ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

地方自治体議員フォーラム その1

2012-05-27 21:27:09 | 日記
5月8日~9日に、東京で民主党の地方自治体議員フォーラムがあり、参加してきました。

まず、輿石東幹事長・参議院議員会長が挨拶され、党を一致結束させて政治を安定化させ、国民生活を第一に、逃げずにぶれずに取り組んでいきたいとの話がありました。

つづいて、三菱総合研究所理事長で東京大学前総長の小宮山宏氏より「日本再創造~プラチナ社会の実現を目指して」というテーマでお話がありました。

まず、基本的な考え方として、この21世紀は20世紀と比べパラダイムシフトがおこっている。
つまり、①人間の知識が爆発的に増え、②地球は無限から有限になり(資源・食糧・水など)、③高齢化する社会になっている。

そのような21世紀において持つべき視点は、まず「人工物は飽和する」ということだ。
それにより、内需が不足し、アメリカやヨーロッパ・日本が悩んでいる。
例えば、自動車の人口当たりの保有台数は、アメリカやヨーロッパ・日本では0.5台、つまり2人に1人が持っている状態で飽和状態となっていて、廃車になる分しか売れなくなっている。
中国の飽和も早いと思われる。
例えば、セメント生産量はアメリカで人口一人あたりの投入量が約16トンになっているが、中国ではもう人口一人あたりの投入量が約16トンになっている。

次に、「化石資源から省エネ・新エネの時代へ」なってきているということだ。
石油・石炭・天然ガスを大量に消費する時代から、エネルギー効率を向上させる省エネやスマートグリッド、太陽光などの新エネルギーの時代に。
特に、省エネに最大のポテンシャルがある。
例えば、日本の自動車の燃費の技術をハイブリッドや燃料電池車・電気自動車に生かし世界を引っぱっていくべき。
また、100万kwの火力発電所を作りより、1kwの燃料電池を100万軒に導入すべき。
エネファームを利用することで、100万軒の給湯エネルギーがゼロになる。
そういったことで、日本発の巨大な省エネ市場を創出することができる。

さらには、「人類は長寿化している」ということだ。
2011年の70歳は1991年の59歳と肉体年齢が同じで健康な人口の割合が増えてきている。
80歳代で長期入院・介護が必要なのは2割であり、高齢者は体力は落ちるが知力は亡くなる2~3年前まで増していく。
徳島県上勝町の葉っぱビジネスのように、いかに社会参加してもらうか。
年金や介護をゼロサムの議論をしても仕方がない。
また、IT技術を活用して、健康診断・レセプト・介護などの情報を共有化し個別化予防と個別化医療を進めていくべき。

そういった21世紀における日本の戦略を考えると、今は「課題先進国」だが「課題解決先進国」を目指すべきではないか。
それを具体化するビジョンが「プラチナ社会」である。
21世紀前半に世界にモノや情報が行き渡ったときに私たちは何を欲するか、それを実現する社会が「プラチナ社会」。
プラチナ社会の必要条件は、エコロジカルで、資源の心配がなく、老若男女が参加し、人が心豊かに成長し続け、雇用がある社会。
規格化された社会から地域毎の多様化された社会が21世紀の社会モデルだ。

といったお話でした。

省エネ技術をどう生かし伸ばしていくか、高齢者をいかに元気で社会参加してもらうかは、エネルギーや少子高齢化などの問題解決の方向性の1つといえると思います。
また、将来の先行きの見えない今、小宮山さんの言われる「プラチナ社会」がいいかどうかは別にして、「課題解決先進国」を目指すというのはビジョンになりうるのではないでしょうか。


輿石東幹事長・参議院議員会長


小宮山宏三菱総合研究所理事長・東京大学前総長

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