気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

貝母は山茱萸と共演?

2018-03-21 17:01:43 | お稽古
今日は彼岸の中日、朝から降り続く冷たい雨風、奈良市内へ
お稽古に伺いますと、交通量が少なくあっという間に到着、
若草山は雨に煙っていると思いきや頂上までくっきりと見え、

ざわついた心が穏やかに・・・。
今日は台子の稽古、大円之草、行之行台子と台子の初炭点前、
有難いことに中興名物のお点前をする機会を頂け、勉強に。
帰り着くと、やはり緊張していたのでしょうか疲れが・・・。

昨日の自宅稽古の話、蕾だった「貝母」が咲き、「春風椿」
は一段と花びらを広げており、春風椿を取り替えるつもりが、
急な雨で、そのままで稽古を終えました。
 

小雨になった夕方の庭では、雨に濡れた「春風椿」
こんな良い蕾もあったのに残念です。
 
また庭の「貝母(ばいも)」は、「山茱萸」と咲き揃い共演中、
こんな句を見つけました。
山茱萸は禅門貝母浄土門
            後藤比奈夫       
お彼岸に相応しいかも、合掌。
 

お稽古は「隅炉」、続き薄茶点前を。

『隅炉』とは、新版・茶道大辞典によれば
”入炉に属する炉の切り方の一形式。向切と反対に客から遠い
 勝手付に切られた炉をさす。「茶伝集」には、炉の勝手付に
 「巾一寸七分五厘の板を必入ル也、無左候ヘバ柄杓引にくく
  炉のほめきに壁痛ム也」と説くが、ほとんどその実例を
 見ない。”と
巾一寸七分五厘とは、1*3㎝+7*3㎜+5*0.3㎜=5㎝2.5㎜に、
点前教則18(淡交社)では、幅約一寸八分~二寸(約五・五~
六・一センチ)と記載されております。

お稽古ですから、向こう板の代わりに、風炉先屏風を6㎝ほど
少し空け向こう側に置いております。
 

隅炉の次は・・・「向切」になりますね。
続けてお稽古に来て頂ければよいのですが・・・
次なるステップは一歩一歩、慌てずにお稽古を重ねないとね。

お雛様に見つめられて立礼で

2018-03-20 15:57:57 | お稽古
夜中に寝苦しくて目を覚ましましたが、菜種梅雨だとかで前線
が接近中らしく、夜半に最高気温が11.4℃に。
こうも気温の変動が激しいと、着る物に困りますが、ダウンは
クリーニングに出せるでしょう。

昨日の自宅稽古、お雛様を飾っている床の間、掛る軸は
まだ水仙・・・
旧暦の一月(3月16日迄)のつもりが、忘れてそのままに。
高知では15日開花した桜がもう満開と聞き、軸は『春』に
ひさかたの 光のとけき 春の日に しつ心なく 花のちるらむ
      紀友則:古今和歌集春下八十四、小倉百人一首  
 
仕舞い忘れは困り者、旧暦の3月3日の4月18日では遅すぎ?
では月遅れの4月3日過ぎ、早々にお雛様も仕舞わなくてはね。

昨日は立礼、点茶盤にてお二人揃われるのは久しぶりに、

お元気な顔を見せて頂け、話に花が咲きました。

咲くといえば17日には蕾の『貝母(ばいも)』も19日には開花
3/19⇐3/17
でも庭では18日に大きく開き、気が付かなかったのかも
『貝母咲き庭にやさしさ生まれけり』
             清水芳子
3/18⇐3/17

菓子は、別名「あこや餅」といわれ、あこやを模したとも
される『引千切』を赤膚焼(7代尾西 楽斎)に
 
そして「みすゞあられ」、
乾燥を控えめに仕上げたみすゞ飴の半生タイプで
より柔らかめの食感、すっきりと瑞々しい味わいです。
  

お雛様に見つめられてのお稽古、雛飾も賑やかで嬉しそう、
春のお昼下がりの一服、愉しんでいただけましたでしょうか。

泉屋博古館「付属品とたのしむ茶道具ー千宗旦から松平不昧まで」展へ

2018-03-19 15:35:26 | 美術館・博物館
午後から本降りになる雨模様の朝の最低気温は10℃台、この
十日程では氷点下の朝もあり、気温変化が激しく、居候の孫も
熱が出たらしく実家でダウン、体調管理に気を付けないと・・

