安倍政権の原発政策のお粗末さを露呈した国会審議

2016-04-03 09:36:57 | 日記

  安倍政権の原発政策のお粗末さを露呈した国会審議

   さかのぼるが3月15日の参議院予算委員会における質疑応答がある。これを取り上げるには時間がかかった。以前は音声を聞きながらメモをとり、それをまとめることができたが今はそれが不可能となり、テープレコーダーを購入するのに時間がかかったからである。

   さて、前置きはこのくらいにして本題に入る。上記委員会審議の質問者は大塚耕平議員(当時・民主)。回答者は原発政策に責任を持つ林幹雄経産相である。まず、原発における使用済み燃料の管理についての質問から始まった。

 林大臣は「使用済み燃料の処理は緊急の課題であり、8.3億円を計上しその研究開発にあたっている。そして、使用済み燃料を再処理するにあたって発生する高レベル廃液を『ガラス固化体』としているがその個体を2割から3割に削減することを目標にする」と答えた。両者の討論はそこから始まった。

 A・では、そのガラス固化体は現在どのくらいあるのか。

 B・現在2014本を六ヶ所の日本原燃で貯蔵している。原燃の貯蔵能力は6750本である。

 A・使用済み燃料の貯蔵の管理状態とその量は。今後平均して何年もつのか。

 B・18.000トンであり、15.000トンが個々の発電所で貯蔵。3.000トンが六ケ所原燃で貯蔵されている。個々の原発における量は異なるが平均して今後7.4年は持つであろう。

 A・保管場所が足りなくなったらどうする。

 B・使用済み燃料アクションプランを立て電力事業者からその報告を受けている。今後2020年で4000トン、2030年で6000トンまでの貯蔵の確保をめざす。

 A・管理場所を増設するということか

 B・中間貯蔵施設も含めて増設を視野に入れる。

 A・どこに設けるのか

 B・個々の電力会社がそれを検討してくれると思っている。

 A・電力(原発)政策の責任者は誰か、その自覚があるのか。

 B・責任者は私である。自覚をしている。

 A・福島原発に何回いかれたか。

 B・残念ながら1回である。

 A・何故ですか。

 B・なかなか時間が取れなくて。

 A・委員長、所管大臣の答弁は不満である。この間の林大臣の政務日程の公表を求める。

 B・理事会に諮ります。

 A・ちなみに丸川大臣は福島原発に行かれましたか。

 B・一回です。

 再生の音声を聞くのが嫌になってしまった。東電の事故責任は重大であることは述べるまでもないが、国策としての原発政策に責任を持つからこそ、国は実質的な国営管理のもと膨大な資金と時間を費やしてきた。そして今や「核とテロ問題」が国を超えて国際的課題となっている。そして原発の稼働から生まれるプルトニュームの管理が最重大な課題として取り上げられている。にもかかわらず、安倍政権は原発再稼動を抑えるどころか、その拡大を政策としている。その中での政府の原発責任者である林大臣の回答をどう見れば良いのだろうか。しかも、これだけの回答に対しと再三にわたる審議の中断と委員長からの回答の督促。その周囲で動き回る事務方官僚の姿、それでもお粗末なこの回答。もはや安倍政権は原発を管理する能力を失った。もはや安倍政権は「国民の生命、生活を守るため」と称する言葉を述べる資格はない。あの死に体の「もんじゅ」のように。そしてこのまだまだ質疑は続けられた。