のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2007年5月:歌舞伎座 夜の部

2007-05-24 01:14:09 | 書いたぞ: 感想書きました~
最後にちょっとボヤきが入ってます。(^_^;)

◆観劇日:2007/5/23(水) 16:30~20:40
◆会場:歌舞伎座
◆観劇位置:3階10列上手より

◆構成
1:女暫 約55分
  休憩:25分
2:雨の五郎/三ツ面子守 約30分
  休憩:30分
3:神明恵和合取組 約105分

 ※終演:20:40


1:十七世市村羽左衛門七回忌追善狂言:女暫

◆配役
巴御前萬次郎さん
轟坊震斎松緑さん
女鯰若菜菊之助さん
成田五郎海老蔵さん
江田源三亀三郎さん
紅梅姫亀寿さん
木曽次郎松也さん
木曽駒若丸梅枝くん
手塚太郎光君
東条五郎男女蔵さん
武蔵九郎亀蔵さん
局:唐糸右之助さん
家老:根井主膳秀調さん
猪俣平六團蔵さん
清水冠者 義高権十郎さん
舞台番三津五郎さん
蒲冠者 範頼彦三郎さん

※都合によりパス。


2上:雨の五郎
◆配役
曽我五郎松緑さん


◆演目について
長唄舞踊です。
今まで 吉右衛門さんので見たことがあります。
あと、歌舞伎フォーラム公演で、梅之さんのも観ました。
曾我五郎がこっそりお姉さんのところにあそびに行く途中に
若いもんに絡まれる
という ストーリーです。多分。

◆のたりの目
・五郎の衣装
おぉぉ?? 五郎、衣装が紅白??
・・・たしか、以前私が見た「雨の五郎」は、みんなかっこいい
黒の衣装だったような・・・

まぁ、蝶の刺繍入りで、確かに五郎なんだけど・・・
赤が血気にはやる五郎なんだけど・・・
なんかオメデタイんだけど・・・
でも、この五郎は、一応、お忍びの逢瀬に向かうところなんじゃなかったろうか・・・(^_^;)

・傘
五郎の持ってる傘の内側の骨がカラフルです。
実際、傘の骨って、こんなにカラフルなものだったんでしょうか?
あ~、あの感じ、なんか、どっかでみたことある と思ったら、江戸東京博物館の
歌舞伎フォーラム公演をやるホールの天井だ!
ということは、あのホールは傘をイメージして作られた??

・達筆
カラミのお兄さんたちが持ってる傘に書いてある「音羽屋」の文字が
えらく達筆。
なんか、かっこいいな~ あの傘。

◆花道度:中
最後の最後に五郎が最初の格好にもどって引っ込みます。
あんまりはっきりは見えなかったんですが、七三で舞台を振り返って引っ込む時に
一瞬、ニヤっとしたように感じたんですが、気のせいかな~

でも、本当にニヤっとしてたなら、それはそれで、結構かっこいいんじゃないか
と思うんですが。

2下:三ツ面子守
◆配役
子守三津五郎さん


◆演目について
常磐津舞踊です。
子守のお姉ちゃんが おかめ・恵比寿・ひょっとこのお面を
かわるがわるつけて泣いてる子をあやす
というストーリーの踊りです。多分。
子守の子がいくつなのかわかりませんが、
結構、おませさんなお姉さんの気がします。

◆のたりの眼
・あ、似てる。
子守の三津五郎さんは、すっかり女の子。
違和感ないです。女形もけっこういけますね、三津五郎さん。
で、なんかどっかで見た顔のような・・・と思ったら、
思い当たりました。
朝丘雪路さんだ!
口元の感じかな~

しかし、愛嬌たっぷりですね~三津五郎さん♪
ほどよく 楽しく、ほどよく かわいく。
観てて気持ちのいい踊りです。

あの、お面は口でなんかをかんで つけてるんじゃないかと
思いますが、そうだという前提で行くと、
あれだけ踊って、あれだけ早替わりして、
結構、口の力がいりそうですし、息がきれても、
口で息ができないとなると、大変ですよね~。

なんてことを考えたりしてたんですが、前提から違ってたら
すみません(^_^;)

