赤の女王が「乾杯に対してお礼を述べるべきです!」とアリスに指図する。白の女王が「私たちが応援する=支えるわよ support !」とささやく。アリスは「一人で出来ます」と言う。しかし赤の女王が「それは正しいことではない」ときっぱり言うのでアリスは従う。つまり赤の女王と白の女王が応援してくれる=支えてくれる support のを受け入れた。アリスがお礼のスピーチを始める。すると女王二人が両側から押し始める。約束どおりアリスを支える support ためである。その結果、女王二人はアリスを宙ぶらりんに押し上げ支える lift にいたる。「支える support 」といっても「応援する」のと「宙ぶらりんに押し上げ支える lift 」のではひどく違う。アリスは「お礼を述べるため立った rise 次第です」とスピーチを始める。そして女王二人が押し上げ支えてくれたので実際アリスは数インチ浮き上がる rise のである。アリスはテーブルの端をつかんでどうにか再び下に降りられる。アリスが「立つ rise 」ので女王二人が応援しアリスがちゃんと「浮き上がる rise 」こととなる。「立つ rise 」と「浮き上がる rise 」とではずいぶん違う。
赤の女王が「アリス女王の健康に乾杯!」と発声する。お客たちの乾杯が奇妙。グラスを「ろうそく消し」のように頭にのせ顔に流れ落ちるワインを飲む者。またデカンタを倒しテーブルの端に流れてきたワインを飲む者。羊肉の皿の中に入り肉汁を飲む3匹のカンガルー、ちょうど飼葉おけの中の豚のよう。確かに奇妙な乾杯ばかりである。
白の女王が「おもてなしに魚の謎々を暗唱してあげましょう!」とアリスに言う。
「『最初に魚をつかまえねばならない!』
それは簡単。赤ん坊でもできる。
『次に魚を買わねばならない!』
それは簡単。1ペニーで買える。
(※魚をもうつかまえたのになぜさらに魚を買うのか不思議。)
『さてその魚を私のために料理しろ!』
それは簡単。1分とかからない。
『その魚を皿に置け!』
それは簡単。なぜならもう皿の中にあるから。
(※料理が1分とかからないことはあるが、なぜいつの間にその魚が皿にあるのか理由不明。)
『皿を持って来い!私に食べさせろ!』
それは簡単。1枚のさらをテーブルに置くだけだから。
(※確かに置くのが皿1枚だけなら簡単。)
『皿のふたを取れ dish-cover!』
ああ、これは難しい。出来ないんじゃないかと心配!
というのは魚が膠(ニカワ)のように皿のふたをくっつけているから。
魚がふたを皿につけている。つまり魚が(膠(ニカワ)のように)中間にある。
さてどちらをするのが簡単か?
魚料理の皿ぶたを取る un-dish-cover ことか?
それともこの謎を解く discover ことか?
(※皿ぶたを取るのは魚が皿のふたをくっつけているから難問であるし、また魚がなぜ膠(ニカワ)のようになるのか普通そういうことはないからその理由を説明するのも難問。確かにこれは魚の謎々である。)」
この謎々は魚 fish といっても実は貝 shellfish に関するものである。答は牡蠣(カキ)である。カキは泳げないから赤ん坊でもつかまえられる。カキ1個なら1ペニーでも買える。つかまえて1個、買って1個、料理には2個のうちどちらか1個を使えばいいからつかまえたあと買っても不思議ではない。カキは胡椒と酢があれば生で食べられるから料理に1分とかからない。皿の中にすでにあるのは当然。カキは下に皿つまり貝殻がついている。だから料理に1分とかからないし皿の中にすでにある。生牡蠣を食べるのは簡単。カキ1個をテーブルに置けばよいから。しかし皿ぶたを取るのは大変。カキが膠のように皿ぶたと皿をくっつけている。魚がなぜ膠(ニカワ)のようになるのか普通そういうことはないが、いまやその魚 shellfish が牡蠣ならその理由を説明できる。こうして難問の一方が解けたのでもう一方の方が、すなわち「魚=カキ」を食べるために「皿ぶた=カキの貝殻」を取るほうが難問だろう。
「『最初に魚をつかまえねばならない!』
それは簡単。赤ん坊でもできる。
『次に魚を買わねばならない!』
それは簡単。1ペニーで買える。
(※魚をもうつかまえたのになぜさらに魚を買うのか不思議。)
『さてその魚を私のために料理しろ!』
それは簡単。1分とかからない。
『その魚を皿に置け!』
それは簡単。なぜならもう皿の中にあるから。
(※料理が1分とかからないことはあるが、なぜいつの間にその魚が皿にあるのか理由不明。)
『皿を持って来い!私に食べさせろ!』
それは簡単。1枚のさらをテーブルに置くだけだから。
(※確かに置くのが皿1枚だけなら簡単。)
『皿のふたを取れ dish-cover!』
ああ、これは難しい。出来ないんじゃないかと心配!
というのは魚が膠(ニカワ)のように皿のふたをくっつけているから。
魚がふたを皿につけている。つまり魚が(膠(ニカワ)のように)中間にある。
さてどちらをするのが簡単か?
魚料理の皿ぶたを取る un-dish-cover ことか?
それともこの謎を解く discover ことか?
