突然、機関車からピーと汽笛が鳴って乗客たちはびっくりして跳び上がる。馬が窓から首を出して外を見て言う。「ただ小川を跳び越えるだけだ!」と。他の乗客たちは事情を納得したが、アリスは列車がジャンプすると知り不安になった。「でもこれで4の目に行けるなら仕方ないわ」 とアリスは思う。鏡の国はチェス盤のようにできていて小川が目と目との境にある。さて次の瞬間、列車が空中に跳びあがりアリスは怖くなって近くにあったものを手でつかむ。それはあのヤギのひげだった。 しかし手を触れたとたんにひげは消えてなくなってしまう。気づけばアリスは静かに木の下に座っていた。この描写はアリスの空間的なワープを示している。 ヤギのひげが一瞬にして消えてなくなってしまったのは3の目の世界内に存在したヤギが4の目では突然、非存在となったからである。 今、アリスは4の目にいて木の下に座っている。