のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2006年5月:中日劇場「雪之丞変化2006」

2006-05-28 17:58:45 | 書いたぞ: 感想書きました~
うーん、ついに千穐楽間に合いませんでした~(T_T)

でも、せっかく書き上げたんで挙げます。
久しぶりに以前のようにダラダラと書いたんで
と~~~~っっても、長いです(^_^;)

すみません~。お時間あるときにでも のぞいてくださいませ。


◆観劇位置
昼の部:1階3列下手より通路際
夜の部:2階6列上手より

◆構成
一幕目:95分
 休憩30分
二幕目:95分
※ただし、笑也さんのブログによると私が観劇した日の翌日から
テンポアップで30分短くなったそうです。
休憩が5分短くなったのと、あとはお芝居の方が20分短くなってる
そうです。
見たかったな~テンポアップ後のお芝居も・・・

◆登場人物
↓こちらを参照。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/be/1347328d1775abbd118969c3e508cf9f.png

※デカイ図ですみません・・・(ーー;)

◆あらすじもどき
に、行く前に中日劇場の舞台機構を。
舞台面は蛇の目回しの二重盆。盆の外側と中がそれぞれ違う方向に
回ったりするんです。
それから舞台奥には上手と下手を結ぶように橋があります。
この橋、前の方に動いてきたり、後ろに下がったりと、移動が可能。
この橋は初めて見る舞台機構ですが、面白いですね~。

橋の下には暗幕が張ってあり、盆がまわってこの暗幕にかくれて
次の場面がまたまわってくる という場面転換がよく行われます。

花道はなく、宙乗りは上手から対角線上の2階下手奥までの長距離&
お客様の上をとぶというアレです「筋交い宙乗り」。
国立より、こっちの方が先ですよね、これ。

以下クリックすると別ウィンドウで開きます。

■一幕目
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/48a88e00cb73f67c51f801309cd1f385

■二幕目
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/9f05964f06ecd562ff156fc01dca070f

◆役者さん・その他
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/b838f5a36f7234c8a8e57da1e1b9f07b
※コメントは上の「あらすじもどき」の中にかなり書いてあります。
ここに挙げたのはそこで書き漏らしたことのみになってます。

◆おまけ:中日劇場について
これだけでも公演中にあげときゃよかった・・・<(ーー;)
コメント (4)
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2006年5月:中日劇場「雪之丞変化2006」一幕目

2006-05-28 17:55:13 | 書いたぞ: 感想書きました~
【一幕目】
トヨタ自動車提供の中日劇場の緞帳があがると
入れ替わりに降りてくる(んだったかな?(^_^;)緞帳は
上手に大きな青い地球がただよう宇宙の図柄。
・・・ドコカデミタオボエガアル(^_^;)

その緞帳が透けていくと現れるのは自殺サイトを接点にした多次元空間。

橋の上はほぼ孤島状態の島の崖。
そこにいるのはオートバイとその主のユキヒコ。
手にしているノートPCはバイオでしょうか?かなり小さめ。
Gパンに皮?ジャン姿。

は~、足が長いから似合いますね~Gパン姿も。
最初、パーッと照明が当たって、ジャンパーが真っ白にみえたんですが、
光がうすれるとともに黒だったのかと思い、よく見たら焦げ茶。
で、なぜか顔は白塗り。単に血色が悪いだけかと思いましたが、
これは最後にタネ明かしが。

下手の屋台の上の部分はトラックの運転席。
そこにいるのはつるっつるのアタマにタオル鉢巻な姿がなんか
はまってる猿弥さん。
こちらはA4サイズのノート。バッテリーが持つかなんて
ヤボなことは聞いてはいけません。

上手の2階建て屋台は上の階がハンドルネーム「死神」の猿紫さん。
下の階はハンドルネーム「ドクロ」の喜之助さん。
(多分。違ったらごめんなさい)
イケメンタワーです♪
特に1階。サングラスかけてハスに構えるその姿
・・・なんかGacktさんみたい~(^_^;)

舞台にはケータイやノートPCを手にした群集。
群集の中では喜昇さんだけは区別がついたんですが、
あとは???
気になったのは下手手前にいた眼鏡のサラリーマンらしき人。
うーん、誰だろう?

で、これらがすべてつながるのが自殺サイト。
書き込みがセリフとして語られていきます。

その中でユキヒコは自分が宇宙飛行士訓練生だったこと。
原因不明の病でその道が閉ざされたこと。
今自殺するために孤島の崖にいることがわかります。

ユキヒコの自殺をけしかけるサイトの住人。
自身が運転するトラックに飛び込まれた経験をもつブンタは1人
必死にユキヒコを止めようとしますが、バイクにまたがって
エンジンをふかすユキヒコを光と煙幕にかき消された暗転のなか
聞こえるのはクラッシュの音と救急車のサイレン。

うーん、この場面の、死ね死ねの連呼はどうにも 見てて聞いてて 
あまり言い感じがしません・・・<(ーー;)

盆がまわって次の場面はジジさまババさま看護士満載の島の病院。
マスクで顔が覆われてるんで、顔はよくわかんないんですが、
声で誰が誰だかわかります♪

この島の病院で重態のユキヒコの緊急手術に挑むのはDr.コトーな
青年医師:タカミヤ。
笑也さんです。こちらも白塗り。似合うかも白衣。(^_^;)

そのDr.タカミヤは、ハイテクばーさんのおぎん婆さんが
現場に残されたPCからたどった自殺の理由を聞かされます。
自身が大病院のいざこざに巻き込まれ嫌気がさして
この孤島にやってきたというDr.タカミヤ。
じつは「白い巨塔」にも足突っ込んでたんですね。(^_^;)

で、そんな自分とユキヒコに相通じる境遇を感じ、
「絶対助けてみせる!」とジジババ看護士とともに手術にいどみます。

横たわるユキヒコの執刀はストップモーションになり、
どこからか聞こえる「ユキさ~ん、ユキさ~ん」という声。
その声に反応するように手術台の影から出てくる手術衣のユキヒコ。
幽体離脱ってやつかな?足は裸足。
うーん、ムダなお肉のついてない足だな~

すると、横たわるユキヒコの足元の看護士の一人が帽子を取ったら
ジジでもババでもなくて「おひさしぶりです」なんて言い出すもんだから
びっくりのユキヒコ。

この人物が闇太郎。右近さんです。
親しげに話しかける闇太郎と反対に闇太郎に見覚えのないユキヒコは困惑。
闇太郎の説明によると、闇太郎はユキヒコの前世である人に恩があり、
と闇太郎は前世で大の親友だった ということ。

いきなりそんなこと言われても 信じられる人は少数派かと(^_^;)
ユキヒコも当然信じられません。オマケに自分は前世は
歌舞伎の女形だった といわれて素直に信じられる宇宙飛行士の卵は
そうそういないと思います。(^_^;)
で、闇太郎が「じゃぁ、お話しましょう」ということで、
ここからようやくお江戸バージョンに突入するわけです。

ここで幽体離脱空間と現実空間の切り分けをストップモーションで
行うのは歌舞伎を見慣れてる身には面白い演出に思えました。

呆然とするユキヒコを残し、盆がまわって手術室場面が引っ込むと、
橋の上では市村座のお披露目公演の幕がいよいよあがります。
そして女形姿の段治郎さん、いよいよ登場!

