日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第114回例会(平成26年3月20日)

2014年03月30日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1. 結構について

 結構についてはこれまでもたびたび指導を受けているが、3月期検定の課題に関連し、改めて注意を受け、その場でそれぞれの形に収める実習を行った。

(1)文字の形が△の例 土、火、左、有、在
(2)文字の形が▽(逆三角)の例 士、布、右、可
(3)文字の形が縦長の四角の例 目、周、貝、月
(4)文字の形が四角で、下の横画が上の横画より短い(すぼめる)例 口、田、曲、因、中
(5)「女」、「履」等の払いの起点の位置等について
● 「女」の場合、二画目の払いの起点は、横画の真上ではなく、左上から起筆し、左下へ払う。
● 「履」の三画目の払いの起点は、一画目の起点との交点ではなく、そのやや内側から起筆する。
● 「ひらがな」の「む」のたて画は、中心線より左側に書く。

2. 明治、大正、昭和の能書家について

 王羲之、小野道風など、中国、日本の歴史に名を残している能書家についてこれまで講義を受けてきたが、その締めくくりとして、明治、大正、昭和の能書家について、代表的な書家の書風、作品の特徴などについて講義を受けるとともに、先生の蔵書の中から作品(写真)を拝見した。その中には、勝海舟、山岡鉄舟など近代の歴史上の人物の書も見ることができた。

◇ 実技指導

 3月期検定の課題作品について、提出用の最終添削指導を受け後、それぞれの例月の課題作品について添削指導を受けた。

(出席者 9名)(谷田貝 記)


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第113回例会(平成26年3月6日)

2014年03月26日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.今回の検定(半紙)の課題「桃源」について

  1. 楷書
    結構の点から考える。
    (1) 字の中心はどこか(中心線)を考えて書く。
     ・「桃」の偏「木」は「桃」全体の中心線より左になる。
     ・「源」も同様。
    (2) 中心部をにぎやかにする。
  2. 行書・草書
    (1) 出来るだけ続けて書く。
    (2) 細い線でも実線と虚線の区別をはっきりするように。
    (3) 六段以上は、個性を出すための工夫が必要。

2.偏と旁のバランス(「欠」、「方」、「立心偏」)

  1. 「欠」が旁にある場合、1画目の「ノ」は単体として書く場合より立てるとともに全体に縦長に書く。単体と同じように書くと、例えば「歌」の字の場合、字が扁平になり偏と旁のバランスが悪くなる。
  2. 「方」を偏とする字(「於」など)の場合、中国の書家は「方」を「オ」と書いている(王羲之など)。
  3. 「立心偏」の書き方として、縦線の左側にある点と右側にある点とでは書き方が異なる。左側の点は縦線との間には空白があるが、右側の点は縦線につけて書く。

3.実用書の書き方の例

  1. 熨斗袋に「入学祝」を書く場合のポイント(篠原さんの作品を例に)
    (1) 「入学祝」「篠原周二」の7文字を各字の中心線を考え一直線上に書くこと。このため初めのうちは鉛筆で薄く一直線を引き、その線に沿って書くとよい。
    (2) 贈り主の名前は少し小さめに。また各字の結構と関連し、明朝体の活字の字が全体を四角い形にしているため毛筆やボールペンで書く場合も四角い形に書いてしまい勝ち。例えば「周」の場合、少し縦長に書くと美しく品がよくなる。
  2. 郵便封筒への宛名氏名、宛先住所の書き方のポイント
    (1) 先ず、宛名氏名を封筒の中心に一直線上に記入する。
    (2) 次に宛先住所の都道府県名、市町村名、地区名を右端に、
    (3) その左に何丁目何番何号などの地番名を、
    (4) その左にマンション等建物名、何号室名などを記入する。
    ここで先ず宛名氏名を中央部分に少し大きめの字で一直線上に書くことが一番のポイントとなる。宛先住所はその右側に2行ないし3行で書くことがポイントである。こうすると住所を大きく書いたために氏名が左側に寄せられる不都合を避けられる。

◇ 実技指導

 今回は今年前期の昇段検定の指導を中心に添削指導が個別に懇切丁寧に行われた。

(出席者 9名)(村越 記)


