日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第91回例会 (平成25年2月21日)

2013年02月26日 | 例会報告

 本日の例会に村越泰雄さんが見学に来られ、来月から入会されることとなった。

◇ 先生の講話

  1. 宇治橋断碑
     配布された「宇治橋碑(宇治橋断碑)常光寺(橋寺)」の資料により説明を頂いた。
     「宇治橋断碑」は日本で一番古い石碑で、寛政元年に宇治橋に近い常光寺の境内で、碑身の上部三分の一が発見された。欠けている下部の三分の二の文字は寛政5年、名古屋の泰鼎(はたかなえ)により補刻され、同寺境内に再建された。
      碑文は元興寺の僧、道登が大化2年(646年)に宇治川に橋を架けた由来を記したものである。この碑文の上から三分の一の書体は、六朝風(今の楷書になる前の書き方)で古雅であり、結構は規模が大きく、点画はのびのびとしていて筆力がある。

  2. 永字八法の縦線(第89回例会の続き)
     縦線についてかなりの人が、起筆から縦線へ移るときに、筆を立てていない。入筆したままで下に線を引くから、線に表(墨が付いた綺麗な線)、と裏(かすれた線)ができる。
     このことを白板に図示しながら指導、注意が行われた。
     「起筆」:は筆の穂先を斜め上から45°の角度で入筆する。
     「運筆」:は起筆後、筆を立て(穂先が上を向く)真っ直ぐに引く。縦線の太さを決めるのは、筆を立てた時の穂先に入れる力加減。(注 線は中間を太くする場合もある。)
     「収筆」:は縦線の最後がばさばさ状態になるので、この後処理方法を2種類白板に図示により説明された。
     ここまでは習字の基本であるから覚える。

  3. 草書
     現在日本で使われている書体は.篆書、隷書、楷書、行書、草書、かな2種類がある。
     草書の成り立ちをかなりの人が理解していない。草書はその形を単独で覚える。

◇ 実技指導

 講話に引き続き、検定試験課題「遊心」、規定課題「大矣哉然後」および各位の随意課題作品について長時間にわたり、朱書きによる懇切丁寧な添削指導が行われた。

◇ 配布資料

 「宇治橋碑(宇治橋断碑)常光寺(橋寺)」 提供 小林碧雲先生

(出席者 村越泰雄さんを含め11名)(篠原 記)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第90回例会(平成25年2月7日)

2013年02月12日 | 例会報告

◇ 先生の講話

  1. 3月期検定試験について課題と主な注意があった。
    ●三段~準六段は
    半紙に「遊心」の2文字を楷書、行書、草書の三体を書く
    条幅に「山河四望春」の5文字を楷書、行書の二体で書く。
    ●六段~準八段は
    半紙に「遊心」の2文字を楷書、行書、草書の三体を書く
    条幅に「山河四望春」の5文字を楷書、草書の二体で書く。
    そこで、半紙に書く「遊心」について、白板に1文字ずつ皆が間違い易い「シンニョウ」の書き方、「心」の字の各点画を上の伸ばした延長線が1点に集まる様に意識すること、2文字の上下のバランス、墨付け、カスレ、後処理、など。

  2. 書道で使う印
    ●雅印(作者印)
    白印と朱印の2種類がある。
    白印:印の文字を凹型に彫り、白く印字される。
    朱印:印の文字を凸型に彫り、朱で印字される。
    雅印を押す場所は、作品の最終行の左側(最終行の字とのバランスをとりながら押印)
    ●遊印(引首印、関防印ともいう)
     彫りこむ文字は本文に対して関連のあるような語句にしておくと汎用出来て便利。例えば、「蘭菊」、「求平和」、「福寿海」、「永壽」などはどんな本文にも合う。これを押す場所は作品の右上が望ましい。

  3. 孔子「論語」第7篇「述而」(じゅつじ)について解説を頂いた。
    黙而識之「黙して之を識(しる)し」 黙っていて心に深く知り。
    学而不厭「学びて厭(いと)わず」 学んであくことがない。
    誨人不倦「人を誨(おし)えて倦(う)まず」人を教えて怠らない。

◇ 実技指導

 講話に引き続き検定試験課題「遊心」の2文字を、各人が共通お手本を参考に楷書、行書、草書で書いた作品を、先生が先の講話を念頭に懇切丁寧な朱書きによる添削指導が行われた。その際各位は自分の作品との関連について注意深く観察を続けた。
(出席者8名)  (篠原 記)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第89回例会(平成25年1月17日)

2013年02月01日 | 例会報告

◇先生の講話

新年の挨拶を交わした後、講話を頂いた。
  1. 基本点画の運筆がまだまだできていないとして、いわゆる永字八法の内の横画を例に、穂先の向き、運び方を白板に図示しながら、次のとおりの指導、注意が行われた。
    (横画についてかなりの人が、起筆から横へ移る場合これまでも再三指摘してきた「こぶ」ができていない、また線の太さが一定していない、さらに収筆の後処理ができていない、⇒ これを早く直すようにとの指摘)
    「起筆」は、筆の穂先を斜め上から45°の角度で入筆する。
    「運筆」は、起筆の後、筆を起こし穂先45°状態で、同じ太さ、同じ速さで右横に引く。
    「収筆」は穂先を45°位置に残しておいて、力を止める。ただしこのままでは筆を止めたところがばさばさ状態となるので、後処理として、45°状態の穂先を上に向け、力を入れて揃え、ばさばさを消す。(段になっていない人はここまできちんと覚える。)

  2. 「隷欠」~篆書にあって隷書にない文字。
    花 (ハナ)
    晴 (ハレ)
    希 (キ)
    喜 (キ)
    睡 (スイ)
    これらの文字は篆書の書体はあるが隷書の書体はない。したがってこれらの文字を隷書風に書き表す時は楷書的な書き方、篆書的な書き方の二通りの書き方がある。

  3. 「米」の字を使った漢字
     辞書にあって学校で教えてない、m(メートル)を漢字にしたのもある。
    釈  シャク
    糎  センチメ-トル
    粁  キロメ-トル
    麹  コウジ
    粧  ショウ、メカシ
    粕  カス
    などがある。

◇実技指導

講話に引き続き2月の規定課題「絹流而為海」および各位ごとの随意課題作品について懇切丁寧な朱書きによる添削指導が行われた。
(出席者10名)
(篠原 記)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする