のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2007年5月:新橋演舞場 昼の部

2007-05-04 01:24:17 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆観劇日:2007/5/3(木・祝) 11:00~15:15
◆会場:新橋演舞場
◆観劇位置:3階2列中央より

昼の部は楽しいお話3本立て。
特に「大川の隠居」では、ハプニング続発!
お茶目な「演舞場の怪人」ってのが、いるのかも(^_^;)と思ったくらい。
今月の観劇のスタートは なんとも楽しく、気持ちのよい舞台になりました♪

◆上演時間
1:歌舞伎十八番の内 鳴神 (約80分)
  幕間   30分
2:鬼平犯科帳 大川の隠居 (約90分)
  幕間   20分
3:釣女          (約35分)


1:歌舞伎十八番の内 鳴神

◆配役
鳴神上人染五郎さん
雲の絶間姫芝雀さん
黒雲坊由次郎さん
白雲坊吉之助さん


◆のたりの眼
きもちよ~く、爆睡(^_^;)。要所要所で意識はあったものの・・・8割は寝てたな~。
終盤、絶間姫が綱を切りにいくあたりからは しっかり起きてました。

【役者さん】
・染五郎さん/鳴神上人
最初のところでは、張りがあって、お上人さま、いい声だな~と思ったんですが、
個人的にもっと迫力が欲しいと思う場面(絶間姫の正体を疑ったところと「堕落した~」
のところ)では「ちょっと声が弱いかな~」と思いました。
身体の向きで、声がちょっと聞こえづらくなるのかな?これは仕方ないのかな~。

・芝雀さん/絶間姫
最後のひっこみが、とてもキレイでした。
形がとかいうより、なんというか、絶間姫の色んな気持ちが現れてて、
一人の女性として、とてもキレイでした。
といっても、テレビごしでみただけなんですけど(^_^;)。

・吉之助さん/白雲坊
わーい♪吉之助さんだ。


【演出】
・大薩摩
上手の山台に現れるのは、大薩摩連中。そうか、これ、大薩摩だったんだ。
こういう大薩摩もあるんですね。なんとなく大薩摩というと、長唄の途中に
入ったり、幕外スタンディングなイメージがあったんですが、今回は、なんか竹本連中
みたいな顔して、でも大薩摩。というのが新鮮な感じでした。
って、私、この演目見るのは、もう、何回目かのはずなんけどな(^_^;)


・上人様の変身場所
たしか、最後、泥酔したお上人様は、苫屋に御簾が降りて、その中で変身する
と記憶してましたが、今回は滝の前に緋色の消し幕がでてきて、その裏で変身。
なんで いつもどおりじゃなかったんだろう??

・狩衣復元
絶間姫の最後の引っ込み、だんなの形見と偽った狩衣が一瞬にして復元するところは
後見さんとの息がピッタリ。ところで、いつも、狩衣かついで退場でしたっけ?絶間姫って。

・裃後見さん
怒りに燃える上人様が所化たちに経文を投げつけるところ、
ごく当たり前の態で次々に上人に経文を差し出す裃後見さんと、
それをなんのためらいもなく受け取ってなげるお上人様のコントラスト。
黒子でなく存在感たっぷりの裃後見さんなだけに、なんか不思議な光景に
思えてしまいました(^_^;)。

・統一しましょうよ(^_^;)
ぶっかえりして 怒りの独白をするお上人様を恐れて下手で「ちょっとまって」ポーズで
固まってる所化さんたち。
出した手はぷるぷる震わすのか、ピタッと止めとくのか、統一したほうが
キレイかもしれません(^_^;)

・黒の威力
お上人様のぶっかえりの衣装、すその部分にすごく濃い黒がはいてあります。
この黒が入ると、なんか凄みが増しますね~。

◆花道度:高
所化2人の出。
絶間姫の出。
所化2人の引っ込み。
絶間姫の引っ込み。
キレたお上人様の六法のひっこみ。

最後の2つが見ものです。


2:鬼平犯科帳:大川の隠居

◆配役
いわゆる鬼平長谷川平蔵吉右衛門さん
元:良い盗賊、今:船頭のじいさま友五郎歌六さん
鬼平の奥さん長谷川久栄福助さん
若さの同心酒井祐助錦之助さん
間の抜けがちなお年頃?な同心木村忠吾松江さん
元:盗賊、今:鬼平手下小房の粂八歌昇さん
さすが与力佐嶋忠介段四郎さん
鬼平のお友達岸井左馬之助富十郎さん


