日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第94回例会(平成25年4月4日)

2013年04月11日 | 例会報告
◇ 先生の講話

1. 先生から、「これまで結構について再三説明してきているが、各自の作品をみると、依然理解できていない人がいるので、同じことを繰り返す」として、次を例に結構のポイント説明が行われた。

● 漢字の偏と旁の位置関係
・偏の上下に対して旁の上下が短くなるもの
  例 和
・偏の上下より旁の上下が下に位置するもの
この場合、明朝の印刷文字では漢字全体を真四角の形にするので、偏と旁の本来の位置関係の形にならない。
  例 即 ⇒ 明朝印刷文字では、即と真四角の形になる

● 偏の竪画と横画の交点の位置関係
一文字として書く場合の竪画と横画の交点の位置関係と、その一文字を偏として書く場合とでは、交点の位置が違ってくる。
例 木(一文字)と林(偏とした場合) ⇒ 偏の竪画と横画の交点は、左側が右側より長くなる。

● 偏と旁の譲り合い
偏と旁の画数の数や形の違いに応じて偏のはねやはらいの位置を選び、字全体としてのバランスをとる。
例 泥 ⇒ 偏のさんずいのはねと、つくりの左はらいとのバランスをとるため、一旦さんずいの三画目をはねた後、左方向へ寄せるように書く。

● 以上を含め、名だたる書家によるいろいろな書き方があり、1つの字について少なくとも2、3通りをマスターすること。またそのうちの1つは自分の個性を表現するものとなるように工夫すること。

2. 日本の書に影響を及ぼした中国書家の二つの潮流

 日本の書に影響を及ぼした中国の書家には、王羲之と、顔眞卿の二つの潮流がある。顔眞卿は王羲之の後の生まれだが、楷書では有名。看板屋のような固い字が特徴。2人の違いの例として、人偏のはらいの最後の部分を外側にはらうか、内側(つくりの側)にはらうか、がある。

◇ 実技指導

この日は出席者が少なかったために、普段各自が不得手に思っていることを中心に、手をとっての直接熱烈指導が行われた。

(出席者 4名)(谷田貝 記)

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第93回例会(平成25年3月21日)

2013年04月07日 | 例会報告

 冒頭、現役員の任期が年度末で終了するため、役員の交代について出席者の間で認識合わせを行った。役員の任期は原則2年で持ち回りとしているが、メンバー各位の高齢・本人の都合・体調等を考慮し、継続可能な人については重任して貰うこともある。また今回選任される役員について、事情によっては1年後に変更もありうる。以上のことを出席者全員で了解した。

◇ 先生の講話

永字八方の1つ「はね」について

「永」字には点や横線・縦線・はね・はらい等、基本点画が集約されているが、今回はそのうちの「はね」の運筆について説明があった。
縦線の収筆のあと右上に「はね」ることになるが、これは「はねる」のではなく収筆から筆の腹をもちあげてしゃくるように筆を動かす。
「はね」は「はねるな」ということである。(白板にて図解説明)

・書道展の種類について次のとおり解説があった。

1.日展(「日本美術展覧会」)
最上位の書展。公募制をとっており、誰でも応募できる。ただし入選確率は10人に1人か20人に1人程度。

2.日本の書展(文化庁主催)
日展に次ぐ。文化庁主催。推薦がないと出品できない。

3.新聞社展
新聞社が主催する書展。著名なものは読売展、毎日展、産経展など。入選確率は40~50%。地方紙が主催する書展もある。

4.分野別書展
官公書展(各官公庁の職員)、観光交通書展(JRを中心に交通・観光業関係)、JA全国書展などがある。

5.会派展
書道各会派ごとに全国規模または地域ごとの書展を開いている。著名な会派としては謙慎、書芸、教育書道、書星などがある。入選確率は80%程度。

6.社中展
書道会一門の書展。落選はなく、出品した作品は全て展示される。

7.作品展
書道グループの作品展。個展もある。

・検定について

今回の検定試験に出てくる文字「四」、や「口」の書き方について白板にて図解解説があった(「四」の左右の縦画は最後の第5画の横画よりも下に突き出ること。「口」の第1画縦画は第3画横画よりも下に出ること、その第3画横画は右の縦画よりも右に出ること)。

◇ 実技指導

講話後、今月の月課題「知達學之為」を各人が書いたもの、及び検定試験課題「山河四望春」の提出者の作品の添削が行なわれた。

(出席者10名) (後藤記)


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