蟻取物語

蟻の採集や飼育に関する研究成果を、写真等を活用して公開する。

16 蟻研講演録ナンバー4「ケブカケース内ペアリング」

2006年12月01日 12時33分47秒 | Weblog
いよいよ、本題に入りますが、
その前にオオアリ属のペアリングについて、問題提起を。

皆さん、オオアリ属の交尾は、
どのような状態で行われると考えていますか。
ふたつの説があるようです。
ひとつは、空中で飛行しながら行うという説。
もうひとつは、樹木の枝や葉に止まって行うという説。

前者の説の根拠は、雌雄が交尾をしながら天空から落ちてきたのを、
目撃したというもの。
後者の説の根拠は、羽蟻はホバリングが出来ないというもの。

後者の説について考察すれば、
例えば、クロオオアリ雌の飛行の状態は、                 。
そのゆったりした状況からホバリングに近いのではないか。
また、ミカドオオアリ(オオアリ亜族ではないが)のケース内ペアリング時に
経験したことだが、
交尾時、雄の糸のような6本の足が、ハガネのように硬くなるのです。
そのような状況下で、指にしがみつかれると、
足が指にくい込んで、痛みを感じます。
雄は空中で交尾態勢をとれる力量が充分あると思います。

私は、空中で行われるという説に組するものですが、
いまだ、真偽は不明です。
両方が正しいのかもしれません。

ケース内では、完全な飛行はできませんので、
飛行説をとれば、
ケース内ペアリングは、不可能となります。
ケース内ペアリングを可能とするためには、
何か、特別なケース内環境が必要になってきます。
別な表現をすれば、雌雄を交尾にかりたてる要因はなにか。
交尾の引金要因は何か。
その追求がこの講演のテーマとなるのでしょうか。

                       



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