◆演目について
これ、テレビでやったの、録画はしてあるんですが、見てないんですよね~。

◆のたりの目
まずは↓これから。
【続発ハプニング】
・その1:友五郎、川面を走る
最初の場面でのことです。
平蔵さんにタバコ盆を渡したあと、船に戻った歌六さん演じる友五郎さん。
うっかり、屋根舟の屋根の上においてあった竿のでっぱったところに当たってしまい竿は屋根から転げ落ち、川にどぶん!
友五郎さん、とっさに船から飛び降り、川面を走って(^_^;) 竿を回収!

観客からも笑いがおき、吉右衛門さんから「今の身のこなしは・・・」とつっこまれ・・・(^_^;)
いや~ナイスでした 歌六さん♪


・その2:定式幕、反乱
3幕目の終わりでのことです。
舞台の中央で、平蔵さんが、これからの仕掛けのキーアイテムになる印籠を見つめながら
ニヤニヤとあごを手でさするところで、チョンチョンチョンチョンチョン・・・と析がなり、
普通なら、そのままジャァ~~~ッと幕を引く音とともに定式幕が引かれるのですが・・・

・・・ありゃ?こない。

と思ったら、上手の裾のあたりで、大道具さんが幕を引っ張ろうとしてるんだけど
上の部分が引っかかってるらしくて、出てこれない(^_^;)
一度、ちょっと析が途切れ、そのあと、ついに緞帳がおりてきました(^_^;)

そのすぐ後、緞帳がはねると、そこにはちゃんと下手まで引かれた定式幕が!
観客席から、少しですが、拍手が上がりました(^_^;)


・その3:危ない、危ない
最後の場面でのことです。
そこは船宿の離れ座敷。

外からお酒を持ってきたお女中さんが、私のみ間違いでなければ、
上がりかまちで、ちょっとつんのめりかけてました(^_^;)
危ない、危ない(^_^;)


一体、今日の舞台はどうしちゃったんでしょう(^_^;)
オペラ座ならぬ演舞場にも怪人がいて、G.W.だから、サービスしてくれたんだろうか?
とさえ 思いたくなりました(^_^;)

でも、見てるほうは、楽しいからいいんですが、当事者の役者さん、大道具さんは
顔から火が出る思いですよね~。
そう思うと「笑っちゃって悪かったな~」と思うんですが・・・
すみません、やっぱり、笑っちゃいます(^_^;)
お客さんが楽しんでくれたってことで、チャラにしてもらえるとうれしいんですが。


【役者さん/お役】
・吉右衛門さん/鬼平
最初の登場場面では、「吉右衛門さんにしては、なんか声が聞き取りにくいな~」
と思ったんですが、最初のうちだけでした。病み上がりの声ってことなのかな?

最後の場面では、裸足の足が、そこに酔いが出てるように赤く見えました(^_^;)
ついでに、ここ、プロンプがかかってるような気がしました。
吉右衛門さんにかかるのはめずらしいかも。
結構、見せ場の場面だけに、間違えるとまずいというのもあったのかもしれませんが、
それだけに、結構、音が響く場面なんで、プロンプもよく聞こえてしまうのは
難点かも(^_^;)。

・歌六さん/友五郎
最近、老け役が多いなぁ(^_^;)
やっぱり、ちょっと「造り老け」の違和感のような感じは否めません。
が、上手いんですよね、歌六さん、中にギラギラした部分を秘めたような老け役。
今回もあの「キシャシャシャシャ」という感じの笑い声(^_^;)、
うーん、ナイスジジィぶりだ(^_^;)
あと、いい歌声もきかせてもらいました♪