あと、お面をかぶって踊るところ、ずいぶん、背が低くみえたんですが、
(筋書きの写真で観ても低いような気がします)
あれ、かなり、ひざを折って踊ってらっしゃるんじゃないかと。
かわいく見えたり、ひょうきんに見えたり、踊りの感じは軽いですが、
踊るほうはかなり大変なのかも(ーー;)。

・ひょっとこの
鼻毛の出具合が気になりました
ひょっとこの鼻毛って、みんなあんなだったのかな~

◆花道度:高
最初、上手奥から走り出てきて、一気に花道七三まで駆け出ます。
で、「♪あいたちこ」と常磐津が始まるところから ずいぶん長い間
ず~っと 七三にいます(^_^;)
はやく本舞台に戻ってこ~いっ!」と心の中で叫びました(^_^;)

ただ、その後、本舞台に戻ると、あとは最後まで本舞台です。


3:神明恵和合取組:め組の喧嘩
    品川島崎楼より 神明末社裏まで
◆配役
め組辰五郎菊五郎さん
辰五郎女房:お仲時蔵さん
辰五郎伜:又八虎之介君
鳶:柴井町 藤松松緑さん
九竜山 浪右衛門海老蔵さん
島崎楼女将:おなみ萬次郎さん
鳶:宇田川町 長次郎権十郎さん
鳶:おもちゃの文次翫雀さん
鳶:三ツ星半次亀蔵さん
鳶:背高の竹市蔵さん
三池八右衛門右之助さん
葉山九郎次家橘さん
露月町 亀右衛門團蔵さん
座元:江戸座喜太郎左團次さん
尾花屋女房:おくら田之助さん
焚出し喜三郎梅玉さん
四ツ車大八團十郎さん
鳶:芝浦の銀蔵亀三郎さん
茶飯屋:藤助鳶:狸穴の重吉菊十郎さん
時廻り:杢蔵権一さん
鳶:烏森の竹次菊市郎さん
茶屋娘:およし菊史郎さん
茶屋女:おまつ升寿さん
力士:神路山花五郎欣弥さん


◆場面構成
序幕第一場島崎楼:広間の場め組VS四ツ車たち力士の火種がここに
第二場八つ山下の場だんまりあり
二幕目神明神社内:芝居前の場お仲・又八・九龍山登場
三幕目浜松町 辰五郎内の場前半の喜三郎内の場面は今回カットになってます。辰五郎・お仲夫婦の危機?
大詰第一場神明町 鳶勢揃いの場め組大集合
第二場角力小屋の場め組を迎え撃つ準備万端の力士サイド。
第三場喧嘩の場菊五郎劇団を満喫できる立ち回りなどなど
第四場神明神社境内の場め組のみなさんの屋根上りはこの場面です。


◆作品について
作者は黙阿弥先生のとこの高弟:竹柴其水。なんですが、
序幕は 兄弟子の竹柴新七さん、三幕目は師匠の黙阿弥先生が書いたそうです。
3人合作ってことにすりゃぁいいのになぁ。

このお話は実話をモデルにしてるそうで、実際にめ組とお相撲さんたちとの
争いがあったそうです。
実際の争いは、どう、決着がついたんでしょうねぇ。
このお芝居を観ている限り、お相撲さん優勢??

◆のたりの目
【役者さん/お役】
・團蔵さん/露月町亀右衛門
かっこいい~♪ 手足がスラッと長いので、
鳶姿はもちろん、腕まくりしたりすると、とても絵になります♪

最後の喧嘩場では、一人だけ鉢巻ではなく手ぬぐいで頭を覆ってるんで、
見つけやすくて助かりました。

で・・・・相撲小屋に駆け込んでいくときに、滑ってコケたように見えたのは、
私の観た幻ですね、きっと・・・


・菊五郎さん/辰五郎
子供に泣きつかれて弱るところが、とても菊五郎さんらしくて(^_^)。
最後にめ組大集合でみんなで末期の水をとるところでは、後れ毛が艶っぽさをだしていました。
あと、この場面で、塩の入った皿を地面にたたきつけて割るところ、
これは、もう、ホントにゾクゾクするくらいワクワクしてしまいました♪

