へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

バレンタイン騒動今年も…2

2017-02-17 17:01:44 | へちま細太郎

父です。
昨日の続きです。

高校の事務室、中学の事務室と顔をだすたび、チョコを預けられ、さすがに大学では、広之も嫌がったはるみというクソ娘がいるせいで、チョコの洗礼はなかった。
が、しかし、タコ壺に顔を出したとたん、
「ええかげんにせえ」
と、顔に雑巾を投げ付けられた。
「なんなのよ、いきなり!」
雑巾を投げ返せば、
「みてみい、このチョコの数!」
と、段ボールにわんさかとチョコが入っている。
「なんだこりゃ」
段ボールのチョコの山は、すべて息子の細太郎あて。
どうも、美都駅にいけば会えると思っていた連中が、細太郎が一人暮らしを始めてからどこに出していいのかわからず、いつも出入りしているタコ壺保健室へと送りつけてきたらしい。
「うちはあんたのクソガキの私書箱やないねんで!」
ごもっとも。
「まったく、彼女がいるってわかっていても送りつけてくるその根性がすごいわ」
タコ壺が文句をいっても始まらない。送りつけてくる理由は、うちのおふくろの作るお返しなんだから。
「その彼女が、根性悪いは意地悪だわ…あんたの息子の趣味はどうなってんの」
「俺だって知らん、あんな悪趣味なやつだとは…」
「だれが悪趣味よっ!!」
いきなりキンキン声が頭に落っこちてきた。
「私が意地悪だってわかってるわよ!!でも、息子の趣味まで悪く言うことないでしょ!!」
振り向けば息子の彼女のはるみが、仁王立ちしている。
さらにその後ろには、
「あら、バカ息子」
と、オフクロが立っていた。
「な、なんで?」
「あらあ、息子の職場を見に来るって言う母親が最近多いっていうじゃない?」
「じゃないって…」
あっけにとられていると、
「匿名希望の東山先生、ごめんなさいね、これかしら?」
と、段ボールに手をかけた。
?とタコ壺を見れば、
「連絡したった」
と、どっこいしょと段ボールを持ち上げた。
「相変わらず、すごいなあ。あ、これ、小学校の時の先輩じゃない」
クソ娘がその中の一個をを手にとって、差出人の名前をチェックした。
「毎年、バス停で喧嘩になっちゃってたんだ、あの先輩、元気かなあ」
はるみは、ニコニコしながら、
「私が持ちまあす」
と、段ボールを外に運んでいく。
「ほら、あんたも手提げ袋よこしなさい」
クソ娘の後ろ姿を追っているとお袋が蹴っ飛ばしてきた。
「悪いけど、全部、俺当てだかんね、というセリフはなしね」
「くそ、誰がちくったんだよ」
どうせ、藤川あたりだろうと、怒りを押さえながら、紙袋を手渡した。
「ああ、あんた、今日は買いものしてきてね」
と、余計な一言を付け加えた。
俺は、こどもかあああああああ!

コメント
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