日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第2回作品展模様

2012年12月17日 | 作品展

 書道愛好会では、日比谷同友会事務局およびNTTコミュニケーションズ(株)様のご支援・ご協力を得て、平成24年11月26日(月)~30日(金)の間、日比谷ビル地下1階において、第2回作品展を開催しました。

 3年前に日比谷同友会創立40周年記念行事の一環として、絵画、俳句、写真サークルと合同で開催して以来の作品展で、入会1年前後の新しい会員3名を含め全員が出展しました(条幅6点、1/4条幅5点、色紙11点)。

 作品のほかに、入会ご希望の方へのご案内として、例会日に講師から手をとって指導を受けている会員のスナップ写真や、入会1年前後の間の上達振りを示した作品(入会直後(before)と1年経過後(after)の作品とを比較したもの)なども展示しました。

 期間中日比谷同友会会員のほか、出展者の知人や勤め先関係の方、指導講師(小林碧雲先生)の門下生など多くの方にご来場頂き、第1回のときと比べた上達振り(?)のコメントを頂いたり、その後入会された新しい会員の意欲的な作品を見て頂いたりしました。

 また書道を習いたいとする方からのお問い合わせは、0Bのみならず、日比谷ビルに勤務している現役の方からも頂き、このうち入会や見学の準備を進めている方もおります。なお、OB、現役の方で、例会日出席が困難な場合は、講師との間で郵便による指導(通信添削)を受け、時間のあるときに直接指導を受けるということも可能です。ご遠慮なくお問い合わせ下さい。

(担当:荻野 電話090-3229-0782、メールoginos@rondo.ocn.ne.jp)

出品作品を以下に条幅、小条幅、色紙の順にご紹介します。

(書式)条幅

(読み)春水(しゅんすい)四澤(したく)に満つ
(説明)春の雪解け水が四方の澤に満ちている

(作者)秋澤 禎祥
(書式)条幅

(読み)さんぽういちりょうとく
(説明)自分だけの得を考え、独占的に事を進めるべからず (真藤先生の御教え)

(作者)因泥 朱王
(書式)条幅

(読み)善を積みて福を成す

(作者)荻野 秀栄
(書式)条幅

(読み)満堂の和気、嘉祥を生ず
(説明)座敷一杯の和楽の気で、めでたき気が生じる

(作者)篠原 十全
(書式)条幅

(読み)春宵一刻 値千金 花に清香有り 月に陰有り
(説明)「春夜」  蘇軾(そしょく)詩

(作者)谷田貝 寧
(書式)条幅

(読み)蘋(うきぐさ)の風は袖を吹いて清(すず)し
(説明)「山行即時」  王質詩

(作者)小林碧雲講師 特別出品
(書式)小条幅

(読み)楽しみは一椀(いちわん)の中(うち)に在り
(説明)茶の湯は一椀の中に全ての楽しみ喜びが詰まっている

(作者)秋澤 禎祥
(書式)小条幅

(読み)流水先を争わず
(説明)水が高きから低きに流れ落ちるような自然さで行きたいものだ

(作者)荻野 秀栄
(書式)小条幅

(読み)歳月、人を待たず
(説明)歳月は川の水のごとく、過ぎ去って二度とこない。今日、只今を有効に生きるべきである。

(作者)篠原 十全
(書式)小条幅

(読み)飛龍天に在り

(作者)谷田貝 寧
(書式)小条幅

(読み)かちょうふうげつ

(作者)小林碧雲講師 特別出品
(書式)色紙

(読み)いちりゅうひゃくぎょう
(説明)一粒の米粒は百の行程を得て出来る

(作者)因泥 朱王
(書式)色紙

(読み)老いては益々壮なるべし

(作者)榎 碧山
(書式)色紙

(読み)分を識りて足るを知る

(作者)榎 碧山
(書式)色紙

(読み)
(説明)NHKテレビ「梅ちゃん先生」をヒントに

(作者)荻野 秀栄
(書式)色紙

(読み)はな

(作者)後藤 虹星
(書式)色紙

(読み)秋深し

(作者)篠原 十全
(書式)色紙

(読み)たいりょう

(作者)田中 斎
(書式)色紙

(読み)じょ
(説明)思いやりの心  孔子の言葉

(作者)三田 清
(書式)色紙

(読み)浩然(こうぜん)

(作者)三田 清
(書式)色紙

(読み)わどう

(作者)森 純通
(書式)色紙

(読み)しゅんじゅう

(作者)森 純通

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第87回例会(平成24年12月6日)

2012年12月13日 | 例会報告

 今日は次回の段位検定試験(平成25年3月31日締め切り)の課題が未発表であることから、半切の受験対策指導は行われなかった。

◇目標とする段位

 墨心書道研究所による先の10月期検定結果については受験者全員がパスし、墨心誌新年1月号に昇段後の新段級位が掲載された。
 なお、先生からは、「検定受験を強制するものではないが、書道を学ぶのであれば、小学生向けの「師範」免状を手にできる六段をめざしてはどうか」とのコメントがあった。

