のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2009年2月:歌舞伎座 昼の部

2009-02-21 23:36:27 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆観劇概要
観劇日:2009/02/15(日) 11:00~15:57
観劇位置:3階B席 正面後方 上手より
【注意】ネタバレありです。

◆演目・構成・タイムテーブル
1-1:菅原伝授手習鑑 加茂堤 30分
  幕間    10分
1-2:菅原伝授手習鑑 賀の祝 70分
  幕間   30分
2:京鹿子娘二人道成寺 67分
  幕間   15分
3:人情噺文七元結上演時間 75分

余談
・全体通して
今月は、演目の順番がいいですねぇ♪
昼も夜も 楽しく明るく気持ちよく、劇場をあとにできますもん。
↑これって、個人的には、とても重要ポイントなんで、
まったくもって、うれしい限り♪

・ポスター
3階に来月のポスターがありました。
内蔵助役者3人が左を向いて並んでいるのが、なかなかかっこいいポスターです。
色も赤・白・黒がそれぞれ背景になってて、かっこいい~♪

これ、チラシにならないかなぁ…

・舞台写真
道成寺が多いです。なんか「これは合成写真か???」と思うような写真もあって
つい、買ってしまいました(^_^;)

あと、アングルも面白いのが多いです。
おっ と思ったのは、「三人吉三」で、お嬢に声をかけられた、夜鷹のおとせちゃんを
演じる新悟さんを、玉さんの頭越しにアップで移したもの。
それから、上手斜め上からと思われる「道成寺」の「三度笠」の場面。

あと、鮮明な写真なんだけど、ちょっと「うーん(^_^;)」と思ってしまったのは、
「文七」で長兵衛さんの女房のお兼を演じる時蔵さん。
かなりくたびれ女房の感が…(^_^;)

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1:菅原伝授手習鑑 加茂堤/賀の祝
◆配役
    桜丸    橋之助さん
    八重    福 助さん
   松王丸    染五郎さん
   梅王丸    松 緑さん
  斎世親王    高麗蔵さん
   苅屋姫    梅 枝さん
  三善清行    松 江さん
     春    扇 雀さん
    千代    芝 雀さん
   白太夫    左團次さん


◆のたりの目
【加茂堤】
※都合によりラスト10分のみ 観劇
→高麗蔵さんと梅枝さん、見損ねた~っっっ(/_;)

・八重と牛
八重さんと牛の奮闘が、ほほえましい♪
あと白張羽織った八重さんは、なんかきれい。

しかし、牛車の後ろの階段を取らずに、引っぱっていっちゃうのは、
どうなんでしょ(^_^;)

・上方のお話
知ってはいたんですが、このお話の舞台が関西方面なんだな~ とふと
あらためて感じたのが、お芝居に出てくるコトバ。

どんくさい」とか、「ど」を付けた罵り言葉の「ど畜生」とか 
ワレ」とか。

ちなみに私の関西方面のボキャブラリーは、ほとんどが
名作漫画「じゃりん子チエ」を読んで増やしたものだったりします。(^_^;)

【賀の祝】
白太夫が帰ってくるところまでは記憶があるのですが…
その後は、気が付いたら、もう松王が追い出されたところでした(^_^;)
再度、気が付いたときは、梅王も追い出されたところでした(^_^;)
さらに再度、気が付いたときは、桜丸が切腹するところでした(^_^;)
うーん、シリアスで重い場面は弱いです。

・松の枝にゴミ?
庭先の松の一枝になんか綿の雪がついてる・・・と思ったら、雪はくもの巣でした(^_^;)

・千代の衣装
千代の松葉のデザインの衣装は、なんか粋ですねぇ。

・梅王
よく観ると、緑と白の市松で、梅が散らしてある梅王の衣装って、派手ですねぇ。
あ、アタマはダブルの極悪ドコモダケなんだ!

