こんにちは、へちま細太郎です。
ぼくは子どもだから、合コンがどんな感じでやればいいかなんてぜんぜんわからないけれど、でも、このおねえさんたちはじぶんたちの好きな曲を歌って、ぼくたちが、ましてやぼくがいるのに、みんなで楽しもうなんて気持ちがないみたい。
藤川先生は、ぼくがいるからということで、きっと保育しさんたちと合コンしようと思ったんだろうな。
というか、それいぜんにぼくをよばないでくれる?
ぼくのうちでは、あんまり演歌をきく人がいないから好きとかきらいとかいえないけれど、藤川先生や広之おにいちゃんの顔をみて、楽しいか楽しくないかはんだんしてほしいと思うよな。
きらいだ、こんな女の人。
ところがぼくのおとうさんときたら、けっこう楽しそう。
演歌でもノリノリです。ワンテンポずれているけど・・・。
演歌でテンポがずれるってどういうこと?
やだなあ。。。おとうさん、それって、リズム感が全くないっていうこと?
ぼく、落ち込んじゃうよ。。。
ぼくは、つまんないので、バックからマンガを取り出して読みはじめました。
「名探偵コナン」大好き。
たくさん運ばれてきた料理を食べながら、ハム太郎が北島三郎を、ミッキーが細川たかしを歌おうが、プーさんが八代亜紀をがなろうが、ぼくにはどうでもいい。
ぼくは、スケートで金メダルをとったおねえさんも好きだけど、コナンのテーマソングを歌っているなんとかまいおねえさんも大好きです。
だれかうたってよ。。。
広之おにいちゃんが、ぼくがコナンを読んでいるのを見て、カラオケの曲の本をぺらぺらめくって、
「細太郎、コナン歌うか?」
とリモコンを手にとりました。
「うん」
広之おにいちゃんは、歌がじょうずなんですよ。
「ねえねえ、なんかこのおねえさんたち、へんじゃない?」
ぼくは小声で広之おにいちゃんにささやきました。
「ちょっとな・・・。藤川さん、今日は失敗したね」
広之おにいちゃんも曲のかいてある本で顔をかくして、こっそりとわらいました。
あいかわらずおとうさんは、リズム感のない手拍子をしています。
わざとだと思いたいよ~。
「はあい、またまた歌いまあす。今度は、“兄弟船”歌います」
ぼくと広之おにいちゃんは、ぼうぜん・・・。
藤川先生は、頭をかかえています。が、そこはそれ、女の人にサービスするのが大好きだから、がまんしているみたいです。
いったい、どこの保育園の人?
どこで、ナンパしてきたの?
しょうがねえなあ。。。
というか・・・、
この人たち、いったい、年いくつなの~
で、シラケムードもここまででした。。。
ぼくにとってとんでもないことが、待ち受けていたのでした。。。