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第3回作品展を開催しました

2014年03月12日 | 作品展
 書道愛好会では、日比谷同友会事務局およびNTTコミュニケーションズ㈱様のご支援・ご協力を得て、平成25年11月25日(月)から29日(金)の間、日比谷ビル地下1階において、第3回作品展を開催しました。平成24年の第2回に引き続き平成25年も開催できたもので、会員が日頃の修練の結果を示すべく一生懸命取り組んだ力作に加え、近々入会予定の方からも出品して頂きました。また指導講師(書家小林碧雲先生)にも出品して頂き、合わせて25作品を展示することが出来ました(条幅8点、八つ切り(1/4条幅のこと)7点、半紙1点、色紙9点)。

 作品のほかに、入会ご希望の方へのご案内として、例会日に講師から手をとって指導を受けている会員のスナップ写真や、入会半年前後の間の上達振りを示した作品(入会直後(before)と半年経過後(after)の作品とを比較したもの)なども展示しました。さらに今回は「一日書道教室」として書道に関心をお持ちの方に講師が直接その場で手を取って指導する場を予定しましたが、事前のPR期間が短かったこともあり申し込みがまとまらず、開催を見送りました。

 期間中は日比谷ビルに勤務している現役社員は勿論のこと、日比谷同友会会員、出展者の知人や勤め先関係の方、指導講師(小林碧雲先生)の門下生など多くの方にご来場頂き、前回からの上達振り(?)のコメントを頂いたり、新しい会員の意欲的な作品を見て頂いたりしました。また書道を習いたいとする方からのお問い合わせは、0Bのみならず現役社員の方からも頂き、例会の和気藹々とした楽しい雰囲気や練習の取り組み方などを説明しました。

 なお、OB、現役の方で、例会日出席が困難な場合は、講師との間で郵便による指導(通信添削)を受け、時間のあるときに直接指導を受けるということも可能です。書道に関心をお持ちの方、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。(担当:荻野 電話090-3229-0782、メールoginos@rondo.ocn.ne.jp)


作品展初日、出展作品の飾りつけを終えて


条幅作品(1/2)

条幅作品(2/2)

八つ切り(1/4条幅)作品

色紙・半紙作品(1/2)

          
色紙・半紙作品(2/2)

例会での指導風景(左・上下)と書道愛好会紹介ポスター(右)

BEFORE と AFTER


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第112回例会(平成26年2月20日)

2014年03月01日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.烈点

 「烈」などの下の4つの点を「烈点」という。4つの点の始筆の位置は高さを合わせるが、下の終筆の位置は、一番左と一番右を長くして合わせ、終筆は筆を抜かないで止める。一番左は始筆後筆を左下へ運び終筆で力を入れる。はねてはいけない。ほかの三つは始筆後筆を右下へ運ぶ。一番右は、始筆後一旦筆を上げたまま引いて止める。後処理で筆端を整える。

2.ウかんむり、ワかんむり

 「宇」を例にとると、かんむりの左の「ノ」は点ではないので、引いてきてから払うこと。右の「ノ」は始筆時と終筆時の幅を同じにする。長さは左の「ノ」と対応する位置まで引く。なお「寧」のように下の縦画が長い字や「寒」のように下の「ハ」が広がっている場合には、ウかんむりは小さくてよい。

3.結構

 例えば「結」なら左の「糸」、右の「吉」の2つからなる結構、「望」なら「亡」、「月」、「王」の3つからなる結構である。「笑」は「竹」かんむりに「天」でつくられている。「声」は上側が「士」で下側の字の二つの結構からできている。へんとつくりの関係、かんむりとつくりの関係など形で覚えてほしい。ただし分解できず一つの結構で出来ている字もある。例えば「周」は縦長、「二」は横長の結構。

4.□(しかく)と口(くち)

 縦画と横画を四角に書く(□)のは、目、貝、囲、国、園など。上の縦画よりすぼめて下の縦画を書く(口)のは、四、里、早など。 □(しかく)と口(くち)は毛筆で違う。口の下側の横線は縦線の交差点より右に少し出す。

5.その他注意していただきたい字画

  • 「書」の字の第一画はやや右斜め下に引き折り返しは真っ直ぐ下におろさず、左斜め下に引く。また第三画、第四画、第五画の3つの横画は、上から順に長く引く。
  • 「春」の横画三つの内、一番下の横画は真ん中の横画よりは長く引くがあまり長く引かないこと。
  • 「先」の下側の「レ」の縦線は細く引き、横線は太く引く。
  • 「尚」の口を囲む右側の縦線を引く時は、こぶを作らずむしろ右肩を下げてから下に引いてくるようにする。
  • 「衣」の下部のつくり(「褒」や「長」の下の部分):「長」の縦線からのはね(レ)は点ではなく線を引くこと。また最後の「メ」は交差させて書くこと。「メ」の第1画はその左の「レ」の第2画と同じ方向がよい。

