日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第74回例会(平成24年3月)

2012年04月08日 | 例会報告

1.3月期検定受験に伴う特別指導(3月1日)

2月に引き続き、3月期の段位アップのための検定受験対策として、特別指導が行なわれた。また、非受験者については、点画の基本について指導が行なわれた。

(出席者 8名)

なお、指導に先立って、次の通り先生の講話があった。

○ 練習にあたって、常に楽天的な(今回は駄目なら、次回にかける、といった)発展を考えること。

(1) 行き詰まったときは、最大の努力をしたかどうか、自問してみる。
(2) 何を直せば、次の良さに繋がるか、を考えてみる。
(3) 書は、集中的にかつ短時間で仕上げること。
(4) 基本は何かを勉強していく。
(5) 「これでいい」というのは、あきらめと同じ。

○ 検定について

(1) 半紙のみの検定(3段まで)は、楷書、行書、草書の3体だが、点画の太さ、細さ、大きさ、それに自分の書体か、をみられる。
(2) 半紙の他に条幅が入ってくる検定(4段以上)は、書の上下、字の中心が揃っているか、極端な大小がないか、等を注意する必要がある。

○ 点画について

「線質」を良くすること。楷書では、区切を明確にすること。行書では、点画が続いていること。草書では、裏筆を生かすこと。いずれにしろ、うまい字でなくても一生懸命さがあるほうが良い。

 

2.例会日〈3月15日〉

指導に先立って、先生から次の講話があった。

○ 歴史的に文字をみると、

(1) 甲骨文
(2) 金文
(3) 石刻文
(4) 六朝体(龍門、墓誌銘、張猛龍碑)
(5) 唐 代(隷、楷、行、草、の完成)
(6) 宋 代(独創性のある書体)
(7) 明 代(派手やかさがある)
(8) 清 代(知的な格調の高さがある)
綺麗な字は、唐代のもので、教材として使われている。活字体は、唐、宋代のものである。
展覧会で使われている書体は、ほとんど明、清代のもので、かなり個性が強い。

○ 空海の書

宋代の独創性のあるものとなっていて、側筆(寝かせて書く)を使う。これまでに、空海ほど勉強した人はいないのではないか。中国人は、だいたい筆の上部を持って書くが、この方法では、空海のような字は無理だろう。

○ 書は、永く付き合うことが大事。

各自が、自分なりに何かをつかんでいく。漫然と書くのでは駄目で、考えて書く。壁にぶちあたった時は、どうやって越えるか、それだけを考えること。

○ 習字はうまくても、書道ではない。

習字は、住所や名前を綺麗に書くことから始めるが、これは初段~3段くらいで完成する。それ以上(4段以上)となると、条幅が入ってくるが、これは習字では駄目である。うまく書くことよりも、深い字(滲んでも良い)を心掛けること。8段くらいになると、隷書が入ってくる。10段は、自分の字で、4体(隷、草、行、楷)を書くことになるが、自分勝手の字では駄目で、誰かの書を手本とする。
書道では、1つの偏、1つの旁等で三つぐらいの書き方を覚えておき、常にそれを書けるようにしておく。3種類用意しておけば、書きやすくなる。(具体例をあげて、説明があった。)

講話に引き続き、4月の規定課題「於 九 師 多 士」の作品および各人ごとの随意作品について、個別に添削指導が行なわれ、さらに指摘をふまえた実習指導が行なわれた。

(出席者 10名)
(森 記)


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