碧雲先生の講話

 今日は基本的なことを少し教えたい。
  1. 雨冠(アメカンムリ) : 皆がどうしても間違える、先ず雨の字の上の横画の引き方は漢字の三の上の横画と同じで45度に入筆したらそのまま右へ運筆する。
    間違いは漢字の三の下段の画のように45度に入筆してから筆を起こして右に運筆している。次に雨の右肩のハネはハネルのでなく、左斜め下に向けて線を書いてからハラウ。
  2. シンニュウ : 点の後数字の3を書く人がいるがこれは4画の字である。
  3. 寸(スン) : 間違いは横画の次の縦画を引いてハネているが「ハネはハネルな」の格言のように、縦画を引いて、一度筆を上げてから斜め左上に線を引いてからハネルのが正しい。すなわち寸の字は画数でいうと4画になる。
  4. 永(エイ) : 「永」字八法と云う書法がある。
    永の字を分解すると八ツの書法がある。それぞれ似たようで違うので一つ一つ覚えるとよい。

実技指導

 講話に引き続き、今月の課題「匱以成山導」(孔子廟堂之碑 唐時代の虞世南書)について各人が書いて持参した作品を懇切丁寧な朱書き添削による指導が行われた。この中で「導」の字は先の講話であったシンニュウと寸の字が直ぐに応用が出来、その場で書いて指導を受ける会員もおられた。

配布資料

 本日の基本点画に関する注意について、各自の練習手本として、出席者が見守る中で書き起こされた。共通的に間違いやすい例として、「山」、「永字八法」、「しんにゅう」、「横画・縦画、はらいなど」の4点。

(出席者 7名)
(篠原 記)


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第86回例会(平成24年11月15日)

2012年12月01日 | 例会報告

1.碧雲先生の講話

究極的には「日本の文化」としての書道を教えたい
書道は中国、韓国、日本、台湾みな同じ。
しかし「文化としての書道」は国によって異なる。中国では、「バランスの美」がいいと思われるのに対し、日本、韓国では「アンバランスの美」が追求される。(具体的に「虹」という字を例に取り四角い枠の中に納まるバランスのよい中国風の字と、枠からはみ出る書き方のアンバランスな字が示された。
最終的には感性の問題になる。書道展などを鑑賞して、アンバランスの美に対する感性を磨いておくとよい。
看板書きと書道は違う
11月26日(月)~30日(金)の期間開催する作品展用の先生自筆による看板「日比谷同友会書道愛好会 第二回サークル展」の文字を示しながら、看板としての書き方と書道としての書き方の違いについて説明された。
看板として書く場合の要点は、墨のカスレや割筆などの用法は用いないこと、また字の間隔や余白、字の大小などを使い分けるアンバランスな書き方、書風は用いないこと、との指導が行われた。
漢字の成り立ち
最初は金文、石鼓など篆書系の象形文字が作られた。
例えば「東」は「木」の間に「日」が昇っているのを組み合わせて文字が出来た。同様に「南」はその当時の住居の表玄関を表わす形から、その表玄関が向いている方向の意味になった。「北」はその反対で北側にある開き戸の出入り口の形から作られた。「西」だけはこれらと異質で、死者が甕棺の中で座っている形から作られた。
次にこれらの組合せで出来る文字が作られた。例えば「意」は心に思っていることを立って言うことを表わす。中心にある「日」は正しくは「曰く(いわく)」の字。ほかに「森」なども組合せで作られた文字。

2.実技指導

 講話に引き続き、今月の課題「玉巳彫資覆」について各人が書いて持って来た作品の懇切丁寧な朱書添削指導が行われた。また今回は、上述作品展に出品する作品を選定して頂いた会員もあった。作品展に掲示する教室での指導風景などの写真撮影も行われた。

(出席者 9名)
(荻野 記)
教室での指導風景

みんな揃って(1名欠席)

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第85回例会(平成24年11月1日)

2012年12月01日 | 例会報告

1.碧雲先生の講話

書道学習のプロセスとして、まず初段までに「半紙」に楷書、行書、草書を一通り書けるようになること、また初段入段後はこの3体に磨きをかけるとともに、3段になった段階では「条幅」が書けるようになることが求められる。さらに6段になるとお手本がなくても半紙、半切ともに書けるようになること、8段以上になると「隷書」も書けるようにならなければならない。
 一方、書体は楷書、行書、草書、隷書以外に、漢字・かな混じりで書く日常的な「実用書」、同じ漢字・かな混じりでも展覧会向けで創作性が大事な「調和体」、またいわゆる「散らし書き」の「かな書道」などがある。この辺のことも理解しておくことが肝要で、楷書、行書、草書が一通り書けるようになったからと言って、たとえば「調和体」を書こうとしても、ムリ。矢張り調和体としての学習を基本から始めないと作品にはならない。かな書道についても同じ。
以上に引き続き、紙の大きさと書体の関係について先生より改めて、講義が行われた。
(前提として紙の大きさ・種類と書体とは必ずしも関連しない)
ア)紙の種類は以下の通り
 ・半紙
 ・条幅(半折、特半折(謙慎2部)、全紙、特別サイズ)
 ・特別紙
イ)書体
 ・楷書 ・行書 ・草書 ・隷書・篆書
 ・かな書道
 ・調和体
 ・実用書道
 ・教育書道(文科省)、字を覚えるための基本の書体
先生より書体の種類に関わらず、実力の向上を目指すのであれば、条幅が書けるように練習することを勧める、とのお話があった。

2.実技指導

先生が作品展用の作品に「落款」を押す場合、その位置、押印方法について、実演を交えながら指導が行われた。
引き続き各人の課題作品について懇切丁寧な朱書添削指導が行われた。
(出席者 9名)
(田中 記)

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