ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

バイオマスタウン真庭

2015-08-09 22:44:38 | 日記
岡山県真庭市に移動し、8月6日は真庭市のバイオマス事業についてお話をお伺いしました。

真庭市はもともと林業が盛んで、人工林が多く、ヒノキ(美作桧)の生産が盛んなところ。

昭和40年代ころまでは木材も高く売れたが、その後低迷し、放置された未利用木材をバイオマス資源として活用していこうという取り組みが行われてきた。

そのベースには、2004年の台風による風倒木被害でプロセッサなどの高性能機械の導入で効率化ができ若手の林業者の育成ができたことと、真庭地域に原木市場・製材所・製品市場の全てが揃っていたことがある。

高速道路の建設による産業の衰退化の危惧から、1993年に若手経営者らによる「21世紀の真庭塾」が立ち上がり、年間約7万8千トン発生している木質副産物の再資源化などの取り組みが始まった。

その後、2006年には木質副産物だけでなく、家畜排泄物や食品廃棄物などもバイオマスとして活用する取り組みを行い、国から「バイオマスタウン」の認定を受けている。

これらの取組みにより、エネルギーの地域内生産消費が拡大したり、林業の活性化や森林の再生につながってきている。

木質バイオマスの燃料活用に向けて課題になるのは、コストと手段、技術で、安定供給体制の構築を目指し「真庭バイオマス集積基地」を建設し、買い取り制度もできて、効率よく収集が行われるようになった。

さらに、一定の基盤が整備されたことから、発電事業などに取り組み、2015年4月にバイオマス発電所の稼働を開始している。

これらの取組みによる雇用効果は、企業や工場の誘致ではなく、既存の林業関連企業の仕事が増えることで雇用が増えることを狙っている。

また、林業ではCLTの技術研究が行われており、導入促進に向けた取り組みが行われている。

*CLT:クロス(交差)・ラミネイティド(張り合わせる)・ティンバー(木材)の略。板や角材を縦に並べたものと、横に並べたものを交互に張り合わせた面材。変形しにくく、断熱性も優れるとされる。

真庭市役所も木質バイオマスエネルギーの活用として、バイオマスボイラーを使って空調を行っている、

といったお話でした。

ここまでバイオマスの活用ができているのは、真庭市に林業という主産業があったからだと思います。

神戸市においても、六甲山などの整備にあたり、間伐材をどう活用するかが議論になることもありますが、間伐材をすべてバイオマスに回すのではコストがかかることから、例えばCLTにするなど木材の多くの部分は価値を高めて売却し、残りをバイオマスに回す必要があると思われ、課題は多いように思います。

もっとも、林業という主産業があったからというだけでなく、地域資源の活用やコスト削減など地域の皆さんを含めた協力と努力があってここまでできたのだと思います。

神戸市においても、民間や地域の皆さんの協力を得ながら、地域にあるものをもっと活用して再資源化していく取り組みを進めていくべきではないでしょうか。

例えば東灘処理場で食品残渣などを利用してガスを発生させる「こうべバイオガス」の取組みを行っていますが、そのような食品残渣を再資源化する取り組みを広げていくといったことが考えられるのではないでしょうか。

*参考:バイオマスタウン真庭 ホームページ http://www.city.maniwa.lg.jp/html/biomass/





バイオマスボイラー



最新の画像もっと見る