気象情報にまなぶ・「今日の原発情報」を県が発信局に

2014-11-03 14:55:47 | 日記

    気象情報にまなぶ・「今日の原発情報」を

                 県が発信局となって報じてはどうか    

  宮沢経済産業相が、ここにきてようやく福島の原発現場を訪れた。その担当大臣に、東京電力は原発4号機の使用済み核燃料棒の取り出し作業が終えたことを報告した。そして、その報告を受けた大臣は、「最後の一本がキャスクに納められた。難しい課題であるが、ここまで着実にきている」との感想を述べたという。

  ところで大臣の、この言葉を借りていえば着実に進んでいるということになるだが、内実は決して「着実」ではないことを知っておく必要があると思う。もう少し報道記事をくわしく見てみる。4号機は炉内に損傷が無かった。その意味ではその取り出しは容易であったことは事実である。その4号機の燃料プールには1533本の燃料棒があった。そのうち比較的リスクの高い1331本を優先して共用プールに移した。そして残りの10本の取り出しを終え運搬用のキャスクに保管した。これが大臣への終了報告である。そして今月末までに供用プールに移すという。さらにリスクの低い未使用燃料棒の180本を6号機のプールに移送する。

  そこで前記した4号機の取り出しに再度戻る。世界からも注目されていた「燃料棒取り出し」であり、見事に成功したという報道は嬉しい。そこで説明済みと言うことになるのたが一つの疑問が残る。決して詮索をするつもりはないが、この報道が正しければ12本の燃料棒の存在が不明となる。それは取り出せなかったのか、それとも破損してしまっているのか。

  この間の東電の収束作業にたいしては、汚染水問題をめぐる「多核種除去装置アルプス」しかり、地下水防止の凍土壁方式もしかりである。そして保存タンクからの漏れも含め、東電の作業に信頼できないことが余りにも多いことを指摘しなければならない。そこに疑いの目を向けざるを得ないのが今日の福島原発収束作業である。

  さらに1から3号機の燃料棒はどうなっているのか。

  私が知る得る限りでは、第一原発の1号機から6号機の燃料の総量は6375本である。内4号機は1535本である。(福島原発燃料プールの危機の教訓から)。しかし、「使用済み燃料棒・未使用も含め」これらの実態を私たち市民のレベルではすべて正しく知ることができない。

  現地においてすらそうである。当然にして県外における発信は無責任なものとなる。それが「風評が風評」を生む結果となる。そうであれば尚のこと、県民である私たちは、正しい情報と責任ある説明を、具体的に求める提起をしなければならない責任があるのではなかろうか。

  一つに日常の気象情報がある。今般の気象衛星の打ち上げの成功は、さらに情報の精度を高めると報じている。この気象情報に学んではどうだろうか。

  その情報発信局を「県」としよう。タイトルは「本日の原発情報・一週間の週刊情報」(仮称)とする。発信局の「県」は朝・昼・晩のテレビ、ラジオを通して情報を発信する。そのために、東電は包み隠さず今日の作業、明日の作業内容。そこで発生した問題点とその結果。モニターリングの報告はもちろん、各装備の稼働状況などをすべてを詳細に「発信局」(県)に伝達する。

  このことを「新しい県政」のスタートのプログラムとしてはどうだろうか。