◆先生の講話
1.草書
①草書の書としてまず学ぶべき古典は、王羲之「哀禍帖」、「得示帖」、「初月帖」、「思想帖」、顔真卿「祭姪稿」、孫過程「書譜」など。
②王献之「中秋帖」、智永「真草千字文」、虞世南「積時帖」なども著名。
③ほかに懐素「大草千字文」、黄庭堅「杜甫寄賀蘭銛詩」、米芾「元日帖」、祝允明「前赤壁賦」、董基昌「七言詩冊」、黄道周「五言詩軸」、王鐸「杜甫詩巻」、傳山「孟浩然詩」なども挙げられる。特に条幅を書く人は王鐸、傳山の書は参考になる。
④日本の草書古典としては、空海「座右銘」、橘逸勢「伊都内親王願文」、藤原佐理「国申文帖(くにのもうしぶみじょう)」、藤原行成「本能寺切」、良寛「五言対句」など。空海、逸勢の字は唐風が残っている。いわゆる「和風」の書体になるのは佐理、行成あたりからか。良寛の字は結構間違っている。そっくりそのまま書くのでなく、よく字を調べた方がよい。
⑤草書の字は、違う字なのによく似た形のものがある(図参照)。どことどこが似ているかどこが違うか、よく押さえておくこと。分かっていないのに適当に書くのはNG。字典でよく確かめること。
◆実技指導
前回に引き続き、
①ひらがな“な”、“ぬ”、“ね”の書き方、
②横画を何度も繰り返し縦方向に書いていく場合の筆運びや指のまわし方、について熱心な実技指導を受けた。その後引き続き月例課題等の実技指導を受けた。
(出席者 6名 荻野記)