先週の金曜日、京都・岡崎のホールでのオペラ鑑賞、その前に
『付属品とたのしむ茶道具 ―千宗旦から松平不昧まで、
江戸時代の茶人の書とともに』という企画展が催されている
泉屋博古館(せんおくはくこかん)』へと足を延ばすと、
白川通りから一歩入り、白川を渡ると人気もなく静かさの中に

『泉屋博古館』は佇んでおりました。
 
受付を通り少し上がると休憩室を兼ねるロビーと青銅器展示室
への入り口が、その向こう側が企画展・講堂の棟になります。
手入れさえた庭に梅が、無料の緑茶等を頂きながらぼっーと、
本当に訪れる人の姿はまばら・・・

企画室への渡り廊下のドア横に、小代焼(しょうだいやき)
先の熊本地震で被災されたそうで、支援のため5月に、展示の
お茶碗等を使われてのお茶会が催されるとのこと。


前後期で展示品の入れ替えがあり前期は59作品で、HPによれば
”大切な茶道具が受け継がれるとき、そこに添えられる仕覆や
 箱書、極めや書簡。そんな付属品の数々をお道具と共に展示。
 後水尾天皇の時代に活躍した茶人小堀遠州が好んだ茶道具、
 松花堂昭乗の書画帖、そして江戸時代の茶人の書跡も紹介”

1.『日吉山王祭礼図屏風』海北友雪の緻密な屏風が迎え入れ
6.二条城行幸図屏風 レプリカ


3.瀬戸肩衝茶入 銘 真如堂 江戸時代 17世紀
瀬戸金華山窯の真如堂手の本歌で京都真如堂の塔頭・東陽坊に
伝来したことから小堀遠州が命銘(箱書きに由来が書かれる)、
肩の部分が水平に張り、黒褐色釉に現れた禾目(ノギメ)が景色を
なし、挽家の字形は遠州、内箱・袋箱は小堀十左衛門筆に。
仕覆も時代によりバージョンアップされています。
 瀬戸肩衝茶入

4.三十六歌仙書画帖 松花堂昭乗 1616年
  寛永の三筆の一人の松花堂昭乗、絵もプロ並み
  

9.和歌懐紙「詠寝覚月」後水尾天皇 江戸時代17世紀
 「ゆめならて・・・」さすが、寛永の三筆の一人です。

12.一行書「雪月花」 後陽成天皇 桃山~江戸時代16.17
秀吉・家康と渡り合われたとか、堂々たる豪快な大字で、
白楽天の詩に「雪月花の時に最も君を憶う・・・」とあり、
東洋的な風雅の心様、限局的には春の桜、秋の月、冬の雪と


13.唐物文琳茶入 銘若草(国師文琳) 南宋時代~元時代
「薄くこき野辺のみどりの若草に跡迄みゆる雪のむらぎえ」
この歌を引いて後陽成天皇が命銘、別名は本光国師の所持より
球状に近い文琳で、総体黄みを交えた飴色釉地に肩から二筋に
分かれたなだれが裾にいたる。
内箱書付は小堀遠州の筆、堆朱丸盆、有栖川幸仁親王筆の掛物
崇福寺天庵宗篤の巻物などが付属している。
唐物文琳茶入

16.大講堂釜 芦屋釜 16世紀 大名物
延暦寺の大講堂の香炉を釜に写したものといわれ、広釜口で
広口、上張鐶付、共蓋で道の上部と中ほどに筋目を付け、
その間に「大講堂」と鋳られている。

24.唐物鶴の子茶入 銘漱芳 元時代
  肩幅が狭く細身で背が高い。
鶴の子茶入

26.黄伊羅保茶碗 朝鮮時代16世紀
  見込みが深く、やや半反りで、伊羅保とは、ざらめいた肌
  手にイライラするところからと
27.黄天目茶碗 銘鷰 元時代14世紀
31.一行書 『露堂々』翠厳宗珉 江戸時代
  虚勢を張らず堂々と生きる茶禅一味の境地、
  禅林句集「明歴々露堂々」より

