「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬というんです。
一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間は、なかなかそれができない。嫉妬している方が楽だからな。芸人なんぞそういう輩の固まりみたいなもんだ。だがそんなことで状況は何も変わらない。よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと言ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿という」『赤めだか』 より
昨年の暮れに観たドラマ「赤めだか」そして、先日のEテレ「立川談春×古川周賢」があまりに面白かったので立川談春さんのエッセイ「赤めだか」をこの旅先で読み終わりました。とにかく洒脱な文章で、描写が細やか。あの師匠にこの弟子あり。
立川談春さんが、弟弟子の立川志らくさんに嫉妬していたことを感じ取っていた談志師匠の鋭い指摘に「ハッ」とする談春さん。談志師匠のこの言葉もすごいけれど、ここから大転変をする談春さんもスゴイ。
彼は、この優秀な弟弟子の志らくさんから学ぶことを決し実践しました。
厳しい落語の世界を生きのびていくことは半端な決心と情熱では成し遂げられないのですね。オススメの本です。フライト中でもインターネットに無料で繋がる…ただし無料は15分のみです。もう少しで着陸します。それではよい日曜日を…。明日は水戸です。(荻山貴美子)