このユキヒコから雪之丞になるところで影武者使った
早変わりがあります。

昼の部で見た時は、入れ替わってからしばらく気がつかなかったので
どこで入れ替わったのか見損ねましたが、夜の部ではばっちり♪
しかし、後ろ向いて黙っているあの影武者さん、
そんなに違和感ないとこみると結構、背丈のある人なんだと
思いますが・・・だれだろ?

劇中劇で雪之丞の相手をするのは門之助さんの雪之丞師匠:中村菊之丞。
なんか段治郎さんの扮装は「将門」の滝夜叉みたいだな~
と思ってたら、ホントにそうだった(^_^;)

段治郎さんは女形姿も興味深いですが、やはりこの後続く、
本舞台での滝夜叉の立ち回りが見ごたえありです♪

さて、この二人、市村座に招かれて上方からやってきた
という設定で、屋号は「はなむら屋」

ちゃんとかけ声が飛ぶんですよ。録音だと思いますが。
うまいのも、ちょっとナンな掛け声もとりまぜてかかるんで、
なんかリアルです。プロに頼んだのかな~?

そーいや、前回、雪之丞を演じられたのは信二郎さんということなんで、
雪之丞の上の名前が「中村」なのは 納得といえば、納得なんですが、
だったら今回は「市川」にするってことは出来なかったのかな~(^_^;)

で、この人気公演を見にきてたのが、宿下がりしてきてた
上様のご寵愛を一身にうける浪路(笑也さん)と
そのパパ:土部三斎(猿弥さん)。

この三斎、奥さんがさぞや美人だったんだろうな
と思わせる風貌です。(^_^;)

それから浪路付き女中のお滝さん(笑三郎さん)に、
三斎と手を組んで裏で色々三斎の悪事仲間らしい
海鮮問屋の広海屋(欣弥さん)
それに三斎の家の用心棒で浪路にひそかにホの字の平馬(瀧之さん)。

三斎は、雪之丞に一目ぼれした浪路のために、雪之丞を屋敷に
まねくことにします。

一方、三斎に追い詰められて自害した父親を
もつ雪之丞も、この観客を舞台から三斎たちを見つけていました。

楽屋の場面、
仇と恨む人物から屋敷への招きを受けた雪之丞。
唯一、雪之丞が仇持ちと知る師匠の菊之丞は、雪之丞をはやるなと諌め、
小柄仕込んだ扇を渡します。

一方、この2人の会話を聞いていたのが 楽屋荒らしの最中のお初姐さん。
いいネタ聞いた、どうしようかな~ と思案しているところに来たのは
子分のムクイヌの吉。(お初さんはもっぱらムクと呼んでます)
荒らしがいのある楽屋と喜ぶムク

そんな2人の前にどこからともなく姿を現したのは闇太郎
闇太郎とのお初さんの 今回「演じて楽しい2大巨頭」の対面のこの場面、
闇太郎とムクとのお笑い初対決?あり、
闇太郎の壁にむかってのダイブによる退場あり、
闇太郎に一杯くわされるお初さんあり、
と、楽しい場面です。

続く仇:三斎の家での饗応の場面に入る前に、三斎の仲間、
広海屋と長崎屋の談合シーン。

この声のいいお二人は一幕目の談合シーンが白眉♪
首巻きをした姿が、またなんとも悪役ムードをかもし出してまして♪
それから、この場面、襖の玄武の絵がとても立派。

どうも、この2人、三斎を追い落とそうとしているらしい
とにおわせたところで三斎が登場し、雪之丞もやってきて
宴が始まります。

ここで三斎に所望された雪之丞がご披露するのが「道成寺」。
・・・「道成寺?? これまたチャレンジャーだなぁ」という驚きと
う~ん・・・<(ーー;) という戸惑いと・・・。
鐘の代わりにキッと三斎をニラむってのは なるほど、
な展開でしたけど。

続いて三斎邸の奥の間。
ここでは笑三郎さんのお茶目をアクセントに浪路と雪之丞が
ふぉーりんらぶ って展開です。
正確には、浪路を手玉にとって復讐劇の幕開けにする雪之丞の計画が
子犬のようなぬくもりをもってひたむきな想いをぶつけてくる
浪路の前にやぶへびになったわけですが。

でも・・・うーん、うーん、女同士に見えちゃう~(^_^;)

一方、外ではそんな二人を屋根の上からデバガメってるお初さんたちと
同じくシルエットと明かりの一灯に気のもめる用心棒の個人的に見てて楽しい場面♪

お初さんに火に油をそそぐデタラメ(雪之丞は上方でも泣かしたお嬢は数知れず)
を吹き込まれた平馬が帰りがけの雪之丞を闇討ちしようとするのが
次の場面。
これを間一髪助けて、ここに初めて対面の闇太郎と雪之丞。

雪之丞を逃がし、平馬を追い払ったあとに せっかくの見ものを邪魔して!
と 怒って出てくるお初さんとムク。
あんまりかき回してくれるな とお初さんに言いおき、闇太郎は
またもやドロン と姿を消します。

市村座の楽屋。雪之丞が師匠の菊之丞に演技に雑念が入っていると
注意をうけています。
そういや、この楽屋においてある鏡台、菊之丞のはホンモノの
鏡っぽいんですが、雪之丞のは どうもダミー。(逆だったかも(^_^;))
なんでかな~?

