植物園にオオバウマノスズクサ:大葉馬の鈴草(ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属)が咲いていました。本州関東以西、四国、九州に分布する多年草で、普通のウマノスズクサ(’08年9月7日記事)にくらべて葉が大きいのでこの名がります。
ウマノスズクサの名は果実が馬の首につける鈴の形に似ているからきているといいますが、花の形自体が鈴に似ているからという説もあるようです。花はよく見かけますが、果実はめったに見られないので後者の説も故ありといえそうです。
花の先端部には、内側に向いた毛が密生し、虫が入りやすく出にくい構造になっています。
筒状の花はウツボカズラの食虫器官に似ていて、中に入り込んだ虫が脱出しにくい構造になっていますが、虫を消化するのではなく、虫を雌性期の花の奥にある球形の部分にいったん閉じ込め、花が雄性期になると花筒の逆毛が萎縮しハエは脱出できるようになるので、花から脱出するときに花粉が付いて、次の花に入ったときに受粉する仕組みになっているそうです。変わった形の花は、受粉を確実に行うための工夫です。その割には果実がめったに見られないというのは不思議です。