気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

泉屋博古館「付属品とたのしむ茶道具ー千宗旦から松平不昧まで」展へ

2018-03-19 15:35:26 | 美術館・博物館
午後から本降りになる雨模様の朝の最低気温は10℃台、この
十日程では氷点下の朝もあり、気温変化が激しく、居候の孫も
熱が出たらしく実家でダウン、体調管理に気を付けないと・・

先週の金曜日、京都・岡崎のホールでのオペラ鑑賞、その前に
『付属品とたのしむ茶道具 ―千宗旦から松平不昧まで、
江戸時代の茶人の書とともに』という企画展が催されている
泉屋博古館(せんおくはくこかん)』へと足を延ばすと、
白川通りから一歩入り、白川を渡ると人気もなく静かさの中に

『泉屋博古館』は佇んでおりました。
 
受付を通り少し上がると休憩室を兼ねるロビーと青銅器展示室
への入り口が、その向こう側が企画展・講堂の棟になります。
手入れさえた庭に梅が、無料の緑茶等を頂きながらぼっーと、
本当に訪れる人の姿はまばら・・・

企画室への渡り廊下のドア横に、小代焼(しょうだいやき)
先の熊本地震で被災されたそうで、支援のため5月に、展示の
お茶碗等を使われてのお茶会が催されるとのこと。


前後期で展示品の入れ替えがあり前期は59作品で、HPによれば
”大切な茶道具が受け継がれるとき、そこに添えられる仕覆や
 箱書、極めや書簡。そんな付属品の数々をお道具と共に展示。
 後水尾天皇の時代に活躍した茶人小堀遠州が好んだ茶道具、
 松花堂昭乗の書画帖、そして江戸時代の茶人の書跡も紹介”

1.『日吉山王祭礼図屏風』海北友雪の緻密な屏風が迎え入れ
6.二条城行幸図屏風 レプリカ


3.瀬戸肩衝茶入 銘 真如堂 江戸時代 17世紀
瀬戸金華山窯の真如堂手の本歌で京都真如堂の塔頭・東陽坊に
伝来したことから小堀遠州が命銘(箱書きに由来が書かれる)、
肩の部分が水平に張り、黒褐色釉に現れた禾目(ノギメ)が景色を
なし、挽家の字形は遠州、内箱・袋箱は小堀十左衛門筆に。
仕覆も時代によりバージョンアップされています。
 瀬戸肩衝茶入

4.三十六歌仙書画帖 松花堂昭乗 1616年
  寛永の三筆の一人の松花堂昭乗、絵もプロ並み
  

9.和歌懐紙「詠寝覚月」後水尾天皇 江戸時代17世紀
 「ゆめならて・・・」さすが、寛永の三筆の一人です。

12.一行書「雪月花」 後陽成天皇 桃山~江戸時代16.17
秀吉・家康と渡り合われたとか、堂々たる豪快な大字で、
白楽天の詩に「雪月花の時に最も君を憶う・・・」とあり、
東洋的な風雅の心様、限局的には春の桜、秋の月、冬の雪と


13.唐物文琳茶入 銘若草(国師文琳) 南宋時代~元時代
「薄くこき野辺のみどりの若草に跡迄みゆる雪のむらぎえ」
この歌を引いて後陽成天皇が命銘、別名は本光国師の所持より
球状に近い文琳で、総体黄みを交えた飴色釉地に肩から二筋に
分かれたなだれが裾にいたる。
内箱書付は小堀遠州の筆、堆朱丸盆、有栖川幸仁親王筆の掛物
崇福寺天庵宗篤の巻物などが付属している。
唐物文琳茶入

16.大講堂釜 芦屋釜 16世紀 大名物
延暦寺の大講堂の香炉を釜に写したものといわれ、広釜口で
広口、上張鐶付、共蓋で道の上部と中ほどに筋目を付け、
その間に「大講堂」と鋳られている。

24.唐物鶴の子茶入 銘漱芳 元時代
  肩幅が狭く細身で背が高い。
鶴の子茶入

26.黄伊羅保茶碗 朝鮮時代16世紀
  見込みが深く、やや半反りで、伊羅保とは、ざらめいた肌
  手にイライラするところからと
27.黄天目茶碗 銘鷰 元時代14世紀
31.一行書 『露堂々』翠厳宗珉 江戸時代
  虚勢を張らず堂々と生きる茶禅一味の境地、
  禅林句集「明歴々露堂々」より

34.紅葉呉器茶碗 朝鮮時代16世紀
大阪の加賀屋広岡家伝来で、鴻池家・平瀬家の紅葉呉器茶碗と
あわせて「浪速の三名物」のなかの第一の茶碗とされ、紅葉を
連想させる薄紅色を呈し、そのなかに青みの火替わりが美しく
映え、強い張りをもつ撥高台に支えられた端正な器形も美しい
内箱蓋裏には円窓内に山水図が松花堂昭乗が描いたとされる。
紅葉呉器茶碗

39.茶杓 銘亀 仙叟宗室 江戸時代17世紀
40.茶杓 銘淡路島 又玄斎一燈 江戸時代17世紀
41.茶杓 銘淀川 又玅斎直叟 明治~大正19~20世紀

44.祥瑞共箱水指 明時代17世紀
  コバルトで発色させている。
 

46.砂張舟形釣花入 銘松本船 15世紀
  天下三舟の一つ、細身で、東南アジアの元食器

48.一行書「叨々咀羅哩」とうとうたらり、松平不昧19世紀
  重厚な薄墨で、力を込められて書かれた
50.一行書「和敬清寂」 片桐石州 17世紀

52.海老鎖付網千鳥地紋釜 大西浄清 17世紀
  鐶付が海老で、その鬚が釜に伸びている
53.古天明日の丸釜 銘時津風 17世紀
  ふっくらとした丸い形、貫通していない大小の穴を虫食いと
58.老松菊地紋蒲団釜 西村道仁 17世紀
  禅寺の蒲団ににていることから
60.裏甲釜 西村道也 17~18世紀
  透き釜にできるように着脱式の縁がついている

64~70まで番付の付けられた香合が・・・
あっという間に5時になり、最後は駆け足に
もう一度、後期(3月27日~5月6日)にでも。
その頃には、緑も濃くなり東山から大文字山を含め、四方の
山々が笑いに包まれていることでしょう。