投票箱が閉じられた時に「当確の報道」が流れ、低投票率に終わった福島県知事選

2014-10-27 18:55:56 | 日記

   投票箱が閉じられた時に「当確の報道」が流れ、低投票率に終わった福島県知事選

 

  かつてない6人の候補者による福島県知事選の結果は、投票締め切り時刻と同時に「内堀当確」の活字がテレビの画面に流れた。

  この時刻は、投票箱が投票場から持ち出されようとしている時間帯である。マスコミの素早い報道に「早いことは良いことだ」とは言えない後味の悪さを感じたのは私だけであろうか。

  さて、結果であるが「内堀候補の圧勝・低投票率」という予測がそのまま表れてしまった。とりわけ、「投票率・過去二番目の低さ」(45.85%)となったことは残念でならない。

  3.11の地震、津波に加え、原発事故というトリプル災害を受けた後、はじめての福島県の政治選択の機会であった。県の行政トップを選ぶにふさわしい投票率を期待したが、5割にも満たない有権者の政治参加で終わったことは悔しい。

  15日のブログにも書いたことであるが、「時の為政者にとって一番嫌のことは、国民の政治参加が高まることである」と。それを選挙で考えれば高い投票率ということになるだろう。その意味では、今回の知事選の結果は、自民党の本音からすれば最高の結果ということではなかろうか。

  この投票率の市町村別の実態を見てみる。最高は260年もの間、受け継がれてきた檜枝岐歌舞伎の名でも知られている桧枝岐村である。前回も89%でトップであった。そこで考えさせられるのは最下位のいわき市であり、二番目の郡山市である。ともに県内最大の有権者を有する地区である。そして前回も同様な順位となっている。

  さて、いわき市である。ここには双葉地区からの避難者が集中している。震災前は地価の安い都市部の代表であったが、今や高騰の一途をたどり、加えて不動産不足が叫ばれている。また郡山市である。福島市と並び他県への避難者を多く出している地区である。いずれも、原発基地から70キロ離れている地域ではあるが、低線量からの健康不安を強く叫ばれてきた地区でもある。現に、福島市・郡山市から自主避難をしている数は28.000人とも言われている。それだけの問題を抱えている地区でありながらも、政治の刷新に臨む行動が伴わなかったのは何故なのだろうか。ちなみに県庁所在地である福島市の投票率も59市町村中の47位(47.24%)であった。

  県政の期待する課題を多くかかえているであるにもかかわらず、有権者が投票場に足を運ばなかった。

  この原因は政党にも責任はある。候補者もその責めは免れない。しかし、ひとえに国民(県民)有権者の責めは大きいと私は考えたい。  そのことの究明が無ければ、福島の実情からからする「低投票率」は説明できないと考えるが、どうだろうか。

   来年は、統一地方選挙の年である。身近な行政の選択を可能とする。にもかかわらず、またぞろ「低投票律」の再現は許されない。

  肝に銘じたいものである。