へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

くれよん すもっく おべんとう~

2014-03-18 15:56:51 | へちま細太郎

こんにちは、へちま細太郎です

ぼくは理系クラスにいる。
何で理系にしたかというと、文系教科よりマシな点数をとっているからだ。
どこの高校でもそうだけど、芸術科目を3年まで継続しているところなんて、ないだろうと思う。ぼくは、美術を3年までやりたかったんだけど、特進理系だとそんなわけにはいかないらしい。
「だったら、孟宗の大学クラスにいけばよかったんじゃん」
図書館で英Ⅱの小テストの追試の勉強をしていたら、はるみにつっこまれた。
「はるみは、このまま上にあがるの?」
「そう。別に都会に出ようとは思っていないし、ここの管理栄養でも十分でしょ」
2年まで特進にいたはるみは、あっさりと3年のコース別クラスを、孟宗エスカレーターコースに切り替えてしまった。
「聞くけど、細太郎君は、何で特進理系に進んだの?」
「あ~、いや、だから…」
ちらっと頭の中に浮かんだのは、“医者”って言葉だった。それは、ぼくのまだ会ったことのない、母方の祖父の職業だ。
ということは、ぼくの相方?の豆太郎くんこと翼くんも、医者になるコースを選んでいるんだろうか。
「何、ぼっとしてんのよ」
「ああ、ごめんごめん」
ぼくとはるみは、いつのまにかなんとなく、ひまになれば図書館で勉強するようになって、図書館の入り口から恨めし気にのぞいているキチローとか、絶交状態の野茂がカウンターの近くで睨んでいようが、気にはなっていない。
でも、何で、ぼくがはるみと一緒にいるんだ?
「私ねえ、将来、自衛隊につとめたいの?」
突然、はるみが言い出した。
「何で?」
ぼくは、びっくりだ。全然、縁がないじゃないか。
「だって、細太郎くんならわかるでしょ?」
あ…。ぼくは、ここで気がついた。ぼくのまたいとこの秀兄ちゃんだ。
「まさか、おまえ、秀兄ちゃんと付き合ってたりして…」
めまいがしてきた。。。あの硬派の秀兄ちゃんが、こんなわがまま娘と…。
「まさかあ、憧れているだけだよ~。ラインしてって頼んだら、ガラケーだっていうし、スマホにしないのって聞いたら、必要ないって言うし」
秀兄ちゃんらしいや。
「防衛大なんて、逆立ちしたって入れないし。だったら、せめて管理栄養士くらいとってお勤めしたいじゃん」
「おまえ、一応、訓練あるんだぞ。いいのか?」
「マジ?」
あ~、やっぱりはるみだ。上品ぶったお姫様を演じていても、はるみははるみだ。
「三つ子の魂百までか」
ぼっつりつぶやけば、いきなりはるみに頭を叩かれた。
「いて」
「あ~、何してんだ~」
同時に叫んでキチローが図書館に突撃してきた。
「なんなのよ、あんたっ!!」
はるみの叫び声が耳元でして、ぼくはさらにめまいがした。
やっぱり、違うクラスでよかった…。