鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

ホース(=馬 horse )の声とホース(=しわがれた hoarse )な声(GLASS3-13)

2008-04-02 19:01:55 | Weblog
 カブトムシの向こうに座っている乗客が誰かアリスには分からなかった。しかしその乗客がホースな(=しわがれた hoarse )声でしゃべった。「機関車を取り替えろ・・・・」しかしその後は息がつまり言うのをやめてしまった。「まるでホース(=馬 horse )みたいな声だったわ 」とアリスが独り言を言った。すると、とっても小さな声がアリスの耳元でささやいた。「君はしゃれを言ってるのかな。ホース(=しわがれた hoarse )とホース(=馬 horse )に関して!」と。つまり「ホース(=馬 horse )の声」が「ホース(=しわがれた hoarse )な声」だったとアリスがしゃれを言ったのかもしれない。ただアリスにはこのとき洒落を言うつもりはなかった。(PS:この小さな声の正体はやがて明らかになる。)


アリスを小荷物にして送り返す(GLASS3-12)

2008-04-02 18:21:56 | Weblog
 羊のとなりに座っていたカブトムシが次に発言した。(それにしても列車内はみんな奇妙な客ばかり!また順番に発言するきまりのようである。)彼が言うには「その女の子は小荷物にしてここから送り返さねばならない」とのこと。カブトムシはなぜこんなことを言ったのだろう?①アリスは切符を持っていない。②車掌がアリスに「間違った方向に旅行している」と発言。③白い紙の服を着た紳士がアリスは「どこに行くか分かっている」べきなのに分かっていないと批判。④ヤギがアリスについて「切符売り場への行きかた」さえ知らないから切符を買えなかったのだと指摘。これだけ理由があれば確かに列車に乗ってアリスが旅を続けることは無理だろうとカブトムシが思うのは当然である。アリスを「小荷物にしてここから送り返さねばならない」との提案はもっともである。ただ人間を小荷物にして送るのはこの日常世界では普通ありえないから鏡の国は奇妙である。