1.3月期検定受検に伴う特別指導(2月2日)
会員各位の段位のアップに伴う検定受検対策として、昨年10月期検定から例会(第3木曜日)の他に特別指導日を設け、半紙3体(楷書、行書、草書)および半切2体(楷書、行書)の特訓に励んできたが、来る3月期検定対策として2月と3月の第1木曜日に特別指導日を設け、この日も希望者が参加した。
3月期検定の課題は、半紙3体で「花意竹情」、および半切2体で「臨池擬墨書幅」で、それぞれ添削指導を受けた。
なお、添削指導に先立ち、先生から級位、段位の目安としておよそ次の説明と指導が行われた。
● 級位の間に、「習字」としての楷書、行書、草書の基本をマスターすること
● 3段までの間に、半紙による楷書、行書、草書の基本に磨きをかけること
● 4段から8段までは、条幅による楷書、行書が加わり、習字から書道へと進化していくことが必要。このため、アンバランスの美とか、元気さや丸味が備わってこなければならない。また草書の場合、次の字とのつながり、いわゆる「連綿」も大切なポイントになる。
2.例会日の指導(2月16日)
冒頭、先生から各位の永年の癖を正しいものに直すよう、具体例に沿って指導が行われた。(主なもの)
● まず結構についての正しく理解するよう指摘があり、「結構」とは「構えを結ぶこと」で一つ字の中で偏と旁、上部と下部とを別々に分けて書いてはダメと強調。
例えば「奈」の場合、「大」と「示」を上下に別々に書いてはダメ。「大」と「示」が譲り合う形で、「大」の下部に「示」の上部が入り込むように書く。
また。「泥」の場合、偏の「さんずい」の下から右上へ跳ね上がる線と、旁の「尼」の左下へ伸びる竪画とがぶっつからないように書くのが正しい。
● 次いで印刷文字の形、結構と、書道本来の形、結構との違いに触れ、「印刷文字」は原則的に正方形の中に納まるように形作られているが、この形を書道に持ち込むと間違いになるとし、具体例として「即」(明朝体の楷書)を取り上げ、字の上部、下部ともに同じ高さ、また左右の幅も同じで文字通り正方形になっているが、書道の楷書では「即」と旁の高さが偏よりも下になっており、特に旁の竪画が偏の下部よりも下へ伸びている。
● 漢字を構成するものに「偏」、「旁」、「冠」(雨冠、ウ冠、草冠、竹冠など)、「発頭」(発など)、「まだれ」(店など)、「やまいだれ」(病など)などがあるが、書道の場合には、いずれも各点画の起筆・収筆の相互関係、譲り合い関係をしっかり見定めて書かねばならない。
次いで、3月規定課題作品「六義沛易明」および各位ごとの随意課題作品について添削指導が行われた。また、課題作品の添削指導の合間を縫って基本点画について先生が各位の筆に手を添えながらの熱烈実技指導が行われた。
(谷田貝 記)