このあと、恋を知ってしまった雪之丞の狼狽の独白が、
女形姿で男の声で語られていくわけですが、なんといいますか、
そのうーん、(^_^;)

さて、男がそんなふうにアレコレ悩んでいる間に、女は行動に出てました。
宿下がりをしていた浪路ですが、雪之丞と関係をもったことで、
「大奥へ帰るのがいやになった」(籠釣瓶調で) となったのか、
女中のお滝のそそのかしもあったのか、
大奥へ戻るはずが、フラフラと荒れ寺の離れに身を隠し、
それを知らせにお滝さんが雪之丞の元に駆けつけます。

この浪路の行動は、ご寵愛くださるお上への裏切り。
転じて、父親への裏切りにもなるわけです。
そんなキケンを犯してまでも、もう一度雪之丞に会いたいと思う浪路。
恋は盲目~♪

さて、自分の気持ちに悶々としている雪之丞も お滝さんの届けてくれた
浪路からの手紙で火がつき、荒れ寺へ駆けつけます。

一方、そんな二人の成り行きを外(=橋の上)で「しめしめ」と
見ているのが、長崎屋と広海屋、そして浪路付きの侍女:お滝。

お上の愛妾が宿下がりの折に他の男を囲ってた なーんてことが
公に知れたら、その父親である三斎失脚は必定。
その後はわしら二人で・・・と取らぬ狸の皮算用にほくそえむ二人と、
じつはそんな二人の片割れ:広海屋の愛人だった
とカミングアウトなお滝さん。

「お滝さん、あんたって!」 と思いましたよこの展開。
ちょっと意外でした。
でも、ここで見せるお滝さんのハラの底、笑三郎さん、さすが
上手くみせますね~♪

しかし、三斎の方が一枚上手。用心棒の平馬が手下をつれて現れ、
まず長崎やたち3人を捕縛。二人のいる離れを囲みます。

そとでそんなことが起きてるとはカケラも知らず、二人の世界を
つくってる浪路と雪之丞。
と、そこへ無粋は承知だが、と駆け込んでくるのが、闇太郎。

と、そこへなだれ込んできた三斎手下たちに引き離される
浪路と雪之丞。
平馬は「みすみす浪路サマをとられてなるものか」な執念の勝利か
雪之丞の正体(=三斎を仇と狙う人間であること)もつきとめ、
浪路の前でカミングアウト。

そんな中、ともかく雪之丞だけでも、と逃がそうとする闇太郎に、
雪之丞は「自分の望みは 浪路と逃げること。」といい、
それを聞いた闇太郎は必殺万能光線をビビビっとやって、浪路を奪回。
闇太郎と 雪之丞・浪路の二人づれは二手にわかれて
客席に遠征して逃げ回ります。

中央上手通路が浪路雪之丞ロード
下手通路がやみ太郎ロードです。
1階中央を真横に走る通路は立ち回りロード。
そしてど真ん中の通路は一番おいしい3人駆け抜け通路。
しかし、段治郎さん・笑也さんご贔屓には、上手通路が
たまらないおいしさかと。

しかし、所詮、お上に背いた浪路とその原因の雪之丞。
どこへ逃げようとも逃げ切れるとはいいがたい状況です。
そこで闇太郎の提案は「あっしの星へいきませんか?」

というわけで、おぼれるものはワラをもつかむ。
おぼれる駆け落ちものは宇宙人の手をもつかむ というわけで、
闇太郎・雪之丞・浪路の3人はいざ宇宙(船?)へと伸びる階段を
登っていくのでした。 
というところで一幕目はおしまい。

この最後の場面、闇太郎の合図で、舞台中央奥に向かって伸びる
遠近法を目いっぱい利用した白い階段がさーっと現れます
(布をとりはらうんですが)。
この階段、照明をたっぷり浴びて真っ白に光って 視覚的にきれいです。
でも、真実、階段なのは橋のところまでで、そこからさきは
ダミーみたいです。

◆二幕目へ
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/9f05964f06ecd562ff156fc01dca070f

◆役者さん・その他へ
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/b838f5a36f7234c8a8e57da1e1b9f07b

※コメントは親記事にお願いします。
◆親記事:2006年5月:中日劇場「雪之丞変化2006」
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/5e1a5c3473ce7481f7a469c138b47707
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2006年5月:中日劇場「雪之丞変化2006」二幕目

2006-05-28 17:53:12 | 書いたぞ: 感想書きました~
【二幕目】
はじまりはまた現代。オペ真っ最中
両袖のせりから上がってくるのは、下手は体育すわりで縮こまってるユキヒコ
上手が闇太郎。
観客の笑いをさそうのは
「ユキさん、ユキさん、起きてください、休憩時間はもうおわりですよ!」
との 闇太郎の第一声。

この場面では、あきらめモードのユキヒコの一方、
自殺サイトではブンタがユキヒコに呼びかけ続け、死をあおる連中と
必死にやりあっています。
それをおぎんバァがみつけ(手術の助手はいいのか、おぎんバァ(^_^;) 
タカミヤに知らせます。

それを聞いたタカミヤはおぎんバァに、サイトへ口述筆記ならぬ
口述書込みを頼みます。
どう見ても、おぎんバァの入力はタカミヤの話す速度に
合っていないんですが、そこは おぎんバァの年の功による
要約術が働いているのかと自分を説得(^_^;)

すると、どうしたことでしょう。この書き込みを受けて、
今まで沈黙してたらしいユキヒコガンバレ派による「電車男」再現
のような書き込みが続々とつづきます。

この状況にブンタ感動。
これを見て「君はひとりじゃない」 というタカミヤに多少、
態度を軟化させたのか、ユキヒコはここまで聞いたんだから
最後まで雪之丞の話を聞いてからでも死ぬのは遅くないだろう
と 闇太郎に話しの続きを促します。

というわけで、話は再び江戸に戻って、土部の屋敷。
いきなり拷問シーンです。拷問を受けてるのは長崎屋・広海屋・お滝さん。
浪路サマと雪之丞はどこへ行ったーっと責めをうけてるわけですが、
そんなことを知るはずもない三人には 答えようがありません。

で、話題の二人は、どうしているか。
場面は変わって、闇太郎さんいわく「あっしの星のあっしの家」。
ちなみに闇太郎さんちは白鳥座デネブのそばのサジタリウスという惑星。
地球の言葉でいうと緑の星だとか。

で、どんな場面になってるかといいますと、
橋のところに六角形をたてに長く伸ばしたような形で
細かい縦線がいっぱい入ってるアクリル板っぽいのが、
互い違いに横に並んでいます。
これに、青いライトが当たって なんとなく宇宙っぽい雰囲気を
かもし出しています。

盆にのってアクリル?板を組んでつくったようないすが2つでてきます。
これが照明を反射して 時折キラキラと光るんですが、この効果が
意外とSFな感じをかもし出しています。

あと、1階で見てたときはわからなかったんですが、2階からみると、
青い四角いスポットライトがランダムに、舞台をうろうろ
照らしています。これが時々、アクリルのいすに当たって、
舞台の上方に青い四角い光をうつしだしてりして、
これもなかなか、SFチック。

個人的には四角い形のスポットライトって、珍しいな
と思いました。(そうでもないのかな?)