34.紅葉呉器茶碗 朝鮮時代16世紀
大阪の加賀屋広岡家伝来で、鴻池家・平瀬家の紅葉呉器茶碗と
あわせて「浪速の三名物」のなかの第一の茶碗とされ、紅葉を
連想させる薄紅色を呈し、そのなかに青みの火替わりが美しく
映え、強い張りをもつ撥高台に支えられた端正な器形も美しい
内箱蓋裏には円窓内に山水図が松花堂昭乗が描いたとされる。
紅葉呉器茶碗

39.茶杓 銘亀 仙叟宗室 江戸時代17世紀
40.茶杓 銘淡路島 又玄斎一燈 江戸時代17世紀
41.茶杓 銘淀川 又玅斎直叟 明治~大正19~20世紀

44.祥瑞共箱水指 明時代17世紀
  コバルトで発色させている。
 

46.砂張舟形釣花入 銘松本船 15世紀
  天下三舟の一つ、細身で、東南アジアの元食器

48.一行書「叨々咀羅哩」とうとうたらり、松平不昧19世紀
  重厚な薄墨で、力を込められて書かれた
50.一行書「和敬清寂」 片桐石州 17世紀

52.海老鎖付網千鳥地紋釜 大西浄清 17世紀
  鐶付が海老で、その鬚が釜に伸びている
53.古天明日の丸釜 銘時津風 17世紀
  ふっくらとした丸い形、貫通していない大小の穴を虫食いと
58.老松菊地紋蒲団釜 西村道仁 17世紀
  禅寺の蒲団ににていることから
60.裏甲釜 西村道也 17~18世紀
  透き釜にできるように着脱式の縁がついている

64~70まで番付の付けられた香合が・・・
あっという間に5時になり、最後は駆け足に
もう一度、後期(3月27日~5月6日)にでも。
その頃には、緑も濃くなり東山から大文字山を含め、四方の
山々が笑いに包まれていることでしょう。

一冊の本より

2018-03-18 15:18:50 | 書籍
今日から彼岸の入り、例年よりかなり早めの桜の開花が全国
各地から届き始めましたね。
京都疎水べり
奈良の高校の合格発表「桜咲く」もこの金曜日に、一足早く
15歳に春が訪れました。

私に訪れたのは昨日の自宅稽古での「嬉しい出会い」
そわそわ、ワクワクしての準備に、床の軸は『華』
活けた花は、有楽椿、木瓜と蕾をつけたばかりの「貝母」を。
木瓜は織田信長が家紋したことから先駆者という花言葉に、
  
『貝母(ばいも)』は編笠百合とも呼ばれ、花言葉には
謙虚な心、努力、才能、威厳、凛とした姿、人を喜ばせると。
 2017年4月

お茶を始められる動機は人それぞれですが、それを誘って
くれたのは、手に取られた一冊の本でした。
日日是好日 —「お茶」が教えてくれた15のしあわせ—
           森下典子著・飛鳥新社刊 2002年
この単行本は絶版状態でしたが、11月末に再版されており、
気軽に手にできる文庫本は、2008年11月に新潮文庫から。
新潮社HPによる説明文は
”お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で
 自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみ
 のなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。
 がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた
 自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、
 雨の一粒一粒が聴こえる……季節を五感で味わう歓びととも
 に、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。”と
そして構成は
 序章  茶人という生きもの
第一章  「自分は何も知らない」ということを知る
第二章  頭で考えようとしないこと
第三章  「今」に気持ちを集中すること
第四章  見て感じること
第五章  たくさんの「本物」を見ること
第六章  季節を味わうこと
第七章  五感で自然とつながること
第八章  今、ここにいること
第九章  自然に身を任せ、時を過ごすこと
第十章  このままでよい、ということ
第十一章 別れは必ずやってくること
第十二章 自分の内側に耳をすますこと
第十三章 雨の日は、雨を聴くこと
第十四章 成長を待つこと
第十五章 長い目で今を生きること
 解説  柳家小三治
新潮文庫