・時蔵さん/お仲
うーん、いいな~♪ こういう姐さんな女房の時蔵さん、私、大好きです♪

・虎之介君/又八
扇雀さんの息子さんとか。筋書きによれば今回がお父さんと離れての初舞台だそうです。
でも、おじさんの翫雀さんが一緒だったのは、大分心強かったのでは?
そのせいか、とてものびのびと、又八になってました。

裾をふわっとさせて胡坐をかいて座る仕草なんかも 上手くて、
辰五郎とお仲の間で、いい感じの倅でした。
楽しみな次世代がここにも一人♪

・團十郎さん/四ツ車
團十郎さんの独特のマイペースな口調が、なんかとっても(^_^;)
最後の場面は長髪。長髪です。サラサラストレート。
うーん、なんか不思議な感じ(^_^;)

・海老蔵さん/九龍山
うーん、後れ毛がこれまた艶っぽい。
でも、肉襦袢の露出度が高い時は、なんかちょっと違和感が(^_^;)

喧嘩場では、松緑さんの鳶が九龍山の髷に鳶口を引っ掛けて引っ張るところで
「髷がひっぱられて、いてーっ」という表情がとってもリアルでした(^_^;)

いやー、でもあの低音で、あのゆったり口調で、後ろから耳元でボソボソと
ささやかれた日には、ゾクッときそうです(^_^;)
海老蔵さんがお姉さんにモテるのには、あの声もかなり貢献してるんじゃないかなぁと
おもったりしました。

そういや、最後の締めの場面、九龍山、いなかったような気がするんですが・・・
早退??

・梅玉さん/喜三郎
最初の出番はだんまり場、次は最後の締め とわりとキーマンな役なんですが、
出番自体は少ないです。
でも、最後の締めの場では、はしごを使って派手なパフォーマンスで、め組と
力士の間に強引に割って入ってきます。
でも、せっかくの見せ場の締め場なのに、梅玉さん、なんだか声のとおりが
いまいちでした。うーん??
そこまで、散々、め組の木遣りの大音声の大合唱を聞いたから、そう聞こえるだけなのかな?

・萬次郎さん/島崎楼女将:おなみ
・田之助さん/尾花屋女房:おくら
・左團次さん/江戸座座元:喜太郎
みなさん、出番はちょっとですが、やはり菊五郎劇団といえば、
かかせない方たちです。

萬次郎さんは「女暫」の評判がかなりいいようなので、観そこねたのが、くやしいです。

田之助さんのおくらは、四ツ車を送ってて、だんまりにまきこまれるとばっちりをくらった人。
きっと泥だらけになったんじゃないかと。

左團次さんは、ちょっとですが、おいしい役。
でも、なんか今月の左團次さん、ちょっと覇気がないような気がするのは
私の気のせいでしょうか。

・亀三郎さん/鳶:芝浦の銀蔵
亀三郎さんも鳶姿の立ち姿が絵になりますね~♪
屋根にかけたはしごに手をつかずに駆け上る場面では、はしごを押さえてる係です。
で、亀三郎さんが最後にはしごをのぼるんですが、さすがに手はついてました(^_^;)

・菊十郎さん/茶飯屋:藤助・鳶:狸穴の重吉
菊十郎さんの演じる江戸時代の物売り(特に食べ物系)は、とても雰囲気が出てて
私、大好きです。
今回は屋台の茶飯屋。こんな屋台もあったんですね~(^_^;)
そうそう、江戸の屋台も、形といい、機能といい、合理的だな~と
いつも感心してしまいます。

・権一さん/時廻り
時廻りってのは、時間をつげてまわる番太のようなものなんですかね。
しかし、権一さんてば、セリフはないわ、打たれるは、蹴られるわ、髷つかまれるわ(^_^;)
ちょっと損な役回りかも。

・菊市郎さん/鳶:烏森の竹次
・菊史郎さん/茶屋娘:およし
・升寿さん/茶屋女:おまつ
喧嘩場直前のめ組勢ぞろいの場面でセリフありました~♪菊十郎さんの次でした♪
あと、最後の場面でも、発見。
弟の菊史郎さんも、芝居小屋前の茶屋のお姉さんで出てました♪
あ、その姐格の茶屋女には、昼の部の勧進帳で端正な後見姿を見せてくれた
升寿さんでした。升寿さんの女形姿はきれいだし、味がありますね~。
よし、今度から要チェックだ♪

