日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第73回例会(平成24年2月16日)

2012年03月05日 | 例会報告

1.3月期検定受検に伴う特別指導(2月2日)

会員各位の段位のアップに伴う検定受検対策として、昨年10月期検定から例会(第3木曜日)の他に特別指導日を設け、半紙3体(楷書、行書、草書)および半切2体(楷書、行書)の特訓に励んできたが、来る3月期検定対策として2月と3月の第1木曜日に特別指導日を設け、この日も希望者が参加した。

3月期検定の課題は、半紙3体で「花意竹情」、および半切2体で「臨池擬墨書幅」で、それぞれ添削指導を受けた。

なお、添削指導に先立ち、先生から級位、段位の目安としておよそ次の説明と指導が行われた。

● 級位の間に、「習字」としての楷書、行書、草書の基本をマスターすること

● 3段までの間に、半紙による楷書、行書、草書の基本に磨きをかけること

● 4段から8段までは、条幅による楷書、行書が加わり、習字から書道へと進化していくことが必要。このため、アンバランスの美とか、元気さや丸味が備わってこなければならない。また草書の場合、次の字とのつながり、いわゆる「連綿」も大切なポイントになる。

 

2.例会日の指導(2月16日)

冒頭、先生から各位の永年の癖を正しいものに直すよう、具体例に沿って指導が行われた。(主なもの)

● まず結構についての正しく理解するよう指摘があり、「結構」とは「構えを結ぶこと」で一つ字の中で偏と旁、上部と下部とを別々に分けて書いてはダメと強調。

例えば「奈」の場合、「大」と「示」を上下に別々に書いてはダメ。「大」と「示」が譲り合う形で、「大」の下部に「示」の上部が入り込むように書く。

また。「泥」の場合、偏の「さんずい」の下から右上へ跳ね上がる線と、旁の「尼」の左下へ伸びる竪画とがぶっつからないように書くのが正しい。

● 次いで印刷文字の形、結構と、書道本来の形、結構との違いに触れ、「印刷文字」は原則的に正方形の中に納まるように形作られているが、この形を書道に持ち込むと間違いになるとし、具体例として「即」(明朝体の楷書)を取り上げ、字の上部、下部ともに同じ高さ、また左右の幅も同じで文字通り正方形になっているが、書道の楷書では「即」と旁の高さが偏よりも下になっており、特に旁の竪画が偏の下部よりも下へ伸びている。

● 漢字を構成するものに「偏」、「旁」、「冠」(雨冠、ウ冠、草冠、竹冠など)、「発頭」(発など)、「まだれ」(店など)、「やまいだれ」(病など)などがあるが、書道の場合には、いずれも各点画の起筆・収筆の相互関係、譲り合い関係をしっかり見定めて書かねばならない。

 

次いで、3月規定課題作品「六義易明」および各位ごとの随意課題作品について添削指導が行われた。また、課題作品の添削指導の合間を縫って基本点画について先生が各位の筆に手を添えながらの熱烈実技指導が行われた。

 

(谷田貝 記)


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第72回例会(平成24年1月19日)

2012年03月05日 | 例会報告

1.作品展の準備

今年で書道愛好会発足満7年が経過し、8年目に入るが、この間作品展を開いたのは、日比谷同友会創立40周年記念行事として同友会公認サークルである絵画、写真、俳句、書道4サークルとの合同展1回のみとなっている。会員の実力もアップしつつあることから、かねて作品展の開催を模索していたが、本日先生から会員各位の背中を押す形で、作品展の準備を促された。

先生は各位のレベルに応じ半切(簡易な表装で)、半紙、色紙などに取り組むよう示唆され、また参考文例(*)を示されて楽しんでやるのがよいとのこと。作品作りの具体的なアドバイスも行われた。例えば作品展出展が初めての人の場合でも、色紙に自分の好きな1文字、ないし2文字を選び、習字ではなく、書道らしい味を出して書き上げると結構見栄えがするものになること、その場合の大事なポイントは、線の太さ、細さ、かすれ、余白などに意を用いることで、お花に通ずるものがある、などとアドバイスされた。

(*)参考文例:「愛」、「舞」、「眞而静」、「水無常形」、「鶴舞千年寿」、「心欲小志欲大」 など

 