このエッセイがこの秋、全国公開予定の映画になりました。
主演は黒木華さん、共演は樹木希林さん、多部未華子さん、
メガホンは大森立嗣監督、もう既に撮影済みで、
早く秋が来ないかしら。

ロームシアター京都で小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅥを

2018-03-17 18:02:28 | 音楽
今朝は昨日の雨が嘘のように晴れ渡り、最低気温は0.8℃と
三月初旬に逆戻り、でも雨で花粉も流されたのか、きりっと
した雰囲気に春の朝日を浴び、清々しい朝を迎えました。

昨夕時雨の中、桜は早咲きの桜が二本のみの疎水べりを歩き、
昨年改装なったロームシアター京都での、
 
小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅥ、
・ラヴェル:歌劇「子供と魔法」
・プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」へ
 
 
歌劇「子供と魔法」は皆様楽しみにされていた小澤征爾さんの
指揮が急遽入院ということで、代役がたてられた関係で、
征爾さん直筆の書面と公演プログラムを頂きました。
 公演プログラム表紙

館内はほぼ満席でお子様を連れられた方々も多くお出でで、
ピットにも小澤征爾音楽塾オーケストラの若々しい面々で、
中国、台湾、韓国と日本のアジア諸国から若手音楽家達です。
音が鳴り響くと暗くなり、「子供と魔法」代役のデリック・
イノウエさんがピット内に登場され拍手が・・・、
そして鳴りやむと静かに始まりました。
フランスノルマンディ地方の一軒家で起こる根は優しい子供の
悪事があぶり出され、夢うつつの出来事として喜び、怒り、
おびえ、揺れ動く様が、優しさに満ちあふれた音楽と相まって
幼き者を良く理解され、愛にあふれた作品、さすがラヴェル様!
蜻蛉、蛙やコウモリ等の動きがミュージカルみたく・・・
私も孫を連れてくればよかったと悔やまれた50分でした。

休憩30分後。
後半の「ジャンニ・スキッキ」、背景にフィレンツェの町並み
が描かれた舞台を見て、15年前ミケランジェロ広場から見た
景色と同じ、ドゥオーモの天国と地獄を見ながら463段の階段
を延々と昇った花の宮殿やジョットの鐘楼、ベッキオ橋も。

この風景を望む邸宅内の抱腹絶倒の人間喜劇は、現実に起きた
貴族の遺産問題からヒントを得て、困難を笑いに変え、力強く
生きるプッチーニの故郷トスカーナの人たちへのエールで、
たぐい稀な音楽手法と機知に富んだ台詞が観客を虜に。

終了後には、ここが日本かと思えるほどの熱狂ぶりに、驚くと
ともにヨーロッパの本場に近づいてきており、小澤イズムの
浸透をうかがわせました。
この次は早く良くなられて小澤イズムを感じさせてください。
もう時間は午後9時半、岡崎界隈は夜のとばりの中・・・
想い出しながら・・・帰りついたら11時前でした。

釣り釜に色紙釜を

2018-03-16 11:42:30 | しつらえ
日めくりが変わるころの気温は16℃、雨と共に気温が下がり、
9時には一桁台にまで。吹く風は冷たく今晩は寒くなる中での
お出かけの予定、お目当ての小澤征爾さんが病気入院され、
残念なことに代役に。早く元気になられて指揮されるお姿を
心待ちしております。

朝の庭で咲いた草木も雨に濡れて、満開の山茱萸も大きな水滴
に、そして頭をたれたラッパスイセン
 
数日前からの春の暖かさに誘われて咲きだした匂い椿の一種
『春風』、小輪一重の筒様の花びらにも水滴が
 

自宅稽古の釣り釜に、当初は雲龍釜を掛けておりましたが、
やはり搔立鐶(かきたてかん)の扱いに困られるよう・・・
昨年は「筒釜」、今年は『色紙釜』に替えました。

新版・茶道大辞典によれば(一部改変)
”胴に色紙形の地紋を現した釜で、松平定信著「花月草紙」
 巻一に、小堀遠州好みの釜として挙げられている。定信
 によると、この釜の胴回りには山の麓にかけての景色が
 現され、これに西行法師の「苔清水」の歌
とくとくとおつる岩まのこけしみづ
    くみほすまでもなきすまいかな