・欣弥さん/神路山花五郎
お相撲さんです。セリフもあり。喧嘩場の最初の場面では見つかったんですが、
その後は見失ってしまいました(T_T)

・左十次郎さん/職人 御成門の松蔵
芝居小屋の場面で、「お、あの酔っ払いいい男だ。」と思ったら左十次郎さんでした。
その後の喧嘩場では、こちらは力士になっておりました。
二役掛け持ちの役者さん、結構いますね、この演目(^_^;)

【その他】
・酒に酔ってせつない
辰五郎が喜三郎のところから戻ってきて酒に酔った態で寝ようとするときに
言う言葉なんですが「せつない」という言葉の感じがなんかすごく
生きる使い方ですね~ さすが粋だな~ と思ってしまいました。

・末期の水
め組のみんなが 末期の水を取ると称して、ひしゃくで口にふくんだ水を、
プーッと片足づつ両足に吹きかけるんですが、これが鳶流の末期の水なんですかね~
ちなみにこの時の水はホンモノです。
舞台、水の跡だらけ(^_^;)

・義太夫
江戸の世話モノなのに、上方が起源の義太夫が入ります。
ってイヤホンの解説で言われるまで、あんまり違和感感じてなかったんですが、
言われてみれば、確かにめずらしい。
これは、黙阿弥先生の頃がもう明治の頃で、あんまりそのへんのことが
うるさくなかったのと、黙阿弥先生とよく組んだ俳優:市川左團次が上方の出で
「忍ぶの惣太」だったかで、ためしに義太夫を取り込んでみたらうまくいったので、
以後、積極的に入れるようになった というような理由があることを
イヤホンの解説に教えてもらいました。なるほどね~。

・ひと場所は
10日なんですね。この頃は。
あと、お相撲さんは帯刀を許されるくらいだから、結構、扱いはよかったんですね~。
さすが国技。

・鳶の役名
別にセリフの中で 名前が出てくるわけではないんですが、みなさん、「●●の■■」
と二つ名がついてます。
自分の好きに決めるんでしょうか、この役名って(^_^;)。
それとも 原作にこれだけ色々名前があって、役者さんが自分の好きなのを選ぶとか(^_^;)。

・江戸座の出しもの
  碁太平記白石噺 一幕
  日高川入相花王
  義経千本桜(渡海屋と四の切?)
いや、別に目についただけで、意味はありません(^_^;)

◆花道度:高
どの場面も結構、満遍なく花道の出入りがあります。
が、鳶の連中が走りこんでいくのが、やはり圧巻かと。
個人的には纏を担いだ團蔵さんの入りが気になりますが。


◆おまけのぼやき
前の席、ほぼひとブロック、がら空きでした。
団体客のキャンセルだったのでしょうか?

おかげで私の席は舞台の見晴らしよくてうれしかったんですが、
が、ですよ、「め組」の前に3階B席からこの空き席に移動した方が数名。
で、私の席は、ちょっと舞台が見えづらくなってしまったんです。<(ーー;)

私、横の席とかなら、あいてるなら移動してもいいかな~と思うんですが、
席種をまたいでの移動ってのは、どうなんでしょうね。

上記のように、個人的に「ラッキー」と思ってたこともあって、
この移動した方にはちょっと「ムっ」ときました。

電車でも自由席から指定席、指定席からグリーン車に移動する場合は、
追加料金払うわけですし、席種によって値段が違うのは、それなりの
メリットがあるからなわけで、そのメリット(劇場の席でいうなら
舞台の見え具合かと思うんですが)を享受したいなら、やっぱり
対価は払いましょうよ。
と思う私としては、やはり、席種を越えた無断の席移動は、いかんと思います。

が、その人たちに対して、そんなことを言う勇気もなく。
舞台の観づらさにちょっとイライラしたりしながらの観劇になってしまったのは
残念なことでした。(途中からそんなイライラはわすれましたが(^_^;)

これは・・・そーですねぇ、やはり劇場の人に注意して欲しいもんです。
結構、堂々と移動してる方もいましたしね。

以上、ちょっとした皐月晴れの夜のぼやきでした。
コメント (4)
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