鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

アリスの視線を逃れて品物が動き回る=逃げ回る(GLASS5-18)

2008-10-14 23:30:03 | Weblog
お店の中は珍しいものでいっぱいのようだった。ところが変なのは、どの棚も何が載っているのかと一生懸命見ると、その棚はいつも全く空になってしまい、周りの他の棚ばかりが溢れるほどに品物が詰まっているのである。
 PS:これは何を意味するのだろうか?見るとその品物が見えないのはなぜか?原因は二つ考えられる。①見ている側のアリスの目が変になって周辺は見えるのに中心が見えなくなるのか。だがアリスにそうした病的な兆候はない。彼女の目は正常である。とすれば②店の品物はアリスの視線に気づくことができアリスの視線を逃れて動き回る(=逃げ回る)と考えるしかない。

 かくてアリスが言う。「品物がここではずいぶん動き回るのね!」と。アリスは実際、人形に見えたり針箱に見えたりする大きな光るものを、1分以上目で追いかけたが、結局それはアリスが見る棚にあることがなく、いつもすぐ上の棚にあるのだった。