 付けており、茶人の嗜みとしては下の句を
 「くみてもわたる人もこそあれ」とすべきだという。
 『釜之図』には「色紙、遠州好、筒形笛鐶付、浄久、
 西行苔清水歌あり」とある。”と

 
もう一つの歌が、それは
寂連法師の「三夕の名歌」新古今集・巻4・秋歌上・361
さびしさは その色としもなかりけり 槙立つ山の 秋の夕暮


西行さんは夏の歌で、寂連さんは秋の歌になりますから
やはり春には少し不向きなようですが・・・
自宅稽古ですので。

寒緋桜の開花で想い出す事

2018-03-15 17:08:08 | お稽古
薄暗い朝、椿の吸蜜に交互に来る鳥達、今朝も喧しく鳴く鵯
追い払われるメジロ、鳴き声は耳の端に残っているのですが、
気が付けば7時過ぎに。朝の温かいこと、寒暖計は9℃代に。
中国・唐の時代の詩人・孟浩然(もうこうねん)の詩「春暁」に
春眠暁を覚えず、処処啼鳥を聞く、
          夜来風雨の音、花落つること知る多少

訳)春の夜は気候もよく心地よいので、
         夜明けも知らず鳥の囀りが聞こえる。

本当はもう少し伏せていたかったのですが、9時までに奈良市内
まで、お稽古に伺わなくては。
車の中から、東大寺大仏殿の鴟尾も春霞のなか、眠そう?

もうすぐ、奈良公園の桜も咲きだします。

近所の保育園の標準木の「染井吉野」は、蕾が開きかけ
ピンク色が・・・、今後も暖かな日が続き、開花は何時?。

あんなに一・二月は極寒だったのに、桜の開花が早いのは何故。

今年初めての花見は昨日の夕方の公園、濃い紅色の花びらが
筒状で下向きに咲いており、これが『寒緋桜』の満開の姿で、
花言葉は、やや気まぐれで美しい女性を連想されると。
 

芭蕉さんは、桜を見てこんな句を詠まれております。
さまざまの事を想い出す桜かな

昨年の花見前の二月から賑わしていた「森友学園問題」も
沈静化したのが、今年になりまた火がつき、様々なことが
浮かび上がりましたね。政権にも花びらならぬ火の子が。
でもへきへきしていることは事実で、重大な政策議論で
国会は機能していただきたいもの。
難問山積ですよ。

桜の開花に合わせて菓子と言えば『桜餅』ですね。
先日京都・仙太郎さんの『桜餅』を頂きました。
 
この桜餅は道明寺製で、栞の蛇足に道明寺一辺倒と記され
是非手づかみで”パクリやムシャリ”とやっていただきたいと
中の漉し餡を包む餅生地はピンクではなく生成りの白色、
それを二枚の塩漬けされた大島桜の葉に挟まれています。

なお仙太郎さんのモットーは『身土不二』大辞泉によれば
”人間の身体と土地は切り離せない関係にあるということ。
 その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いと
 いう考え方で、明治時代に石塚左玄らが唱えた。”と

奈良の地で桜餅を頂きながらの花見、寒緋桜よりも染井吉野が
良いのは当たり前ですが、それよりも・・・
やはり吉野の桜「シロヤマザクラ」が一番かも、
今年はかなり早く、中の千本の満開がなんと4月3日に。

サークルのお稽古も今年度最後に

2018-03-14 20:00:06 | お稽古
7℃と暖かい朝なのに、晴天で昼間には22℃と5月初旬の気候、
初夏の陽気になり、近くの小学校から帰宅する子供達も半袖姿、
その道端にはオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)、ホトケノザや
ナズナ(ぺんぺん草)も今盛りと咲きほこっていました。
  

昨日も晴天で4月下旬の気候の中、ボランティアでサークルの
お茶のお稽古に行ってまいりました。
季節は弥生で「啓蟄」、次候は「桃始笑」にあたりますので、
床のしつらえは「雪洞香合」に花は鶯神楽と有楽椿
軸は『桃花笑春風(とうか しゅうぷうに えむ)』