6.良寛

 別紙資料にて説明された。宝暦8年(1758)越後国の出雲崎で庄屋の生まれ。出家してえらい坊さんになった。かなは伝小野道風筆「秋萩帖」を学び、洗練された美しいかなで、ことに線の流れが最も美しい。天衣無縫の書とも言われている。

7.中学校教科書

 書道の周辺的な勉強もして欲しい。例えば中学校の書道の教科書などは実用字をきれいに書きたい人には良いと思われる。それから芸術作品と普通の字とは違うので理解してほしい。検定試験の作品は基本通りの字を書くことを勧める。

◇ 実技指導

 講義の後、各人の添削指導がおこなわれた。

(出席者 10名) (因泥 記)


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第111回例会(平成26年2月6日)

2014年03月01日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.文字の書体の変遷

 一般的には天候や占いから文字が生まれ発達した。

  1. 篆書:秦の時代に生まれた。漢字の元になる文字で例えば「月」は三日月型で表現した。
  2. 隷書から楷書へ:隷書から楷書に移り行書へと発展した。隷書は漢の時代に、楷書は初唐、行書は東晋時代に生まれた。東晋は王羲之が生きた時代でもある。楷書は当初は同じ文字が100通りもの書き方があったが、初唐時代に3~4通りに整理された。
  3. 草書:唐の時代に発達。孫過庭の時代。

 なお、日本では漢字は中国、韓国から入ってきた。日本での書風の変遷は奈良以降現代までに大きく3回位行われている。

  1. 鎌倉時代:黄檗宗が日本にもたらされるなど仏教が盛んになり、写経にあった書き方
  2. 江戸の初期には京都において仮名に近い柔らかい楷書
  3. 明治になって以後:印刷が発達してきたのに伴い、印刷に都合のよい書体。これには日下部鳴鶴が尽力し、明朝体をベースに印刷会社とタイアップして生み出した。

2.結構

 文字は偏(へん)と旁(つくり)で概ね構成されていて、これを結構という。 例えば「即」の字は、印刷では左側の偏と右側の旁は同じ高さで横並びになるが、毛筆では右側の旁を下にずらして書いている。同様に「動」も筆で書いた結構と印刷された結構では違う。それから「切」の字は偏と旁からなりたっているのでこれを一つの結構と考えるのは間違いである。また「想」の結構を一つでなく3つからできているので勘違いしないでほしい。
 合わせて、「可」の字も印刷物と毛筆とで形が違う。印刷物では縦画が横画の右はじから降りてきているが毛筆は右はじではない。これは書き方の違いがあり、毛筆は口を書いてから縦画を引くが印刷物は縦画を引いてから口を書いているため。なお、1つだけの結構としては「田」、「中」などがあり、縦長だったり、横長だったりする。

3.文字の基本

  • 糸へん:偏として下側のムが大きいと不格好である。始筆と下側のムの右側と小の右側が合うように書く。
  • にんべん(イ):にんべんの第1画の「ノ」は、右に来るつくりいかんによって、短くしたり長くしたり、或いは縦画の長さも3通り変えてみるとよい。例えば「傅」のにんべんの縦画は長くするとよい。
  • ぎょうにんべん(彳):「彳」は一般的には上側の「ノ」を短くし、下側は長くする。或いは上側の「ノ」は太くし下側は細くする。また、方向も上と下で変えてみる。
  • たけかんむり:毛筆では縦画の二本を真ん中に引き寄せ賑やかにするときれいに見える。

4.検定試験

  • 検定の際には半紙は楷書、行書、草書の三体を縦一列にして審査を受けるので、種類の違う半紙に書いた作品は跳ねられてしまう。
  • 楷書は点、画がしっかり書かれているか、行書、草書は実線と虚線について、連続して書かれているか、また自分の字が出来ているかなどが審査される。

5.「秋萩帖」:伝小野道風筆

 別紙資料にて解説された。

◇ 実技指導

 講話の後は実技にうつり各人の添削指導が行われた。

(出席者 10名)(因泥 記)


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