・松王丸
うーん、染五郎さん、松王にしては、声がちょっと高いというか、軽いというか。
あと、これは、染五郎さんだからではないんですが、
「車引」Deha、松王って、もっと声が低くて、重くて という感じがするんですが、
この「賀の祝」の場面にくると、グググっと若年化する感じが。というか、
正直、ガキですよね。(^_^;)実家では、気が緩むってことなんでしょうかねぇ。

・猫畜生
チクショー、なんで犬じゃないんだ。
と猫派の私は、いつもここで思うんです。(^_^;)


・おあにいさま?
松王・梅王・桜丸の兄弟、なんとなく松王が長男なような感じがしますが、
じつは長男は梅王。という話を聞いた覚えがあります。
でも、この場面で松王、自分を足蹴にした梅王に
「このおあにいさまを」というんですよね。うーむ。

・俵投げ
あ、染五郎さんの方が、仕草の端々から、「あの米俵、重いんだ」って感じがわかる。
でも、梅王は米俵の重さなんか気にならないくらいの力もちってことなのかな。

・福助さん
ものすごく膝折ってました。
あれ、福助さんって、こんな背の高さだったっけ?と思ったほど。

・白太夫さん
古来稀なる70のお誕生日だってのに、息子の一人は勘当、一人は切腹。
せっかく長生きしたのに、みるめがこれでは、「長生きするのもどうよ」と
思ってしまいます…


2:京鹿子娘二人道成寺  道行より鐘入りまで
◆配役
  白拍子花子    玉三郎さん
  白拍子花子    菊之助さん


◆のたりの眼
【所化】
・團蔵さん
おぉぉぉぉ、所化筆頭が、團蔵さんじゃないですか!!
しまった、これはノーチェックだった!!
舞台写真にもなかったしなぁ。

セリフも多いし!!フハハハハ♪
あぁ 三河屋!って声がたくさん飛んで、うれしいなぁ♪
でも、出番は最初だけ。
舞台両脇に居並ぶ所化のメンバーにはいませんでした。

・松也さん
花子さんが花道にいるとき、居並ぶ所化の中でも
チラチラと花道に視線を投げる目の動きが、結構、目立ちました。
所化さんたちって、花子さんが花道にいるときは、まったく見ないでうつむいてるか、
じっと見てるか、どちらかがほとんどなんですね。
そんな中で、松也さんは視線がいったりきたりしてたから、目に付いたのかも。

・若手さん
梅枝さんの声がいいですね、やはり。「お、梅枝さんだ」と思います

巳之助さんであってると思うのですが、顔にさした紅が妙に艶っぽさを醸し出してました。
巳之助さん、女形もいけそう。と思うのですが、うーん、やっぱりちょっと
身長が問題かな(^_^;)

・舞い尽くし
私が見た日は萬太郎さん?でした。
延年の舞から今月夜の部の話にもっていく流れは今月特有ですね♪

・草履
所化さんの草履って、小さいですねぇ。
みんな足の後ろの方1/3~1/2がはみ出してるな~

【後見】
やったぁ♪、菊之助さんの後見が菊市郎さんだ♪
おまけに弟さんの菊史郎さんも一緒に後見だ♪

團蔵さんの筆頭所化といい、この後見といい、
いやー、個人的に見所の多い演目だったんですね、これ(^_^;)

【花子さん'S】
・玉さん
釣鐘の紐に烏帽子をひっかけるのは失敗。
落ちちゃいました。

それから、しゃがんでのまりつきの時、一瞬ですが、
後ろに手をつかれました。
玉さんにはめずらしかったので、ちょっとびっくりしました。
ちょっと調子が悪かったのかな?

・菊之助さん
時折、反りぎみな姿勢になる時、ちょっと腹を突き出しすぎ?(^_^;)
と感じるところもありましたが、踊りっぷりが堂々としていて
よかったです♪


・玉さんと菊之助さん
何度目かの二人道成寺とあって、おふたりとも息のあった絶妙の踊りです。
もともとお二人の踊りの差はそんなにあからさまには感じてませんでしたが
回を追うごとにその差がさらに少なくなってる気がします。

でも。
やはり今回も、やはり玉さんは違う というのを感じてしまいました。
最後の振り鼓で二人で同じふりで踊り狂う?ところです。
同じ振りなんですが、玉さんの方には、流麗さや艶やかさのようなものが、
あきらかに感じられるんです。

60分近く踊り詰めで、多分、菊之助さんの方に疲れが出てたのもあるかと思いますし、、
お二人のイキはあっているし、動きもあっているんですけど、
多分、玉さんのちょっとした体のひねりの有無や手先のさばき方のなどから
出てる艶というか、なんというか、そういうのが出せてる踊りと、
出せていない踊りだったんです。

ほんとにその差はちょっとした動きの差だと思うのですが…やはり
恐るべし、日本舞踊。

ただ、そこまであきらかに差を感じたのは、上述の最後の場面だけで、
そこまでの場面では、菊之助さんも玉さんとの比較なんてする気も起きない
くらい遜色ない踊りっぷりでした。

なんせ65分の大半を、玉さんよりも長く踊る菊之助さん。
体力も気力も最後の方はかなり大変なんだろうと思いますが、がんばれーっ!!