充実・茶掛けの禅語辞典、淡交社によれば
”「人面は知らず何れの処にか去り、桃花旧に依りて春風に笑む」
 (探していた人はどこにいってしまったかわからないけれども、
  桃の花は昔のままに春風に吹かれてほほえんでいる)に依る。
 思い出の女性との再会を、果たせなかった春の日の情景を、
 詠んだ詩の一節。”と
出典は槐安国語、で『人面不知何處去 桃花依旧笑春風』
去年見た人はもはや居ないという意味で、
人の世の無常観が現れております。つまり
”今年も同じく花を見ることが出来た、そんな日々の暮らしに
 感謝して一日一日を過ごす”と

菓子は、京都の雛祭りに欠かせない『引千切(ひちぎり)』を


お稽古も今日で今年度の最後になりました。
 
あっという間の一年になりましたが、少しでもお茶の面白さ、
楽しさ、そして奥深さを体験して頂けたでしょうか。
お茶をできる喜びに感謝して一日一日を過ごしましょう。
そして来年度も一緒に精進し、勉強させて頂けますね。

名水百選、水無瀬神宮「離宮の水」でお濃茶を

2018-03-13 15:50:35 | お稽古
昨晩の東大寺二月堂修二会、11本の大(籠)松明に導かれ、
連行衆の方々が一人づつ二月堂へと登廊され、その度に舞台の
欄干から降り注ぐ火の粉の舞に、グループ分けされた約12000人
(読売新聞)の参拝者の方々もその度の歓声が・・・。
気温は7時過ぎでは9℃と例年より暖かい上、例年は3万人以上
ですので、今年の参拝者の皆さまはラッキーでしたね。
共同通信 毎日新聞45秒

未明にはご本尊の十一面観音菩薩様に供える香水「お水取り
の儀式が行われました。

3年前二月堂のご香水を掌に少し載せていただき
その甘美さを思い出させる「お水」に出会いました。

日曜日の自宅稽古、釣り釜に使った大阪府三島町の景勝地、

水無瀬神宮境内の井戸に湧く『離宮の水』で、
お濃茶の美味しかったこと、この上ないものでした。

この水は、清流・水無瀬川の伏流水で全国名水百選に選ばれ、
硬度は平均87.0㎎/lで軟水になり、水質検査も非常に良好で
ペットボトル3本まで持ち帰ることが出来ます。
なお近くにあるサントリー山崎蒸留所の仕込み水と同じ源水で、
神宮の神饌に用いられている神聖な井戸水が、茶道の初期から
その水の良さで茶の湯にも利用され続けており、現在成人の日
水無瀬神宮では大茶盛が催されます。さらに神宮内の庭園には、
重要文化財の茶室「灯心席」または「灯心亭」と呼ばれる
数寄屋風書院があり、江戸時代初期に後水尾天皇より下賜され、
御所から移築されたと伝えられています。

内部は三畳台目の席と、同じ面積の勝手が並べられた造りに。


なお「水無瀬神宮」は後鳥羽天皇が造営された水無瀬離宮跡地に
あり、水無瀬信成・親成親子が、菩提を弔う御影堂を建立され
たのが始りで、現在は後鳥羽天皇・土御門天皇・順徳天皇が祭ら
れ、特に後鳥羽天皇は、配流先の隠岐にあっても水無瀬の地を
好まれたようで、次の歌が遺されております。
水無瀬山わがふるさとは あれぬらん  
          まがきは野らと 人もかよわで

軒あれて 誰か水無瀬の 宿の月 
         すみこみしままの 色やさびしき

上皇はこの景勝地への行幸の度、歌合や蹴鞠、狩猟、刀剣鍛作等
をされていたようで、本当に水無瀬の地が好きだったのですね。

修二会も残り二日、15日の未明には終わり、奈良にやっと春が
訪れるはずが・・・、一足早くもう昨日から春本番、今日からは
5月の気候になりそうで、桜の開花も早まるのでは?。その
奈良の桜の開花予想、ウェザーマップは3月21日(12日現在)と
最早、ウェザーニュースは23日、気象協会は25日(7日予想)
どの社が当たるのでしょうか?。

