へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

つくばった駅伝大会 その1

2012-11-24 11:58:18 | へちま細太郎

こんなときだけ、登場する、孟宗学園高校サッカー部OBの悠樹です。
就職先も今から決まって、のんきな大学生活だぜ。
でも、最初は農業やんなきゃいけない。
三田の東京タワーが見える大学に行っていたのに…。
とほほ。

恒例のつくばった駅伝は、だんだんOBの参加も厳しくなってきた。というのも、世間のお寒い経済状況のせいで、就活に忙しいからだ。
今年は、サッカー部OBの中でも大学院に残ったひとつ上の(仮)嵐軍団の1号2号さんと、(仮)山下軍団、(仮)有岡軍団たちが出てくれるおかげで、俺の出番もないかな、と思ったら召集をかけられた。
金本監督容赦ないぜ、ちくしょう。
前夜、学園の寮に入るなり、うちの先生たちや、つくばった高校の先生たち、毎度おなじみ製薬会社の人たちが、わいわいと集会場ですでにどんちゃん騒ぎをしていた場面に出くわした。
製薬会社の人たちはもちろん、二日酔いの薬を大量に持ち込んでいる。
「飲んだら走るな」
俺はどうせ翌日げろげろ吐きだすくらいなら、飲まなきゃいいのにと思うんだが、これにかこつけての宴会だから、何を言っても無駄だ、とあきらめの境地だ。
出場する在校生も寮生もみんな大騒ぎを避けて、寮の隣にある合宿所に逃げていた。
ここなら宴会に巻き込まれることもない。
思えば、ふつうは宴会を合宿所でやればいいんだろうが、こっちには安倍さんたちの料理が手早く運ばれてくる。合宿所は自分たちで料理をしなければいけないのだから、先生たちが来るはずもない。料理好きの、藤川家の料理長もつとめる安倍さんは、背番号5WADAの文字の入ったTシャツを着込んでの気合い十分の宴会料理をどんどんつくり、どんどん運んでいた。
「明日になったらゲロになっちゃうのに」
孝太郎がぼそっとつぶやき、
「俺は安倍さんの料理、好きじゃねえ」
と吠えながらさっさと寝てしまった。
こいつは、名古屋名物?手羽先が大嫌いだったんだ。
名古屋メシは十分にうまいのにな。。。
贅沢な奴だ。

コメント
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