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親近性効果(recency effect>学生が解説すると

2019-09-28 | 心理学辞典

親近性効果(recency effect>
私たちは、日々身の回りで起こることを記憶というシステムによって頭の中に保存しています。そして、「思い出す」という形で、必要に応じてその記憶を呼び起こしながら、考えたり行動したりしていますね。この「思い出す」という働きについて考えてみます。
今、あなたが明日のテストのために30個の英単語を覚え、それを覚えているか確認するために思い出そうとしているとします。このときに、最後の方の29個目や30個目に覚えた英単語が、他の英単語より思い出しやすい、という経験をしたことはありませんか?これを親近性効果といいます。最後の方に覚えた英単語は、覚えてから思い出すまでにあまり時間がたっていないため、すぐに思い出すことができるのです。これは、人間の記憶のシステムのうち、短期記憶という仕組みに関係しています。短期記憶は、短い時間しか覚えていられず、時間がたつと思い出せなくなってしまうのが特徴です。そのため、もしあなたが英単語を暗記してからすぐに思い出そうとせず、数学の宿題をやってから思い出そうとしたとすると、親近性効果は消失してしまいます。
覚えてから思い出すまでの時間が短いのが短期記憶ですから、短期記憶で覚えていることのできる量に限度があることはわかりますね。ですからテストの時には、親近性効果に頼って直前にすべて覚えようとしても無理です。前々からこつこつ勉強して、長い間覚えていられていつでも思い出せるようにしておかなければなりません。こうした記憶のことを、短期記憶に対して長期記憶といいます。短期記憶は、何度も繰り返し覚えようとすることによって、長期記憶に変化させることができますよ。(NC)

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私たちは、一度にたくさんのことを見たり聞いたりしたとき、そのことを全て同じように覚えていられるわけではありません。
例えば、「時計、鏡、冷蔵庫、歯ブラシ、にんじん…」というように、10~15個くらいの単語がひとつずつ書かれたカードを、一定の速さで順番に見せます。その後で、カードに書かれていた単語を、思い出した順に紙に書いてもらいます。このような実験を行うと、その単語を書いたカードが何番目に見せられたかによって、思い出しやすさに差が出てきます。このことを、系列位置効果といいます。普通、初めのほうに見せられた単語と、終わりのほうに見せられた単語が思い出しやすくなります。このように、初めのほうに見せられた単語が思い出しやすいことを初頭性効果と呼び、終わりのほうに見せられた単語が思い出しやすいことを親近性効果と呼びます。
系列位置効果は、折れ線グラフで表されることがよくあります。横軸を系列位置(上の例の場合なら、見せられた単語の順番)、縦軸を再生率(どのくらい思い出しやすかったか)とします。すると、初めのほうに見せられた単語は思い出しやすいので再生率は高くなり(初頭性効果)、中頃で見せられた単語になるにつれだんだん再生率が低くなっていって、また終わりのほうの単語になると再生率が高くなる(親近性効果)という、ちょうど真ん中がくぼんだグラフを描くことができます。(SM)

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