(※皿ぶたを取るのは魚が皿のふたをくっつけているから難問であるし、また魚がなぜ膠(ニカワ)のようになるのか普通そういうことはないからその理由を説明するのも難問。確かにこれは魚の謎々である。)」
この謎々は魚 fish といっても実は貝 shellfish に関するものである。答は牡蠣(カキ)である。カキは泳げないから赤ん坊でもつかまえられる。カキ1個なら1ペニーでも買える。つかまえて1個、買って1個、料理には2個のうちどちらか1個を使えばいいからつかまえたあと買っても不思議ではない。カキは胡椒と酢があれば生で食べられるから料理に1分とかからない。皿の中にすでにあるのは当然。カキは下に皿つまり貝殻がついている。だから料理に1分とかからないし皿の中にすでにある。生牡蠣を食べるのは簡単。カキ1個をテーブルに置けばよいから。しかし皿ぶたを取るのは大変。カキが膠のように皿ぶたと皿をくっつけている。魚がなぜ膠(ニカワ)のようになるのか普通そういうことはないが、いまやその魚 shellfish が牡蠣ならその理由を説明できる。こうして難問の一方が解けたのでもう一方の方が、すなわち「魚=カキ」を食べるために「皿ぶた=カキの貝殻」を取るほうが難問だろう。
アリスが「今日、聞かせてもらった詩はたくさんあったのにどれも魚に関係してた。変だわ」と言う。それはそうである。魚が鏡の国の住人の好物である。なぜならあとでわかるが鏡の国の赤の女王も白の女王も現実の世界では子猫なのだから。このアリスの発言に対し赤の女王が少し的外れに答える。「魚といえば白の女王陛下はかわいい謎々を知っている。全部、魚の謎々!」と。
アリスが驚いてしゃべれないのに赤の女王がそれを怒る(①)。「しゃべりなさい。プディングにばかりしゃべらせるのはとんでもない」と(②)。アリスはプディングの発言と無関係なことを話し始める。「今日はたくさんの詩を聞かせてもらいました」と(③)。するとシーンとなり全員がアリスを見つめるのでアリスは怖くなる(④)。ここには変なことが4つある。①驚いてしゃべれないアリスを普通は励ますはずなのに赤の女王は怒る。②怒る理由が話の内容に触れず「一方しかしゃべらない」という形式についてのみである。③アリスも変でしゃべり始めた内容がプディングの発言内容に全く応答しない。プディングは自分が切り取られたと非難したのにアリスは詩の話を始めた。④プディングからも赤の女王からも非難されたアリスがみんなからブーイングされずシーンと話を聞いてもらえるのも変である。
アリスが怒る。「なぜ召使に命じるのがいつも赤の女王なのか!」と。アリスが命じる。「召使、プディングをもう一度持ってきなさい」と。すると一瞬のうちに手品のようにプディングが現れる。それがあまりに大きいのでアリスはたじろぐ shy が勇気を出して少し切り取って赤の女王に渡す。そのときプディングが言う。「何という無礼!もし自分が切り取られたらお前はどんな気持ちがするんだよ!」と。アリスはびっくりし何も言えず見つめてあえぐばかり。確かに食べようとして切り分けたプディングがしゃべって自分を非難したらアリスのようになって当然である。
羊肉の脚が紹介されたあと「少し切り分けましょうか?」とアリスが聞く。赤の女王が「だめだ。紹介された者を切り刻むのはエチケットに反する」と言い羊肉の脚を下げさせてしまう。次に干しぶどう入りプディングが出る。アリスは「紹介してほしくない。食べられなくなるから」と言うが、赤の女王が「プディングさん、こちらがアリスさん。アリスさん、こちらがプディングさん!」と紹介しプディングを下げさせてしまう。料理の紹介のあと普通その料理を食べる。しかし人の紹介のあとその人を食べることはない。ここでは料理の紹介と人の紹介が混同される。
アリスの前に羊肉の脚つまり大きり肉が続いて出される put on がアリスは心配になった。これまで彼女は大きり肉を切り分けたことがなかったから。それを見て赤の女王が「お前は少し恥ずかしがっているように見える。お前を羊肉の脚に紹介しよう」と言う。「アリス、こちらが羊肉さん。羊肉さん、こちらがアリス」と赤の女王。この不思議な事態はなぜ生まれたか。赤の女王は初めから羊肉の脚をアリスに「紹介する put on 」つもりだった。ところがアリスは羊肉の脚が「続いて出される(付け加わる) put on 」と思ったのである。あとは成行のまま。羊肉の脚が皿の上で起き上がりアリスにお辞儀する。アリスもお辞儀を返す。急のことでアリスは怖がるひまも面白がるひまもなかった。
女王アリスのパーティにアリスが登場し席に座る。しかしシーンと静かで彼女は居心地が悪い。誰かがしゃべってほしいと彼女は思う。赤の女王がしゃべり始める。「お前はスープと魚を食べ損なった」とアリスに言う。そして「大きり肉を次に持ってまいれ put on 」と召使に命じる。赤の女王は奇妙。①アリスがパーティに出席する前にスープと魚が出たことがアリスにどういう関係があるのか、つまりわざわざ言う必要があるのか。また②スープと魚を食べ損なうとなぜ次が大きり肉なのか理由がない。
女王アリスがいないのに彼女のパーティはすでに開催されていた。約50人のお客がいた。動物、鳥、さらに花たちがいる。アリスは思う。「私が招待する前にみんな集まっていてよかった。動物・鳥・花では誰を招待していいかわからないから」と。