原発5号機・6号機廃炉発言について・・・「パフォーマンス」であって欲しくない

2013-09-22 11:57:08 | 日記

  原発5号機・6号機廃炉発言について・・・「パフォーマンス」であって欲しくない

 

再び、原発地元県民の一人として声を上げたい。

それは、第一原発の5号機・6号機の廃炉を東電に申し入れたという安倍首相の発言についてである。

福島県知事も、一歩前進として歓迎。さらに、隣接する第二原発の4基の廃炉も強く求めた。つまり、福島県内の原発ゼロへの要求である。

同じ日に、東京電力の福島現地対策本部に常駐する相澤副社長が、心痛な面持ちで地元のテレビ取材に応じていた。汚染水対策のために、関係箇所からの取水を持ち込み、その放射能物質を測定をする作業がある。その持込作業と測定には技術と経験を要するが、その作業員不足で間に合わないということを、言葉を選びつつ発言をしていた。私もそうだと思う。

現在、基地内で作業に従事している労働者は2.000名と言われている。高い線量下、そして危険との隣り合わせの作業である。作業時間も制限しなければならない。さらに猛暑も加わる。昼間の作業を制限し、多少気温の下がる夜間作業という実態にあるとも聞いている。夜間作業は視界不良もあり、作業ミスや事故があっても不思議ではない。遠隔操作のロボットも不十分である。まさに、敵(放射能)に向かって竹やり(もっぱら手作業)をもってという実態であるとも報じている。

早晩、作業者の不足は明らかになる。そこにきて、オリンピック需要の中ですべてが東京集中の実像が現れるだろう。

今般、国際公約を立証するためであろうが首相の現地視察が行われた。0.3平方キロ発言については21日の投稿に記してある。それもさることながら、冒頭に述べた5号機・6号機廃炉の突然の発言について付け加えたい。

充分な安全管理は必要であるが、この2基の安全は保たれている。その維持・確保のために現在500名の人員が配置されている。仮に廃炉となれば、直ちにその工程が組まれる。20年、30年単位の計画である。さらに増員が必要となるだろう。もしかしたら、1から4号機の緊急対応のため応援が必要となるかも知れない。となれば5.6号機の管理に省略が生まれることは間違い無い。収束は「荒現場」の作業である。何が起きるか判らない。

さらに、この廃炉に向けた費用をどう捻出するのか。国(首相)が責任を持つと言うのであればその覚悟(国民)も必要だ。それで無くとも汚染水対策の「凍土遮水壁」の効果も、浄水装置「アルプス」(ようやく試運転開始)も未知数である。

結局のところ、今回の2基の廃炉発言は、困難な現状から国民の目をそらすためのパフォーマンス。いや首相お得意の「サプライズ演出」と疑わざるを得ない。東京ドームにおける「始球式」ところではない重いものを感じる。

今は、一刻でも早いまず汚染水の収束を願う。そのために、首相が常に用いる「全力投球」で。

そうあって欲しいものである。