で、そんな舞台で話をしているのは、雪之丞と闇太郎。
浪路はまだ目をさましていないとか。

闇太郎からこの星では1日が地球の1年にあたると聞いた雪之丞が
「舞台に穴をあけたっ!」と狼狽するあたり、役者ですねぇ。

しかし、上様にたてついた浪路とその主原因の雪之丞の二人が
このまま地球にいても安住はできまい と、闇太郎は 
「いっそこの星で暮らしませんか」 と提案する。
事実、全くそのとおりなんで、心揺れる雪之丞。

そんな雪之丞に 闇太郎は あそこに見える小さい星、
あれが 江戸であなたが見てるお天道さま。
と、宇宙の大きさ、地球の小ささ、そして、雪之丞がすんでる所、
あれもココと同じような星のひとつなんだ
という話をします。 この話に なんか目からウロコの雪之丞。

そうですよねぇ。江戸の頃の人が、自分が今立っているのが、
夜、空に見える星と同じような星のひとつだ。
なんて認識をもっては いないですよねぇ。
ちなみに、ここの闇太郎と雪之丞の語らいの場面は、
このお芝居の中でも特に私の好きな場面のひとつです。
そんな言い感じの場面です。

ところで、雪之丞さん、あなたいつ着替えたの??(^_^;)

と そこに闇太郎の奥さんが 浪路がいなくなったと駆け込んできます。
いや、日本語しゃべれませんよ。ピロポロピロ って、
あのスターウォーズのR2C2(でしたっけ?(^_^;) の 
しゃべる声みたいな音がするんです。
それを通訳by闇太郎でお届けしてくれるわけです。

女房のなりは闇太郎とつりあうかどうかは別にして どこぞのお内儀の態。
いや、サジタリウス星の宇宙人がみんな江戸っ子なんじゃなくて
ですね、雪之丞を驚かせようというホストの心意気なんですね。

この女房を演じるのは、2006年バージョンでは
自殺サイト群集の中で(多分)紅一点だった喜昇さん。
この女房も、ほんとに江戸の小粋な女房って感じで
実際にセリフはないんですが、なんかとっても好印象。

ちなみにこの女房の出てくるところでは、声の音のイメージ
そのままにカラフルなライトが舞台面を駆け巡ってます。
これも2階席で見て初めてわかりました。

で、浪路はどこに行ったか。
闇太郎さんちの近くをさまよってたんですね。
雪之丞が自分の父を仇として狙う男である ということと同じくらい
自分が雪之丞の仇の娘である ということにショックな浪路。

父親の罪を許してもらいたい。仇討ちをあきらめて父親の命を
助けてもらいたい。
という思いと 自分の身体を流れる仇の血を雪之丞には許して
もらえまい 
という思い込みの果ての結論は
「自分が死ぬことで 仇の血が流れる、それで父親は許してもらおう。」
というもの。

雪之丞が浪路を選んだことを知っている観客の
「いやー それはちがうでしょ」
というココロの声(そんなの出してるのは私だけ?(^_^;))は
当然、届かないし、宇宙のかなたのこの星では、通りすがりに
そんな浪路を影からこっそり見ていて止めに入ってくれる 
江戸っ子な心意気の人もいません。

折りよく周りの環境も 見たこともないような荒地。
おまけに空がないんです。空は宇宙。
江戸時代の人である浪路が ここは地獄か と思うのも無理ない
状況です。

おまけにねぇ、持ってたんですよ、懐剣を。
こういう危ないものは 宇宙船に乗るときに手荷物チェックで
はじかなきゃねぇ。

で、折りよくか悪しくか、そこに闇太郎と雪之丞が浪路を探して
やってくるんですが、見つけられるや否や、浪路は懐剣をグサっと
胸に一突き。

闇太郎が必殺の光線をあてて瀕死の浪路を救おうとしますが、
本人に助かる気がないと全く効き目がでてくれないこの必殺光線。
・・・あっ、必殺してどうする(ーー;)
万能光線です。万能光線。はい。

で、結局、既に死の決意を固めてる浪路は雪之丞に
「自分の死で父を許して。恨む気持ちには終止符を」
というようなことを遺言します。

浪路の子犬のようなぬくもりに魅かれておちた雪之丞、
だんだん冷たくなってくる浪路に取りすがって絶叫。
「私のぬくもりをすべてあげるから、どうかお願い、
冷たくならないで!!」
でも、それは無理。雪之丞は浪路を江戸に葬るため、
江戸に戻る決意をします。

このセリフ、後でも一度出てきます。要チェック。

場面は変わって江戸の三斎邸玄関。
いつの間にかおかれていたつづらの横っ面から飛び出してきたのは
闇太郎。
三斎本人の前で全開したつづらの中身は浪路の亡骸。
そこに上手に突如姿を現した(回転壁から出てきた)のは
着流し姿(=男姿)の雪之丞。

やっぱり、男の格好の方がいいですよ、段治郎さん。
ちなみに、ここの闇太郎が出てくる場面、昼の部では闇太郎が
飛び出した後、中から手が出てきて扉を閉めてましたが、
夜の部では、勝手に閉じてました。
昼はアクシデントだったみたいです。(^_^;)

雪之丞は三斎に浪路の遺言と、
それに従って自分はもう仇討ちをしない旨を告げますが、
将軍の愛妾という大事な出世の手づるを失った という思いが
圧倒的に強い三斎がそんな言葉に納得できるはずもなし。

言うだけ言って用件を果たしてドロンと消えた闇太郎と雪之丞を
用心棒たちが追いかけます。

さて、ドロンと消えた闇太郎と雪之丞。ひそかに市村座の近くまで
やってきてました。
雪之丞失踪後、一座の興行が一時は危なかったけど、
仲間のがんばりで盛り返したと聞きほっとする雪之丞。

ここでドコカデミタ(^_^;)大きな月をバックに、
雪之丞と闇太郎は語り合い、これからは自分のために自分の力で
生きていくという雪之丞は、恩返しは来世に、と闇太郎に頼みます。