中盤でのそばやに化けての引っ込みも、友五郎らしさが出てて、見てて楽しくなります。

あと、最後の場面での平蔵さんとのやり取りが、また秀逸。
吉右衛門さんとがっぷり四つで 楽しませてくれます。

・歌昇さん/粂八
吉右衛門さんと歌昇さんのイキの良さが、そのまま平蔵さんと粂八のイキの良さに
現れてて、見ててきもちよいほどです♪

・松江さん/木村忠吾
松江さん、こういう軽さのある役でも、違和感なくなってきました。
きっちりとしたお堅い人物も上手いし、着実に役の幅が広がってるような気がします。
これからも楽しみ♪

・富十郎さん/段四郎さん/錦之助さん
お三方とも 登場はほんのちょっとなんですが、ピリっと舞台を締めてくれます。
富十郎さんなんか花道ひっこみつきだし。
段四郎さんは、古参の部下?として鋭いところを見せるし。
錦之助さんも一直線な若者風で、なんかイキイキしてますし。

もうちょっと長い舞台だったら、お三方とも もっと活躍場面があって
いいと思うんですが。次回作に期待??

・福助さん/久栄
うーん・・・・久栄さんのイメージは、わかるんですが・・・
うーん、福助さんで適材適所かな~と思うところもあるんですが、
個人的には、時蔵さんとか、魁春さんの方がしっくりくるかもなぁ
と思ってしまうところもありました。

・京妙さん
最初の場面で、友五郎さんの操る屋根舟に乗っるお客です。
うーん、粋な姐さん♪美人ですね~♪

【その他】
・幕開き
佃の相方でひとしきり情緒をかもしたあと、定式幕が開きます。
ワンクッションあるのが、面白いです。

・「大川の隠居」とは・・・
あ、鯉なんだ! はー うまいネーミングだな~
最後に、ちゃんと姿を見せてくれたところがナイスです♪

・最後の場面
最後の場面、気持ちよい話ではあったんですが、ちょーっと長い
+くどい 感じがしました。
友五郎さんの息子さん云々のあたりが、も少しコンパクトにまとまるといいのかな~。
平蔵さんと友五郎さんのやりとりも、どれも面白いんですが、ちょっと長いのかな~。

・テレビ版
テレビ版のを見ないで観たのは、正解かもしれません。
先に見てたら、色々違和感があったかもしれませんから。
でも、純粋に、歌舞伎の舞台としても面白かったです。
他の話も歌舞伎の舞台にしてみてもらいたいですね~♪
これから5月の演舞場は、毎年1本、新作鬼平入れるってのは
どうでしょう?

◆花道度:中
最初の場面で吉右衛門さんと歌昇さんが船にのって登場。
二幕目では富十郎さんがひっこみ
三幕目ではそばや屋台と歌六さんのひっこみ
くらいですが、どれも七三あたりで セリフがあります。
演舞場は花道を2・3階席下手のテレビに映してくれるので、ありがたいです♪


3:釣女

◆配役
太郎冠者歌昇さん
上芝雀さん
大名某錦之助さん
醜女吉右衛門さん


◆のたりの眼
前の2つの演目で楽しくなった気持ちを壊すことなく、
さらに磨きをかけてくれるうちだしです♪

・歌昇さんの太郎冠者
よいお声が聞けました♪
キレのよい踊りも見れましたし♪昼の部は歌昇さんご贔屓として大満足~♪

・吉右衛門さんの醜女
かわいかったです!そんなに嫌がんなくてもいいじゃん、太郎冠者。
といいたくなりました。・・・ちょっとデカイけど(^_^;)。
声もそんなに違和感・聞き苦しさなし。吉右衛門さん、高い声もきれいですね~。
しかし・・・さっきまで鬼平だったのに・・・(^_^;)

あと、「錦ちゃん!待ってましたー!」「すてきー!」にはびっくりしました(^_^;)
結構、こーいうの、好きですね、吉右衛門さん(^_^;)

・後見さん
歌昇さんの後見さんが、息子さんだったように思います。
錦之助さんの後見さんは、ちょっと段治郎さんに似てるかな~
と思ったりしたんですが、どなただったんだろう?

・上手の山台
もひとつ、めずらしいかなと思ったのが、常磐津連中さんが上手の山台だったこと。
昼の部は3本中2本で上手に山台がでますが、いずれも竹本でないのが
また、めずらしい。

◆花道度:なし
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