ガラス溶融炉の中で溶かしたガラスと混ぜ合わせ、キャニスターと呼ばれるステンレス製容器に注入して、冷やして固めます。ガラス固化体は、最初、強い放射線を発し、製造直後の表面温度は200℃を超えます。冷却のため、専用の貯蔵施設で30〜50年間冷却しながら貯蔵され、その後、搬出して300メートル以深の深い地層中に処分されます。ガラスは水に溶けにくく、化学的に安定しているため、放射性物質を長期間にわたり安定して閉じ込めるのに優れています。また、地下水がしみ込みにくく、地層処分に適しています。現在、海外から返還されたガラス固化体が、青森県六ヶ所村の日本原燃(株)の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに保管されています」(電気事業連合会ホームページより)

   確かに、現時点での化学的処理としては有効であることを多くの専門家も認めている。しかし、それほどの膨大な量があったとは知らなかった。すでに六ヶ所原燃に運び込まれた「ガラス固化体」に形成された個体は2.014本と林大臣は説明をした。そして6.750本の貯蔵能力はある述べ、まだ余裕があると付け加えている。では上記の解説通り、冷却のための専用施設で30〜50年間貯蔵され後に地下300m深さに地層されるというのだが、今ある2000本強の専用施設はどうなっているのか。これまで同原燃基地に関する報道は幾つか耳にしているが「ガラス固化体」の件については今初めて知った。私の不勉強の問題なのだろうか。

 そこで福島からの報告と重ね合わせてみたい。今もって解決はされていない基地内に流れ込む大量の地下水、乱立する汚染水タンクや破損施設内に注ぐ雨水などからあふれ出る汚染水対策がある。海を汚す最大の原因である。そこで二つの工法が提案され、そのことは報道を通して県民に知らされてきた。その一つが多核種除去設備(ALPS)である。東電はこれこそ究極の汚染水対策として公表をしてきたが度重なるトラブルを発生している。この工法が導入されたのは2013年である。以来、今もって「試運転」の段階から抜けきれないでいる。さらに「東京電力福島第1原発の汚染水抑制の切り札?凍土遮水壁実験に320億円との見出し付きの報道によって公表された「凍土遮水壁工法」がある。鹿島建設が採用してきた土木技術との説明であった。この工法も紆余曲折して今日に至っている。ようやく原子力規制委員会の承認がおり本格稼動と報じられたのはつい最近である。しかし、これとて完全に凍土化するかは未知数とも報じられている。

 このように県民はすべて「蚊帳の外」である。事故やトラブルがあってはじめて知るのが実態である。それとて頭を一寸見せるだけで身体全体は見せない。いつの間にか報じられることなく消え、そして時間は推移していく。

 六ヶ所村をはじめ、青森県の住民も同じではなかろうか。

 そこで脳裏に去来するのが、米スリースマイル原発の廃炉修復の結果、持ち出された「高レベルの廃棄物」が眠る、広大な「死の砂漠」のネヴァダ州ユッカにある強大なコンクリートの要塞の光景である。日本のどこを探してもそのような場所は無い。それでも米国の原子力委員会は「仮の場所」であると述べている。