そして今度生まれ変わるころには、地球人がサジタリウス星まで
いけるようになってるかもしれない と聞いて、じゃぁ今度は自分が
闇太郎に会いに行く と約束します。

つまり、2006年のユキヒコが宇宙飛行士を目指してたのは、
これが根っこにあるようなんですね。なるほどね~。

でも、この場面の中で雪之丞は、闇太郎に
「来世でもあっしのことを忘れないでくださいよ」
と、念を押されて、忘れるもんかと自信たっぷりなんですが、
きれーさっぱり、忘れてましたねぇ(^_^;)

ちなみに、この2人の来世での再会を約束するくだり、
私がこのお芝居の中で一番、好きな場面です♪
東京でこのお芝居やってたら、この場面を見るために
チケット買い増しに走るかもしれません(^_^;)
そのくらい、個人的には好きです。

それから、地球人よりもはるかに長い年月を生き、
悩みや苦しみを超越した種族である闇太郎にとって、
地球人は恐ろしく短い 取るに足らないような一生なのに、
それを物語で彩って豊かに生きてるというふうに見えるそうです。

その物語ってのは 自分たちから見れば幼稚なものだし、
物語をよくすることに夢中になって、本当の人生を豊かにする
ことに気が付かないのはとてもばかげて見えるけど、でも、
もう物語を必要としなくなった自分たちからみると
妙に懐かしくて いとしく思えるとか。

あぁ、私、闇太郎の一族にスカウトに来て欲しいかも(^_^;)
悩みも苦しみも超越したいです~
あ、でもそうすると、歌舞伎も楽しめなくなっちゃう。
それはマズイか。<(ーー;)

で、闇太郎退場。 橋の上からスポーンと穴に落ちて
一瞬で消えた態になります。

ところがこの直後に雪之丞に追いついたのが、平馬を筆頭とする
三斎の家臣。
追いつかれた雪之丞は、自分はもう仇討ちをするつもりはない。
無益な争いはやめよう とかなんとかいうわけですが、
そりゃー憧れの君の浪路さんを奪われた上に自害した亡骸にして
返されたわけですから、平馬の怒りの矛先は雪之丞にしか
向けようがありません。
なんで、そんなこと言われて、「はいそうですね」
と引き下がるわけにも行きません。

で、尋常に勝負しろとなりますが、浪路に誓ったから
二度と刀は持たない と、これまた平馬の神経を逆なでするような
発言をして「斬るなら斬れ」と いう態度にでます。

しかし、そこは平馬も一応、武士の端くれ。
丸腰のヤツを斬れるか!と縄を打って三斎邸に連れ帰ることにします。

その雪之丞がつっこまれたのは三斎邸の蔵の中。
先客は拷問でボロボロの広海屋、長崎屋、お滝さん。

ここの場面の冒頭 雪之丞が入ってくるまでの3人の会話は、
個人的にはちょっと怖くてパス。(T_T)
ところで、雪之丞さん、あなた、いつ草履脱いだの??

で、新入り雪之丞は三人に 「安心しろ、自分はもう仇討ちはやめた」
と、これまたゴーイングマイウェイな発言をしますが、
こいつのためにここまでボロボロにされた3人にとっては
「ふざけるな」もいいところ。

3人がかりで雪之丞を責め殺そうとしますが、
そこにタイミングよく下手の抜け穴から侵入してきたのが
毎度 かき混ぜコンビのお初姐さんとムク。

雪之丞 危機一髪を助けた二人は、とにかく、ココを逃げましょう
と雪之丞に持ちかけますが土蔵の扉の外には三斎が。
それを知った雪之丞は 三斎に命をかけて話すことがある
と、逃げようとしません。
そこに雪之丞の決意を知ったお初さんは何も言わずにムクを連れて退場。

なんかお初さんがいじましくってかわいそうですが、
さすが姐御 な場面でもあります。
しかし、いつからお初さん、雪之丞好きになったのかなぁ。
最初の方は、あんまり雪之丞にほれてるようには感じなかったんですが、
後半になると「ベタボレだった」って感じの展開をしているんですよね。

さて、蔵に入ってきた三斎は、浪路を失った悲しみよりは、
出世の道が閉ざされた失ったショックから、既に正気では無さげな状態。
雪之丞としては、浪路の遺言の意味をもっと考えてと、
まっとうに説得するつもりでいたんでしょうが、
「雪之丞を斬らねばおさまらぬ」オーラを漲らせている三斎には
焼け石に水。

そんな状況が読めず、「お慈悲を~」と取りすがるお滝さんや
広海屋を「元はといえば」と一刀両断した三斎は、残る長崎屋に
「命を助けて欲しくば雪之丞を抑えておけ」と命じますが、
結局体力の差で斬られる直前に羽交い絞めを振り切った雪之丞の
代わりに斬られちゃう長崎屋。(ーー;)

この3人の惨殺シーンは、壁や床の隠し布を倒れこむ時に
上手く取り払うことで、その下に書かれていた血糊を表に出し、
さらに赤いライトをべったり当てて血まみれ状態を演出。
怖がりの私には リアルな血より いいかも。(^_^;)

で、この後は 三斎VS雪之丞 
よけて、逃げて、白ハタ見せて♪ 足見せて♪♪ な立ち回り
逃げ回る雪之丞、追いかける三斎、果てはいつの間にかできてた
2階(=橋の上)への階段を駆け上り橋の上での最終対決。

いやー やっぱり猿弥さんと段治郎さんのたちまわりって
スピード感溢れてるな~
このテンポでの立ち回りは さすが澤瀉屋!

ここで刀をおしかえす弾みに 三斎を切り付けちゃった雪之丞。
直後は自分のしたことに気が付かなかった雪之丞、ハッと気がつき、
その意味するところが浪路の遺言を破ることと知り、
どうやっても自分は仇討ちの宿命から逃れられないのか~ 
とあきらめの境地が一気に押し寄せられ
浪路の遺言にさえぎられてた 「殺らなければ、殺られる」
という危険信号も本能的に届き、
「ウワーッ」となってぷっつりとキレる雪之丞。

タケルの時もそうでしたが、段治郎さん、こういう「うわーっ」
という動揺振りが真に迫っております。
来月の「油地獄」、獅童さんとダブルキャストでやってくれると
面白いかな♪ なんて、こともふとアタマをよぎります。

で、ここからは攻守逆転で展開していき、最後はもちろん、若さの勝利。
三斎は2階から1階にかかる階段に血をしたたらせ、
頭から仰向けに、階段の上がり口のところで絶命。

ここも階段の布がパっと取り払われ 血糊がベターっとなるわけですが
この布を敷いた階段を、段治郎さんと猿弥さんはあのスピードで
たちまわりしながら登っていったわけですよね。
よく、すべらなかったもんだ。(^_^;)

さて場面は変わって蔵の外。
こちらでは 短筒片手にお初姐さんが 平馬を筆頭とした土部家家臣
を相手に奮闘中。
雪之丞が三斎と命をかけた大事な話し合いをしてるんだ、
終わるまでは誰もいれないよ というお初姐さんのかっこいいこと!

