迷歩録 ころあい

　　雨降って　　風吹き荒れて　　春や過ぎ　　肥後の街並み　　苦しみ耐える

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ




　　　人間関係に「ころあい」というものがある。適当な程度、適当な時期など訳されるそうだが、この「ころあい」

　　を感じるか感じないかは、その後の人間関係に大きな影響を与える。人間関係の始まりはどのような人間関係でも

　　知り合った時の第一印象に動かされ、早く関係性をつくりたいと、焦ったり、慌てたり、イライラしたり、過剰に

　　期待したり、期待しなかったりと、心の中でジレンマを起こす。このような時期を心理学ではヤマアラシジレンマ

　　と言うそうだが、なんともこの時期の人間関係につまずくと、その失敗体験がコンプレックスとなり、人間関係を

　　うまくとることができなるとも言われる。特に大人になってからの失敗体験は、自分の行動を過剰に慎重にさせた

　　り、人間関係に消極的となり、引っ込み思案になるとも、しかしこのことを克服できる方法もある。克服するため

　　には、ヤマアラシジレンマ体験をネガティブ体験でなく、ポディテブ体験とする意識の変化を求めることではない

　　だろうか。ヤマアラシジレンマは相手がいるので起きた事、その時自分の心は、相手とどのようになりたかったの

　　か、相手に過剰な期待や積極性を求めていなかったかなどを検証して、自分の心の動きを繰り返してみる。そうす

　　ることで、冷静な自分を知ることができるとともに、人間関係はスタートが、導入時期が大切であることが理解で

　　きよう。その理解によって人間関係の失敗は随分と減ると思う。

　　　真さに人間関係の「ころあい」を知った対応ができるというものである。今の時期は新人たちとの関係が、ある

　　いは転勤族との関係など新しい人間関係が始まる時期、この時期の人間関係は将来の自分までも狂わしてしまう。

　　それ故に、慎重になりすぎず、大胆になりすぎず、「ころあい」を保って人間関係を発展させる時期でもある。

　　　コミュニケーションは「ころあい」の判断能力がその後の関係性をつくると言っても過言ではない。人との共存

　　こそが人間関係の基本、そのことを今の時期だからこそ学び取りたいものである。