気軽に茶道をしてます。

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お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

桜餅、関東風・関西風とは(和菓子教室にて)

2016-03-03 10:29:00 | 主菓子とお干菓子
日本では、今日は五節句の一つである桃の節句・雛祭り、
新暦に換算されることなく、旧暦同様3月3日なのですね。
 
        いちご桜餅、関西風桜餅
雛祭りの、雛菓子の一つとして、『桜餅』もありますね。
この桜餅作りを教えてもらいに、京都までお出かけしました。
出来栄えはいかがでしょう。

二種類あることに、不思議に思われませんか。
桜餅にも、関東系と関西系があるのです。

関東系は江戸向島の「長命寺」境内で売り出したのが始まりで、
いまも『向島長命寺桜もち』として有名です。
向じま 花さくころに 来る人の
    ひまなく物を 思いける哉
』 正岡子規
お餅は小麦粉(一部には白玉粉を加えるところも)を
水で溶いただけのものを薄く延ばし、一枚一枚
手焼きした皮を、餡を包みさらに塩漬けの葉で包むと、
もちもちとした食感が味わえます。
 いちご桜

関西系は、大阪の「道明寺」で最初に作られ、
お餅は、道明寺粉(もち米をくだいて、蒸して干した物)を
蒸した皮で、餡を包みさらに塩漬けの葉で包むと、
つぶつぶとした食感が味わえます。


桜もちを包んでいる葉は、オオシマザクラの葉を塩漬けにし、
その過程で葉が発酵してクマリンという芳香物質が出てきます。
これが独特の香りを醸し出すのだそうです。
正岡子規は、この香りを
花の香を 若葉にこめて かぐわしき
        桜の餅 家つとにせよ
』と

先人は、見た目の楽しさ、美しさだけではなく、
香りも利用するとは、偉いものですね。

帰宅してまずは、お雛様に差し上げましたが、
いかがでしたでしょうか?。

雛祭る 都はづれや 桃の月
            与謝蕪村
こんな田舎にも、お雛様がということです。

田舎の地域おこしの一環として、近年盛んになった
「雛めぐり」が、この奈良でも行われております。
少し南の明日香村の隣、高取町で3月中に行われており、
高取土佐町並み「町家の雛めぐりと銘うたれ
今年で10回目となります。

高取は日本一の山城「高取城」の城下町として栄え、
昔からの町家が多く現存し、当時の佇まいが残っており、
城へ向かう道を土佐街道といいます。
その道沿いの民家の玄関や、縁側、店先など、現在実際に
生活をされているご家庭に、お雛様が展示されております。
お気に入りを見つけられるのも楽しいかもしれませんね。
壺坂霊験記のお里澤市で有名な壺坂寺も近いですよ。