子分のムクが雪之丞の師匠の菊之丞を連れてきたところに
一応、乱れた衣服も改めて、でも、ものすごい憔悴の態で
蔵を出てきた雪之丞は、お初さんの短筒で負傷している平馬に
風呂敷包みを投げつけます。
厭な予感で中身を改めた平馬は 主人を慕って首を持って退場。
・・・瀧之さんってば、首片付け要員なのか~っ

で、復讐は果たしたけど、お江戸のお披露目興行に穴を開けたことが
心残りな雪之丞。
しかし正式な仇討ちでもなく三斎を討ち果たしたわけだから、
どうでも死罪は免れない身の上。
役者雪之丞、一世一代の舞い納め、と選んだ演目は「鷺娘」。

う~ん・・・どうにもこの演目の選定に 玉三郎さんが見え隠れ
しちゃうのは 偶然なのかなぁ<(ーー;)
しかし、それはいいとして、段治郎さん、やはりちょっと苦戦です、鷺娘。
足さばきかなぁ。うーん。<(ーー;)
あと、手にしてたはススキみたいな棒状のやつなんですが、
なんか付いてるものが振り回すたびに取れていきます。
これもアクシデントか?と思いましたが、夜の部で見たときも
取れまくりだったんで、元々こういうものらしいです。(^_^;)

で、とにかく「鷺娘」を踊り終えた雪之丞は
「人がこの世で遣り残したことはあまりに多い。
それを果たすために人は何度も生まれ変わる。
でも、今の世の自分にできることはしつくしたから、未練は無い」と
その場で自害。

生き延びりゃぁいいのになぁ・・・・
あと、ココの場面で、血の演出なんでしょうが、自害直後に
真っ赤な炎幕が降りてきてムラムラと。

でも、ここ、火事じゃないんだから、ムラムラさせないで、
一瞬、広げて、すぐ振り落として、雪之丞に廻りを取り囲むように
したほうが、なーんとなくきれいかも~ 
なんてこと考えてみたりして。
でも、きっとこの布、次に登場の笑也さん&階段隠しの効果も
あるんだろうからな~

で、舞台中央手前で倒れふす雪之丞。
炎幕がなくなると舞台の中央、橋から雪之丞に向かって伸びる
階段が浮かび上がり、橋から降りてくるのは白い着物の浪路。
 浪路は(多分)鷺になり、パタパタと雪之丞の廻りを飛び回り、
最後は雪之丞にかぶさるように舞い降ります。

うーん、パタパタやるんだったら、振袖の方が良かったんじゃ
ないかな~(^_^;)

と、ここでなんとなく暗黒調の音楽が流れて、
黒子さんがわさわさと出てくるわけです。
で、機械的な動きで2人を引き離して立たせると、
鬘をとるわ 衣装ベリベリひっぱがすわで、アレヨアレヨという間に 
浪路はDr.タカミヤに、雪之丞はユキヒコにと
作りかえられていきます。

これがあるから、2006年のお二人は白塗りだったんですね~。
なるほど、なるほど。
あと、ここで、最後の仕上げに黒子さんが4人がかりで
ユキヒコを横にしてベッドの上に横たわらせるんですが、
なんかあの身長の男の人をあんなふうに持ち上げて運ぶのって
見てる分にはダイナミックな感じなんですが、運ぶ人は
かなり、重いんじゃないかな(^_^;)と。

で、時計は2006年に。
手術を終えたDr.タカミヤは 意識の戻らないユキヒコを抱え起こして、
「私のぬくもりをすべてあげるから、どうかお願い、冷たくならないで!!」
かつて雪之丞が浪路に絶叫したセリフを、ユキヒコに向かって絶叫。

緊急手術を終えた患者をそんな風に抱き起こしていいのか~っ
それから、個人的にはあのセリフ、あの力と熱のいれかげんまで
雪之丞そっくりにしなくても、ユキヒコの手でも握って
タカミヤモードの口調で淡々と語ってもらった方が、
対照的で面白かったかな~ なんて思ったりしました。

なんとなく個人的に笑也さんの絶叫モードは 違和感があるんですよ(^_^;)
うーん、でも、これって女形な笑也さんの先入観なのかな~<(ーー;)

で、覚醒するユキヒコ。少し離れたところに立ってる闇太郎。
ココから先は二人の世界になります。
闇太郎は 何があなたたちにとって恩返しになるのか、
わからなくなってきた。どうすれば恩返しになるのか、悪いが、
暫くこの悩みを楽しませてもらいますよ 
と ユキヒコと次の再会を誓い、まってましたの宙乗りで
宇宙に飛び去っていくのでした。

宙乗りは上手から下手へのすじかい宙乗り。
国立より長い長い。やっぱりこっちが先ですよね、すじかい宙乗りは。

しかし、私はこんなシンプルな衣装での宙乗りは、はじめて見ました。(^_^;)
右近さんは 白衣のような白い衣装でほぼ直立姿勢のまま
腕を組んでとんでいきます。
むしろゴテゴテ飾りがついていたり動きがある方が、隠れる部分が多いし
バランスとったりとラクかもしれません。

途中で180度回転したりしてます。
で、1階で見てたときはわりとスーッと動いていったように
見えたんですが、2階でみたら、結構、ゆれてます(ーー;)。
スーッ、スーッと区切れながら動いているようですが
その区切れにガクンと大きく揺れてます。
うーん、結構、怖いかも~。
ちなみにこの場面、本舞台は途中で幕が下りてしまいますので、
後半は右近さん独壇場。

さぁ、最後は楽しい 恒例のカーテンコール。
これが好きなんですよね~私♪

何がうれしいって、今回は瀧之さんが1人で登場!!
ワーイ♪
皆さん、衣装はお江戸バージョン。
段治郎さんは ポスターにもなってるあの黒地に笹と雪の衣装。
笑也さんもちゃんと浪路になってます。
最後は右近さん。
こちらも宙乗りの時の白い衣装ではなく、ネズミ小僧スタイルの
立ち姿がかっこよく見える衣装です。

