もぐら叩きを続けながら、なおも「安全審査」を求める裏は

2013-09-29 09:40:11 | 日記

 もぐら叩きを続けながら、なおも「安全審査」を求める裏は

国会の閉会中審査が27日に開催された。そこで東電の広瀬社長は「0.3平方キロ湾内はコントロールされている」と発言。IOC総会における安倍首相の発言を容認した。

それでは広瀬社長が公言する「コントロールの根拠は何か」。少なくとも東電技術陣にあっては、全体を把握する立場にある山下フェロー(原子力・立地本部福島第一対策担当)の発言を否定するものである。覆すだけの説明が必要であろう。しかしその説明は無い。

しかもこの不一致は、首相が世界の場で表明した責任にかかわるものである。大変な重みを持つ。社長の権威をもってしても、山下氏は解任に値するものと考えるのが至当であろう。その見解も無い。

時も時、自民党の福島原発事故究明に関する小委員会は、「凍土遮水壁についてはコストが非常にかかる」ものとして、コンクリート壁に変更することを求める提言をまとめている。ところがその提言からすっぽりと消えているものがある。それは「使用済み核燃料の最終処分法が確立するまでは、原発の新規建設は見送る」という表現の削除である。極めて真っ当な考えが、原案から消えた要因は何か。党内の反発を受けた結果と報じている。

収束の方針も決められず、広瀬社長をして「もぐら叩きの対策」という発言をしなければならない状況にありながらも、執拗に安全審査の申請を続ける電力会社の姿勢は、この新規建設をも固執する安倍政権、そして自民党の方針に裏付けられたものとしか言えようがない。国会審議における広瀬社長の「同意発言」は、まさに自民党政権と心中する政治的発言である。

さて、自民党内で異議のある「凍土方式」であるが、鹿島建設によるものであり、トンネル工事など小規模建設の実績はあるが、世界的には試行の段階と解説されている。

全長1.2キロメートル。凍結管を1メートル間隔で地表から20~30メートルまで打ち込み、マイナス40度で凍結させた壁をつくるという大規模な工事である。しかもその凍結は維持させなければならない。しかし止めようとする地下水は暖かい。凍結の壁が維持できるだろうかの疑問も出されている。凍結とその維持には電源が必要であるが、その電力量は想定できない。

それでも原発維持の政策を変えない政府と自民党。それを「『帝』として錦の御旗」を掲げる電力会社。

そして、汚染水対策の柱である汚染水対策装置「アルプス」の再稼動(28日)は、「トラブル発生。僅か1日でストップ」した。

それでも、今日も、明日も、これからも「もぐら叩き」は続ける。