日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第110回例会(平成26年1月16日)

2014年01月24日 | 例会報告

◇ 先生の講話

 春の検定試験が近づいてきつつあるが、六段以上の昇段は五段までとは違い難しいので、指導にも力を入れるがより一層の努力をして欲しい。

1.クセ字で性格がわかる

 クセ字で一般的には次のような性格が分かるとされているみたいである。紹介しておくが気にすることはない。

・右上がり : 頑固な性格?
・右下がり : 真面目さにやや欠ける?
・判読困難の字 : 少し自分勝手?
・丸っこい字 : 成長段階の性格?
・細かく小さい字 : やや神経が細かい?
・活字体風の字 : 個性が少ない?
・毛筆風の字 : 見栄を張りたがる?

2.漢字を上手くみせるポイント

  1. 縦長に書くとよい。欧陽詢の「九成宮禮泉銘」は台形の字形で、日本ではこの字形を平安時代から取り入れており明治以降もメインにしている。なお、中国では王羲之や顔真卿の字形を重視しているようだ。
  2. 画数の大中小によって大きさを書き分ける。例:襲、鑑⇔一、乙。
  3. 斜線のある字の左右の斜線は45度がよい。例:「全」。
  4. 縦画、横画が重なる字:縦画または横画の間隔を均等に。または真ん中を狭くしてもよい。例:「目」、「榎」。
  5. 複合体の字:真中を広くする。例:「樹」、「算」。
  6. 結構を意識して書く。この際書き順に注意することも必要。例えば「司」と「可」の縦画はハネる方向が違う。「司」の縦画はハネてから一へと移るので上へハネる。一方「可」の縦画は最後の点画であり、下におりてきてから左斜め下に払う。
  7. ハネとハライをキチンと正しく書く
     左へのハライには2種類ある。左斜めに線でおりてきてから払う場合と始めから払う場合がある。
     また、右へのハライは右斜め下に下りてきてから少し横に動いてから払う。

3.「之(シンニヨウ)」と「シ(サンズイ)」の基本

 「之」で注意することは、元々は5画からできていたことの理解と、最後のハネは回してから上へハネるようにする。
 サンズイの「シ」は片仮名のシとは違い、最初の線は左斜め上から入り、二本目の線は横に引き、最後の線は下から斜め上に線を引いてからハネる。

4.字の中心を揃えること

 硬筆でも字の中心を揃えることが大切である。平仮名を書く上において、例えば「は」、「か」、「や」の中心が分からない時は漢字を紐解くとよい。「波」、「加」、「也」。
 また、「二」、「三」など基本となる字も理解してほしい。例えば「二」:手、車、空などに注目。「三」:生、青、王、五、春などに注目。

◇ 実技指導

 講話の後は各自が書かれたものを添削指導された。

(出席者 10名)(因泥 記)


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第109回例会(平成26年1月9日)

2014年01月23日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.硬筆の練習

  • 書道の勉強とともに日常使う硬筆の勉強もしたいという気持ちをもっている人については、実用書の本で勉強して欲しい。
    実用書の基本もお習字の最初と一緒で楷書、行書が基本になる。
  • 硬筆固有の勉強は実用書でやる。たとえば「美しい実用書」。
  • 実用書の場合も毛筆同様、中心線をあわせること。 中心線を見つけやすい字(例:洋)、見つけにくい字(例:武)がある。
    なお習字と同様、結構を覚えること。

2.毛筆(楷書)の基本:例えば「三」を書く場合

  • 上側の横の一は手(親指)で押し込む。上にそり気味にひく。
  • 真中の横の一は真横に引く。
  • 下側の横の一の収筆には下側にコブがあるくらいが良い。
    なお、「八」などの払う形の字は、左側は細めに右側は太めに。

3.行書、草書の連綿体の書き方

  • 一文字を続けて書くこと。
  • 筆を紙から離さないこと。
  • 連綿体は偏と旁の基本が分かるようになること。

◇ 実技指導

各自の不得手な基本点画について、手をとっての指導が行われた。

(出席者 9名)(因泥 記)


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第108回例会(平成25年12月19日)

2014年01月20日 | 例会報告

◇ 先生の講話

1.個人別指導

 「新しい年の指導は、各人のレベルに合わせて次を重点に行う。各人もこれに応じてさらなる練習努力に励むように。また臨書については、楷書、行書として今年は各々何を選ぶかなど、体系的時系列的視点に立って取り組むように。」とのお話があった。

八段以上・条幅の臨書に重きをおく。
六段以上・半紙の規定課題の字は自分で書くこと(先生のお手本なし)。
・臨書を勉強し「形臨」から「意臨」にまで進む努力を望む。
三段以上・毎月1回 条幅を書き提出すること。
初段以上・半紙に楷書はもとより行書、草書も書けるように努力する。
・行書、草書は意識的に実線、虚線、太線、細線、裏筆の使い方の勉強。
段の前の人・線の引き方、点画の基本。
・たとえば漢字の 「一」と 単なる横の「一」との違い。漢字の「一」は曲がるが横の「一」は真直ぐである。練習方法としては半紙一枚に 横線を10個位 同じ太さで同じ長さで引くとよい。
・偏と旁のある文字は墨を途中でつけずに一筆で書く。

2.かすれ線について

 かすれ線の引き方にもいろいろある。

  1. 墨の量が多くついた筆でも早く引けばかすれた線を引くことができる。
  2. (ティッシュなどで)墨を落とし平均した速さで引く。
  3. 始めから筆を割って穂先だけでそっと引く。
  4. 割筆で荒っぽく筆に力を加え押しながら引く。

3.升色紙(今回でかなの勉強は終わる。)

 升色紙はかな書の名品の一つ。字は良く、散らし方等工夫されたすぐれた書跡。藤原行成筆と伝えられているが、藤原行成の書跡とは認めがたい。時代考証から、行成の孫伊房の時代の書とみられる。

◇ 実技指導

  • かすれ線のお手本にて実演。
  • なお、墨の量を多くして早く引くことで力強く威勢の良い線が引ける。展覧会などでは評価される。

◇ その他

 お稽古終了後、先生を囲み忘年会を和気藹々と行った。一年間の墨の垢を落とすと共に来年も元気で挑戦する意気込みが自然と飲む方にも力が入った感があるものの一年間の幕を無事しめた。

(出席者 9名。見学者1名)(因泥 記)


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