20本の大株がそれぞれに⒑数本の分枝を持つこの群生は、古い歴史を持ち、冬季も藁覆いなどの保護を必要とせず、自生としては日本列島の北限に位置するとされて、県指定の天然記念物となっています。
本来ソテツは、九州南部、沖縄、台湾など熱帯から亜熱帯の沿岸地、特に海岸の風衝地や崖などに生えることが多いとされ、近時園芸植物として価値があるため減少しており、国際的な保護の対象となっているといいます。
年輪がない幹や、赤い種子にはでんぷんが含まれ、飢饉時には中に含まれる有毒成分を除去して非常食として利用されたりしました。
雌雄異株で、イチョウとともに精子を持つ裸子植物と知られ、室津の蘇鉄群では7割が雄株となっています。ほぼ隔年に花をつけるというここのソテツには、赤い種子をつけた株も見えました。