ただ、これよりもっと時間の短い鷺娘も体力的に25日公演では
最後かとおっしゃる玉さんですから、動きの激しいこの二人道成寺も、
この先、再演があるかどうか、結構微妙なところだと思います。

これは余談ですが、もし、玉さん菊之助さんでかなわないのであれば、
他のペアでこの秀逸な道成寺を残せないものかなぁ と帰り道につらつらと
考えてしまいました。


【その他】
・長唄お囃子
長唄さん…おぉ10×10だ。すごいたくさん。
夜の勧進帳より多い(^_^;)
太鼓も2つだし。でも大鼓は1人なんだな~


・所化の総踊りと三度笠
開演前に観た舞台写真に、三度笠もった花子さんが、
花笠もった所化さんに囲まれてるところを
舞台の上手斜め上から撮ったと思われるのがありました。

が、私のつたない記憶では、たしか、三度笠の花子さんと入れ違いで
花笠もった所化さんの総踊りになるはず。
「こんな場面あったっけ? それともわやっぱり私の記憶違い??」と思ってたんですが、
私の記憶はあってました!よかった!(^_^;)

今回は総踊りをなくして一部の所化さんの花笠踊りと絡ませることで
三度笠の踊りの部分を長くしたそうです。

確かに道成寺の中でも、三度笠の部分は他の部分の踊りに比べて、短いかも。
今回は、花子さんと所化さんの夢の共演実現ってとこでしょうか?

・手ぬぐい
すごい!3階A席の後ろの方まで飛んできました!
どなたが投げたのかわかりませんが、すごい投球力です!
初めて見ました、3階席の、それもこんな後ろまで飛んできた手ぬぐい。


3:人情噺文七元結
◆配役
    左官長兵衛    菊五郎さん
     女房お兼    時 蔵さん
  和泉屋手代文七    菊之助さん
      娘お久  尾上右 近さん
  角海老手代藤助    團 蔵さん
   和泉屋清兵衛    三津五郎さん
     家主甚八    左團次さん
    鳶頭伊兵衛    吉右衛門さん
  角海老女房お駒    芝 翫さん


◆のたりの目
・時蔵さん
今月、これ一役?? もったいない!!
歌舞伎座~ いくらさよなら豪華公演とはいえ、これは人的資源の
無駄遣いでは~(-_-;)

・團蔵さん
團蔵さん、悪人役も似合う(^_^;)んですが、こういうしなやかな役も
うまいなぁと思うんですよね~♪

・菊市郎さんと菊史郎さんと右近くん
…この配役で、以前もみたことあるなぁ。
その時は右近くんが もちょっとふくよかだったな~、

あっ、姐さんたち呼びにきたのは菊市郎さん!
わーい♪この演目も團蔵さんに菊市郎さんにとうれしいなぁ♪
でも…菊市郎さん、これだけなのか~_| ̄|○

・返済は計画的に
このお話の時節が年末12月として、角海老の女将さんが
お久ちゃんに客を取らすのをまってくれる期限が来年の3月。
…15ヶ月で50両返済するってことは、最低でも3~4両/月 は
稼がないとダメってことか…

できるのかなぁ(^_^;)
1両/月くらいじゃないとダメなんじゃないかなぁ。

・長兵衛さん
でも、まぁこれで改心するんだから、長兵衛さんもいい人なんだよね。
遊び人でも。現代には、こういう子も親もなかなかいないんだろうなぁ。


・左團次さん
あ~左團次さんも今月はこれ一本か~
勿体無い~


花道度:中
長兵衛さんが文七に50両なげつけてのひっこみ、くらいかな。
割と下手からの出入りが多いんですよね。
コメント (2)
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