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日本はどこへ行く 小泉外交

2005年12月29日 09時06分18秒 | 教育 
いったい日本はどこへ行こうとしているのか。靖国参拝などアジアの近隣諸国の非難と嫌悪を浴び、アメリカべったりの外交政策を続ける小泉政権の外交に対し、不安を感じている日本人は多くいる。
引用する文章は、『毎日新聞』コラム「世界の目」

「小泉首相の近隣外交」
トム・プレート(米カリフォルニア大ロサンゼルス校教授)
《日本は、自衛隊を強化して”普通の国”になる計画を、アジアの近隣国に理解してもらおうと努めている。だが日本人はこれが誰かを不安にさせるとは思っていない。この計画を唯一受け入れたのは、皮肉なことに憲法9条に代表される平和憲法を課した米国である。
 アジアの記憶は簡単には消えない。誰が20世紀の日本の侵略を忘れられるだろうか。しかも自衛隊の強化と任務拡大の動きが出てきたのは、靖国神社への参拝をやめようとしない小泉純一郎首相の任期中のことだ。これは最悪の外交政策である。おそらく今日では、中国による侵略より日本による侵略を恐れるアジア人のほうが多い。
 実際には、現在の日本はアジアを侵略した過去の日本とは違う。外務省の谷口智彦外務副報道官は最近、研究員をしていたブルッキングズ研究所を去るにあたり、論文「どうなる日本? 新憲法と防衛強化」をまとめ、軍事分野で日本が透明性を高めることを呼びかけた。
 「日本の質的な軍備増強は、国家が一層右傾化したり、単独主義化した結果ではない」(谷口氏)のであり、世界の経済大国の一つが政治的、国際的進化を果たした結果なのだ。谷口氏は「日本が情報を公開するほど近隣国が日本の意図を誤解する余地は狭められていくだろう」という。日本は情報公開のモデル国家になるべきだ。彼はこうも指摘する。「日本政府は中国の防衛計画の担当者を東京に招き、日本の防衛強化や発展について調査できるようにすべきだ。道義的優位を確保するため、中国側から見返りがなくとも、この透明性確保の試みは揺るぎなく一方的でなければならない」
 日本は近隣国に対し、新たな侵略への道を歩もうとしているのではない。世界の舞台において、日本の実績に見合った役割を開拓しようとしているのだ。その結果中国との衝突などは避けられないが、全面戦争は抑止できると日本政府は信じている。しかし、日本のまずい外交政策は地域全体の緊張を高めかねない。それがどのような事態を招くのか、誰にもはっきりとは分からない。
                         【訳・大治朋子】   》

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