へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

つくばった駅伝大会 その3

2012-12-14 12:28:22 | へちま細太郎

だいぶ時がたっちまったのなんざ、ムシだ、ムシ。。。

悠樹だ、文句あっか。。。

つくばった駅伝大会の当日。
町長は、清盛の格好だし、ゲストで呼ばれてきた元陸上選手は、なぜか体操選手だ。
救護用のテントにいる借り出されてきた匿名希望の東山は、金本のユニホームを着こんでいた。
あ、これはいつものことか…。
模擬店も出店されていて、つくばったB級ランチにつくばった新鮮野菜直売所もあり、大盛況。
今日は、井端のユニホーム姿の安倍さんのテントの前は長蛇の列だ。
藤川家お抱え料理長のとびきりの料理とあって、最初からこれをお目当て、という連中もいた。
「もし、藤川家の若殿を射止めたら、これを毎日食べられるわけ?」
と、女どもは串に刺したステーキにかぶりつきながら、叶いもしない戯言を言い合っていた。
今年のうちの学校の仮装といえば、勇者ヨシヒコ・戦士ダンジョー・ムラサキ・へんなほくろの金髪じゃなくてメレブがごちゃごちゃいた。メレブにバカ殿が入っているなんて、誰も思わない。
金本・黒田の両猛獣が、ムラサキだなんて、想像つくか。。。
にもかかわらず、あいかわらずの唐変木野郎は大僧正スタイルをやめない。
いっそ、魔王にでもなりゃいいんだ、と俺は毒づいた。
さらにけんちゃんも、日本代表のユニホーム姿をかたくなに守っている。
がんこ者っぷりも、藤川家にふさわしい。
みんな二日酔いのげろげろ状態で不機嫌なところに、あの厭味ったらしいバカがやってきた。
「仮装っていうからどんな工夫をするかと思えば、あんた、メレブ、似合ってるよ」
と、クスッと笑ったいとこの杉内に対し、ただでさえ不機嫌な健康状態のバカ殿が、切れた。
「あとでおぼえてろ、きさま、男としてニ度と役に立たねえようにしてやるからな」
あごをつかまれ、耳元でドスのきいた低温でささやかれると、どんなに恐いか…。
何度もぶちのめされていても、杉内のバカ殿は懲りないみたいだ。
が、そのこわさを知っているだけに、さーっと血の気の失せた顔色になって、いいとしこえたおっさんがひっくり返ってしまった。
いったい、こいつ、ぼっちゃんに何をされてきたんだよ~。
同情する気もないぜ。。。