そして、緞帳が下りるとき、瀧之さ~ん、遊んでますね~(^_^;)
昼は緞帳と一緒にひざ折って最後まで粘ってたし、
夜はピースをしてました。
門之助さんに怒られてないといいなぁ(^_^;)

◆役者さん・その他へ
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/b838f5a36f7234c8a8e57da1e1b9f07b

■一幕目に戻る
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/48a88e00cb73f67c51f801309cd1f385

※コメントは親記事にお願いします。
◆親記事:2006年5月:中日劇場「雪之丞変化2006」
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/5e1a5c3473ce7481f7a469c138b47707

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2006年5月:中日劇場「雪之丞変化2006」役者さんその他

2006-05-28 17:43:51 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆役者さん
大体、「あらすじもどき」の中に書いちゃったんですけど、
(ここだけ読んで終わらせようと思った方、すみませんm(__)m)
書き漏れてるものをアレコレ。

ダブってるところもあるかもしれませんがご勘弁を

・段治郎さん
女形の段治郎さん。うーん、私はこれはこれで味のある女形で
いけそうな気もするんですが、やはりちょーっとでっかいのと
足さばきがやっぱりちょっと・・・。

滝夜叉姫の奴相手の立ち回りなんてのは、かっこよくて素敵でしたが、
このあと 招きを受けた三斎のうちでおどる「道成寺」は
足が見える足が見える とちょっと気になりました(^_^;)

それから、歌舞伎座の海老蔵さん見たあとだと、段治郎さん、
も少し背丈を小さく見せる努力も必要かも  と思ったりもします。

しかし、劇中劇として演じるのが、滝夜叉姫に 道成寺の花子に
最後は鷺娘。
2月には道成寺をついこの間シネマ歌舞伎で鷺娘を
玉さんで見た身としては、段治郎さん、玉三郎さんに挑戦状?
と思ったりもしなくもないですが・・・(^_^;)

それからもひとつ気になったのは、素の時はタケルを彷彿とさせる
口調なこと。
うーん、セリフはかっこいいのに、女形姿だとなんか迫力が・・・(^_^;)
このギャップは随所で感じました。うーん、美人は美人なんだけどなぁ。

ついでに言うと この女形姿のためにもうひとつ困ったのが、
浪路とのからみのシーン。
通常なら美男美女になるからみが美女美女のからみに
見えてしまうわけです。
なんとなく危ない方向に行きそうに見えて困りました(^_^;)

やはり安心できたのは立ち役姿に戻ってから。
終盤の三斎の猿弥さんとの息のあったスピーディな立ち回りは
見ててこれぞ本領発揮!という感じ。
特に圧倒されるのは、浪路との約束破って三斎を斬ってしまい
キレルところです。

3月の浪七もそうですが、このテンションで1ヶ月やると
段治郎さん、血管切れないか なんか心配になってきますが。

それとここのたちまわりは形のよい足もばっちり♪
白ハタもばっちり♪

段治郎さんで一番いいなぁと感じたのは、この立ち回りと、
あとは右近さんの闇太郎との別れの場面でした。
笑也さんとの色恋のシーンも見せ場とは思いますが、
どうにも女と女に見えちゃうんです~(^_^;)

・右近さん
いや~楽しそうですね~右近さん♪見ているこちらも楽しくなります♪
今回のお芝居でアタリクジ引いたお一人です。
ポイントとしては、ねずみ小僧のような なんとなくすっきり
として見える立ち姿が素敵です。

あと、地球人ユキさんとの間に微妙に見え隠れする意識のズレ
のようなところが感じられるのが、また、上手い。

これは個人的希望ですが、なんか右近さんの闇太郎さんを見ていると、
雪之丞の前世の漁師とすごした時期がどんなんだったか、
見てみたくなります。
きっとお芝居にすると、とても見ていて気持ちの舞台になるんじゃ
ないでしょうか。
いや、漁師姿の段治郎さんが見てみたいという想いもちょっとは
ありますが、そりゃ。

闇太郎さんはもっぱら必殺万能光線を駆使するため、今回の右近さんは
あまり立ち回りがありません。
でも その分飛び込んだり、落っこちたり、吊られたり(これは
いつもか(^_^;)と、やはりハードな一面が。
個人的には トォッという感じで壁に向かって飛び込んで消える所が
好きです♪

・春猿さん
右近さんと並んで、見てて楽しい♪やるほうも楽しんでる?
というお役です。

右近さんと違ってお江戸では元軽業師で短筒を操る女スリ。
2006年ではババ様看護師のお一人 と違う役をこなされています。
が、どっちも なんか楽しんでそう(^_^;)

お初さんは、弘太郎さんのムク犬の吉を従えて、暗くなりがちな展開に
一石を投じてくれます。
(引っ掻き回してる という意見(by闇太郎さん)もありますが(^_^;)

あと、これが実はユキさんの生き別れたお姉さんで、
こちらはもう復讐なんてもんは超越してサバサバしてたりすると
また違った面白さもあったかも なーんて考えたりして。
我ながらムチャクチャな発想だとも思いますが(^_^;)

・瀧之さん!!
浪路に ひそか?にホの字ながら、一分の報われるスキもない
お役ですが出番がいっぱい!セリフもいっぱい!
カーテンコールも一人で登場っ!!
うれしいなぁ♪♪ 
長髪オールバックな髪型の何気に私のツボをついています♪

当初、このお役、最初は猿四郎さんと聞いていました。
うーん、いつか猿四郎さんでも見てみたいな~
そのとき、瀧之さんとダブルキャストとかにしてくれたら、
各2回づつは絶対見に行っちゃいますよ、私♪

・笑三郎さん
2006年ではハイテクババ様としてご活躍♪
一方、お江戸では、喰えないオバちゃんといいましょうか、
ひとくせあるお女中さんでして、これがまた(^_^;)
で、主の浪路をあっさり裏切って ってとこまではよかったんですが
手に入れかけた「女のシアワセってやつ」がスルリと逃げて
拷問の果てに哀れな末路をたどる 
と 後半はなんとも重苦しい役どころです。(^_^;)

・猿弥さん
笑三郎さんに輪をかけシリアスです。
現代のブンタは自分の運転するトラックに飛び込まれるし、
お江戸の三斎は頼みの娘の綱がキレ、最後は半狂乱。
ちっとも遊びどころがない猿弥さん、今月ストレスたまってないと
いいんだけど(^_^;)

お江戸の三斎は 老け役 といえるんでしょうか?
病み老けた感じのおじさんです。
今月はお声が気にならなかったので、調子いいのかも。
あんまり絶叫するところもないからかな?