ニューヨーク・フィルハーモニックと五嶋龍を京都で

2018-03-12 12:35:57 | 音楽
今朝のラジヲから「ニューヨーク・ニューヨーク」元気の出る
ライザ・ミネリの圧倒的な歌唱力、ご自分の誕生日を祝福かも
カバーされたフランク・シナトラとどちらがお好きでしょうか。

ニューヨーク(NY)での思い出は2001年3月、家族5人揃って
三大美術館とMETのオペラとブロードウェイミュージカルを鑑賞
し、NBAや五番街、セントラルパークや自由の女神やエンパイ
アステートB.を昇り、見る物全て大きくて華やか・・・
対岸から観た夕やみ迫るマンハッタン島の摩天楼の明り、それが
半年後9月11日のアメリカ同時テロで世界貿易センターが・・・
災害は忘れた時にやって来ますが、7年前の東日本大震災の記憶
も風化させてはいけませんね。合掌

昨日はそのNYを拠点とするニューヨーク・フィルハーモニック
(NYP)とNY生まれの五嶋龍のバイオリンを聴きに北山へ。

NYPは1842年に設立、指揮者はマーラー、ストラヴィンスキー
トスカニーニそして生誕100年のバーンスタインの名も。
今春のジャパンツアーは2013年にベルリン・フィルにデビュー
し次期音楽監督に抜擢の若きヤープ・ヴァン・ズヴェーデン
初めて指揮ぶり、そして五嶋龍さんは11歳の時の演奏以来で
29歳になられた成長ぶりが楽しみに。

北山の駅前の植物園も春の温かさに誘われ家族連れで賑い、

フロアから大文字山を望める京都コンサートホールも春模様。
 
チケットは早くから完売で、エントランスでは外国からの方や
若い方や子供連れ、参議院議員さんも子供連れでお見えなど、
いつものとは違う賑やかさが・・・
実はホール内では楽団員の皆様はもう舞台に登場され、個々に
練習中で、その賑やかも加わっておりました。
チェロ(Vc)が右側、アメリカ式配置のオケで重低音が良く響き
音の輪郭もよく判りますが、ビオラ(Va)の優しい中音が響きに
くいのですが・・・

プログラムは
ヨハン‣ワーヘナール:序曲「シラノ‣ド‣ベルジュラック」op.23
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
・・・・休憩20分・・・
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
アンコールは、
ワーグナー:ワルキューレ第三幕前奏曲「ワルキューレの騎行」

コンサートマスターに続きズヴェーデンさんが登場され始まり
出だしの「シラノ・ド・ベルジュラック」の数拍から、NYPの
華やかでエネルギーに満ち溢れたサウンドに感嘆、そして
ズヴェーデンさんのドライブもあり、のりに乗った演奏に。
続く五嶋龍さんの「メンコン」は熱演!、でもよく知った曲で
アメリカ式の配置の欠点、中音域が聴こえにくくなっており、
名器ストラディヴァリウス「ジュピター」をもってしても少し
、これは前から3席目のせいなのでしょう。でも残念なことは
お母様?にバイオリンを渡し再登場されてアンコールは無に。
無いことはありますので、いいのですが・・・。
休憩後の「春の祭典」スペクタクルそのもので、不協和音と
強烈なリズムの圧倒的な圧力が体の中を吹く抜けており、
アンコールの第三幕の前奏曲「ワルキューレの騎行」が
優しく聞こえてまいります。
心を満たしてくれた素晴らしい演奏を思い出しながら帰路に。

帰宅後、今日のプログラムを手にしながらTVの日曜美術館・
アートシーンを見終わると、次のクラシック音楽館には
なんと五嶋龍さんが登場され、バーンスタイン生誕100年記念
のプログラムで、「セレナード・プラトンの「饗宴」による」
も鑑賞することが出来ました。

なおNYPのアジアツアーは、10日の北京での演奏会の後、
日本での4公演の日程で、昨日の3月11日(日)京都の後は
3月13日(火)東京サントリーホール、ユジャ‣ワンと春の祭典
3月14日(水)東京サントリーホール、五嶋龍、マーラー5番
3月15日(木)名古屋市民会館(旧)、京都と同様
その後、台湾の台北で18日まで。