日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第104回例会(平成25年10月17日)

2013年10月22日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.結構

 たとえば単独の「木」と「村」の「木」偏(へん)とでは当然「木」の形は異なる。書道では同じ書き方ではいけない。同じように、単独の「走」と「越」の「走」饒(にょう)でも同様である。結構をきちんとバランスよくすると、字が美しく見える。
 また、一つの字を3種類くらいに書き分けられるとうまく見える。例として、「後」のギョウニンベンの縦棒の高さを3通りに変えて書いてみるなど。

2.草書の出来るまで

 草書は基本的に隷書からつくられているので、楷書・行書から類推できない字がある。例として、「欲」の草書体を白板に書いて示された。また「武」「即」の隷書体と楷書体の違いを示された。

3.作品展の色紙の注意点

  • 色紙は外枠四方から1cmは離して書くこと。そうしないと額に入れた時に字が隠れてしまう。
  • 真ん中は空白にならないこと。
  • マジックで書いたような同じ太さの線はダメ。太い線、細い線を書き表すこと。
  • カスレ、割筆の点画があること。

◇ 実技指導

 引き続いて、11月下旬開催予定の作品展に向けた各自の作品、10月の規定課題「於先師仰彼」および各自の随意課題作品について実技指導が行われた。

(出席者 10名)(榎 記)


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第103回例会(平成25年10月3日)

2013年10月22日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.検定結果での指導

(1) 半紙

  1. 楷書
    線を引くときの起筆、運筆、収筆が基本通りにきちんとできていない。 たとえば横画の場合、45度で起筆し、しっかりおさえてから穂先を横に向けて運筆し、最後に右肩を上げておさえ、収筆する。これにより、起筆~運筆に入るところで下にこぶができ、また収筆のところでも下にこぶができる。 左払いの入筆から運筆のところでも同じ。
  2. 行書、草書 線をつなげること。行書は一文字一筆。草書は連続して一筆。

(2) 条幅

  1. 楷書と行・草書二体の半切を並べたとき、それぞれの上部と下部の位置を一致させること。
  2. ここを見てほしいというポイントを明確に。

(3) 名前の位置等

  1. 楷・行・草書で名前の位置があっていること
    全体のバランスを見て書くこと。字の間の左側空面積の真ん中に書くこと(左側1/4のところに機械的に書くわけではない)。
  2. 半切の紙の種類、長さが二体で変わらないこと

2.次期3月検定に向けて

  1. 裏筆の使い方をマスターすること
  2. 行・草書の流れ
    墨の濃淡を出すこと。カスレるべきところをカスレさすこと(途中で墨をつけない)。たとえば草書「寿」の点で墨をつけてはいけない。
  3. 名前の位置 名前の字の大きさは変えてよい。たとえば「三景」、「朱王」の「三」、「朱」を強調して、大きくするなど。

3.作品展の指導

  1. 色紙
    色紙一杯に書くわけではない。余白を作り、メリハリをつける。
  2. 条幅の1/4
    たとえば5文字の場合、最初の二文字をおおきく、三文字を小さくして、左に名前を書くというように。
  3. 「書く」と「書き込む」の違い
    ・「書く」は手本通り書く。これだけだとうまくならない。
    ・「書き込む」は幾種類の書き方で書く、変化をしながら書く。全体のバランスを考えながら書くというような工夫をする。

◇ 実技指導

引き続き月例課題の実技指導が行われた。

(出席者 7名)(榎 記)


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第102回例会(平成25年9月19日)

2013年10月05日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.結構

 結構は文字の形。印刷字と書道の字体の結構は異なる。たとえば「右」、「有」、「方」は書道では逆三角形。「欠」も単体と「歌」のつくりの「欠」では異なる。「仁」も「二」に「人」偏がついて結構が変わる。「心」、「忠」は外の点が中に入ってはいけない等々。

2.草書

 隷書から生じた。したがって楷書、行書から連想できない草書字がある。
 例 「有」、「幸」、「愛」等々

3.対聯(ついれん)

 漢詩の2行詩で、去年-今年、来―去、秋―春など、対になっている表現が織り込まれている5言または7言詩。来客が読めるような漢詩。お茶席などでの掛け軸に使われる。

4.寸松庵色紙(茶室の掛物)

 かな古筆三色紙の一つ。もとは冊子本で分割して鑑賞するようになり、色紙になった。堺の南宗寺に36枚あって、優れたかなであることを発見したのは茶人の佐久間真勝で、そのうち12枚を得て、大徳寺内に子庵を建て、そこに茶室をつくって、寸松庵と名付けたのが名前の由来。古今集の歌が書いてあるので、紀貫之が筆者といわれてもいるが、見事な散らし書き、変化の多いかなから見て、院政時代の書蹟と考えられる。

◇ 実技指導

 秋の昇段検定の締め切り真近のため、9月の規定課題に加えて、各人の検定課題作品に対する熱心な実技指導が行われた。 今回は会員メンバー11人全員出席。

◇ 配布資料

 寸松庵色紙(茶室の掛物)伝紀貫之1枚

(出席者 11名)(榎 記)


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第101回例会(平成25年9月5日)

2013年10月05日 | 例会報告

◇ 先生の講話

 昇段検定(9月末)を控えて、検定課題(「楽壽」の楷・行・草書の三体)の書き方のポイントについて、解説いただいた。

1.半紙

 初段から三段までは楷書、行書、草書の基本が出来ていればよい。楷書の基本は点画がきちんとしていること、行書は1文字がきちんと書けること、草書は二文字が連続して書けること。字の実線,虚線が間違いがないこと。
 基本通りに書くことが大事。行・草書になると裏筆、割筆(カスレ線)が大事。これがなかなか出来ないが。半紙でも八段まである。

2.条幅

 実際には半折(半切)。①楷書と②行書または草書、の二体を書く。八段以上はこれに隷書が加わり、楷・行・草・隷の四体を書く。条幅は六段までは条幅の基本(習字)でよいが、六段以上になったら、自分らしさ(見せどころ、流れ、かすれ、他人が見ていい作品)を出す、自分の字が書けている書道でなければダメ。八段以上になると勝手な自分の字ではダメ。何を臨書したかが問われる。全部がOKになれば十段。
 六段以上はお習字ではダメ、手本通りではいけない。自分の字を書くこと。個性があっていい。たとえば米フツの太い線、細い線で流れがあったりかすれがあったりをメインにして条幅を書くという風に。条幅にはうまければいいという判断基準はない。作品としては自分の個性を出す、臨書したものから自分のものを見い出すのが大切。

3.検定課題の点画指導

 右図のとおり

◇ 実技指導

 引き続き昇段検定課題の実技指導が行われた。









(出席者 6名)(榎 記)


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