そういえば、どちらのお役も見事なツルッパゲなのには、
なにか意味があったんだろうか・・・(^_^;)

・門之助さん
お江戸では最初と最後を占めておいしい師匠。
2006年では診療所のジジババ看護士のひとりです。
最初はわかったんですが、あとは あんまり出てなかったかな?
普段のスーパー歌舞伎や狸御殿でのインパクトを考えると
一寸物足りない気も・・なんて言ったら怒られるかな~(^_^;)

・笑也さん
浪路は個人的にはポニーテールな髪型の方が好みでした。
最後、雪之丞自害のあとに鷺?になって出てくるとき、
髷に結っているのは、ちょっと。

Dr.タカミヤも、まっとうに聞いてると、なんだかちょっと
恥ずかしいといいますか、なんとも直球ストレートで
こういうセリフへの直面経験が少ない私はちょっと 足元が
ヨロヨロと。(^_^;)

でも、珍しい笑也さんの男装(違う(^_^;)、
男役も 十分いけますよね、笑也さんって。

・延夫さん 欣弥さん
いやーやっぱりいい声です、お二人とも。
悪役は特に♪
でも、笑三郎さんと欣弥さんのカップルっていうのは、
ちょっとめずらしい取り合わせ。なんかお似合でしたが。

ただ こちらのお二人も笑三郎さんと同じで、
お江戸では悲しい末路なのがなんとも・・・(T_T)

ちなみに現代版では 診療所のジジババ看護士。
最初はわかったんですが、あとの場面は、いまいち判別付かず。

・弘太郎君
うーん、あのテンションでひと月持つのが若さですね。
でも、ちょっと声が危なくなってきてたかな?
実は、2006年では、ジジババ看護士のうち、どれが弘太郎君だか、
わかりませんでした。
お江戸版では、最初の闇太郎との財布の掛け合いが 
なんともよかったです♪

◆その他
・掛け声はホンモノが昼の部で客席から飛びました。
が、夜の部はなし。

・橋と盆を上手く使って場面転換がされますが、橋の下の暗幕が
なんか短めだったのか、1階席で見てたときは、下からよく光が漏れてました。
でも、2階から観たときはそんなに気にならなかったんで、
見る位置の問題かもしれません。

・音楽もなんかどこかで聴いた音楽(^_^;)
がんばってアレンジはしてあると思うのですが、やっぱりなんか無理が
ある気も(^_^;)
新しく作るには 財政面が厳しかったのかな~。

挿入歌があるとは知らなかったのでびっくりでしたが
これも加藤さんがらみの曲だったんですね~
(ザ・フォーク・クルセダーズ「戦争と平和」)

それから、ツケはナマですが、下座は録音。ちょっと惜しい。

・正直、2006年は言葉がちょっとストレートすぎて見ているのが
ツライところも。(^_^;)
演出は面白いとおもうんですけどね。
お江戸の方も、まぁ無理がなきにしもあらず ですが、
やっぱり見てて楽しいのはこちらかな。

・筋書きの表紙にある「開場40周年」の文字。
どっかも40周年だったな~と思ったら、そうだ、国立が40周年じゃないですか。
中日劇場と国立劇場、同い年だったんですね♪

■一幕目に戻る
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/48a88e00cb73f67c51f801309cd1f385

■二幕目に戻る
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/9f05964f06ecd562ff156fc01dca070f

※コメントは親記事にお願いします。
◆親記事:2006年5月:中日劇場「雪之丞変化2006」
http://blog.goo.ne.jp/hm_notari/e/5e1a5c3473ce7481f7a469c138b47707


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中日劇場ってこんなとこ。

2006-05-28 17:40:38 | その他
この記事だけでも、公演中にあげときゃよかったなぁ・・・<(ーー;)
まぁ、とりあえず、次回中日劇場公演があったりしたら、
その時に参考になれば幸いです。

・劇場にいくまで
最寄は地下鉄 栄駅。
名古屋から進行方向よりの改札を出ると、中日劇場の地下に直結する
地下街がすぐです。

地下街は中日劇場の地下2階と直結。
ひとつ上がった地下1階にカフェ・ド・クリエと
おいしいあんぱん屋さんがあります。
劇場に行くには1階から。

劇場は9階。直通エレベーターが1基しかありませんが、
直通だけあって回転はかなりはやいです。
エレベーターガールのお姉さんが名古屋嬢ってこういうお姉さんを
いうんだろうか という感じのお姉さんでした。(^_^;)

人員整理の警備員さんや、エレガのお姉さんなど人手は豊富で、
手馴れている感じです。

・トイレ
劇場内のトイレは女性用が1・2階。男性用は2階のみ。
このトイレが工夫があってよかったです。
なにかというと、扉があいていると「空き」、しまっていると
「使用中」の札が、学校の教室案内の札みたいに、扉に対して
直角に飛び出すようになっているので、待っている人は
一目で空いてる個室がわかるわけです。

ただ、和・洋の比率が2:1なのは 洋の方がいい身としては
ちょっと残念。

・ゴミ
徹底分別です。5つくらいかな。お弁当などの持込はOKですが、
リサイクルできない素材はダメなようです。
なお、HPでは、出来るだけ場内販売のものか 劇場向かいの食堂の
利用を呼びかけています。
でも、三越とかが近いせいか、お弁当を近くのデパ地下で
買ってきている人が結構いたように見受けられました。

・場内
完璧階段状。1列ごとに段がついているので、前の人を気にせず
観劇できます。ありがたい♪
花道はありませんでした。
場内の壁は廃木材の寄せ集めのような感じで、
夜の部で2階席になったときに触ってみたらホンモノの材木でした。
かなり太いものもあり。スゴイかもしれません。

2階は前方は1等席、後方4列くらいが2等席。
2等の最前列でしたが、花道代わりの両袖は十分見えます。
2階席は3階からも入れるようになっているみたいですが、
今回は宙乗りがある都合上でしょうか?締め切りになっていました。


・緞帳
お~ 提供はトヨタ自動車だ~(^_^;)

・帰り
やっぱりエレベーターが一基だけなので大混雑。
が、劇場上手側奥の扉からでると別のエレベーターがあり、
こちらは3・4基利用してます。
こちらのエレベーターに乗っても、地下鉄に直結できる階には行けるので、
こちらのエレベーターで降りた方が効率はいいかも。
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