誰でも手にすることができない『山吹色』・誰でも手にする格差の社会

2013-09-12 09:27:40 | 日記

誰でも手にすることができない『山吹色』・誰でも手にする格差の社会

東京オリンピックの決定から5日を経過する。報道もそうであるが、スポーツ界も含め「興奮未だ覚めやらぬ」という感じである。

しかし、東京招致を決定したと言われている、安倍首相の「福島の原発は私が安全を保証します。状況はコントロール下にあります」からはじまり、「汚染水は0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされています」、「健康に対する問題はない。今までも、これからもない」という一連の発言をめぐり国論は二分されているように思われる。そこに食いついたのが東電の「安倍発言を否定する見解」である。

東電は、多分驚き、慌てふためいたと思う。一国の代表の発言である。その意味では「国際公約」である。何が何でもそのことを実現しなければならないし、立証しなければならない。しかし実情は大きく異なる。汚染水対策一つとっても確実に防ぐ手が無いことは多くの専門家によって指摘されている。このことは、新聞その他のマスコミによっても解説されているところである。何よりも一番知っているのが東電の技術陣であろう。「いい加減な、そして格好よいことは言わないで欲しい」と言う居直りに似た姿を今回の東電に見る。

さて、汚染水問題はこれ位にしよう。

そこで、早くも出現してきたのが「オリンピック経済効果」のソロバンはじきである。首都圏のインフラ再整備、関連する公共工事で150兆円。外食、観光事業への波及効果95兆円など。とてつもない数字が並ぶ。

さらに五輪費用は、人件費、警備費からはじまり、競技場や選手村などの整備費などで7000億円を超えると言われている。これとて、そんな額では収まらないことが前回のロンドンオリンピックで実証済みである。結局は、予測もつかない膨大なものになるだろうと新聞各紙は報じている。

そこにきて、経済アナリストと言われる評論家の存在である。「五輪関連企業はどこか」などの評論に操られた株取引がすでに始まっている。ある評論家が述べている。「東京五輪の決定は、日本の株式市場に『長期大相場』の大目標を国民すべてに与える。日経平均株価は、バブル経済ピーク時の3万8915円の現出を目指していくことは、決して夢ではない」と。

そのためには

①強いリーダーシップの発揮と存在

②景気押し上げの仕掛け人の編成

③将来のビジョンの提起

④新しい国家建設のための資金の確保

⑤官民一体の国家総動員の体制

仕掛け・資金確保・そして総動員。私たちは、恐ろしい「絵」を見ることになりはしないか。

原発の危険と、見通しのない危機と不安のその裏に、時代が変われども21世紀の「山吹色」が顔を出した。そしてそこに群がる。

「山吹色」は人を選ぶ。誰もが手にできるものではない。そのことをしっかりと知る必要があるだろう。