10万年後の世界・闇の中を突っ走る世界の違和感

2013-09-19 16:43:27 | 日記

   10万年後の世界・闇の中を突っ走る世界の違和感

9月10日の毎日新聞1面トップの二つの記事に目をやる。一つは「10万年先へ耐久試験・フランス原発ゴミ最終処分場」。二つが「リニア6駅位置発表」である。

6月5日の投稿に「今もって、トイレが無いと言わない訳は」をタイトルに「フィンランドの『オンカロ』」を取り上げた。今もって日本は、原発のゴミの最終処分場の方針さえも示されないでいる。

そこで報告されているフランスの処分場であるが、2025年の操業開始を目指して耐久試験を行っているとある。しかし、住民の反対で計画が遅れるとも報じている。この建設が計画されている周辺は、フランスでは最も貧しい村であり、ここでも助成金や雇用の拡大を歓迎する村民と、それでも施設受け入れを反対する村民との対立が続いていることも報告されている。国は違っても、原発建設をめぐる問題は同様であることを痛感する。

そして10万年の安全管理である。工事の担当者が述べている。「文明も言語も異なるかもしれない未来(10万年後)の人類に、地下480メートルの危険をどのようにして伝えるのか」と。

フィンランドのオンカロでも同様なことが述べられている。10万年後の国土はどうなっているかもわからない。ましてや言葉も文字も変わっているだろう「その時代に生きている人間に地下の危険をどう伝えられるのか」と。

そして、その記事の隣に地下駅の深さが40メートル。東京、大阪間を1時間で走行。総工事費9兆円。そのルートの8割が山岳地帯とトンネルと書かれている。このリニアの乗客は外の景色を見るどころか、その多くの時間を「暗闇を突っ走る乗り物の中」と言うことになるだろう。

私は乗車時間45分、走行距離125キロの新幹線通勤をしたことがある。自宅から勤務地まで、いわゆるドァーツードァ2時間。今や東京周辺では当たり前の通勤範囲であろう。そこで考えたことがある。2時間であれば飛行機を利用した「飛行機通勤も可能」(交通費会社負担として)となるのだろうか。座席は指定されている。それでこの通勤が「1時間余の快適なものとなるだろうか」と。大阪、東京間の距離は500キロメートル強。それに要する時間が仮に2時間であっても、毎日続けるとなれば、この距離の移動に身体が耐えられるだろうかと。人間の疲労度は、時間ではなく距離に比例すると思う。多分長生きはできないであろうと思うが、どうだろうか。

想像もつかない10万年の時間。そして、なぜそんなにも早く、移動しなければならないのか。しかも暗闇の中のリニア中央新幹線。

この二つの記事に、説明しにくいのだが、何故か素直に読めない違和感を持ったのであるが。皆さんはどうだろう。