2.実技指導

以上に引き続き前々回から重点を置きだした基本点画の実技指導が行われ、各位のレベルに応じて「横画」、「竪画」、「左右の払い」、「横画から竪画への転切」などについて、先生が各位の手を取って、文字通り小・中学生時代に戻ったような懇切かつ熱烈な指導が行われた。各位とも永年にわたる自己流の克服に懸命に取り組んだ。

 

3.課題作品の添削指導

最後に2月の規定課題作品「藝楚詩盛於」、および各位ごとの随意課題作品の添削指導が行われた。

 

(谷田貝 記)


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第71回例会(平成23年12月15日)

2012年03月05日 | 例会報告

1.10月期検定試験の結果と各人の今後の課題

 結果については既に先生から各人に通知されているが、先生からあらためて受検者全員分について、8名中7名が飛び昇段(3階級1名、2階級6名)を果たしたとの異例ともいえる成果が紹介された。同時に各人ごとの今後の課題について、

・人を感動させるような書を目指す。

・条幅は自分の力で書くもの、自分の字、書を先生の力を借りずに書くようにする。

・深みのある書を目指す。紙に対して墨の量を増やして圧力を加えながら書く。

・力強い作品を目指すのはよい。その際細い線でも強い線を書けるに習得する。

・次期検定から条幅が検定科目に加わるので、条幅の練習を早急に始めること。

・個性のある字、自己流を押し通すのもよいが、細い線、柔らかい線を書けるように習得する。

・楷書、行書の基本、線の引き方などを基本に忠実に書けるように練習する。

・筆はペンなどと違い柔らかい。きれいな線をどう書くか、を練習する。

など、具体的なアドバイスが行われた。

 

2.実技指導

 先生は、前回から重点的な実技指導を強化されているが、今回も実例をあげて、板書しながら特訓が行われた。(主要例)

● 「八」などの斜めの線

斜めの線は収筆の手前まで直線で書くこと(まっすぐ引くこと)が大事。終端部分で左右にそれぞれ払う。ただし「春」の字の場合は、線全体が斜めとなる。

● 点と線

「之」という字の1画目から3画目までは「点」で構成されている。起筆部分から収筆に向かって細く抜くのは、文字通り「点」であろうが、長いものであろうが、すべて「点」となる。「線」とするためには、一定の幅を持ったまま収筆まで引くことが大事。例えば、「行」の偏の斜めの線は、いずれも起筆から終端近くまで同じ幅を持たせたまま引き、終端部分で払う。

● 横画からタテ画への折れ(転切)

「目」などの横画からタテ画に移る際(右角の部分)、別の線を書くように一旦折れて書き、タテ画の起筆部分を横画よりも上にする。

一方、「而」の下部右角部分の場合は、横画の上に出さずに、右肩下がりに書く。

 

3.課題作品の添削指導

   以上の後、1月の規定部課題作品「儒術遊心経」、および各人ごとの随意部作品の添削指導が行われた。

 

(谷田貝 記)


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第70回例会(平成23年11月17日)

2012年03月05日 | 例会報告

1.10月期検定試験の結果について

 受検該当者8名全員が受検、全員が見事昇段。各段への昇段のうち、3段から4段への検定科目は、それまでの半紙3体(楷書、行書、草書)に加え、半切2体(楷書、行書)の計5体となるが、この分を含め、今回から始めた特訓(月1回の例会日の他に特訓日を追加、また例会日にも通常練習の後、練習時間を延長して検定科目の特訓を実施)に励んだこともあり、好成果を上げることができた。その詳細については、本日は欠席者が多いこともあり次回12月に、各人ごとの講評とあわせて先生から伺うことになった。

 

2.今回の検定を通じての反省

 これまでも先生から毎回のように指摘されているが、要すれば段級位がアップしても依然として基礎が十分できていない、として起筆、運筆、収筆、結構などについて楷書の具体例による講義と、各人に対する実地指導(先生が各人の手を握り一緒に筆を運ぶ)を受けた。(主要例)

● かなの「お」

「お」は「於」の草書体からきている。したがってタテ画は、「お」全体の竪の中心線よりやや左となる。また、「於」と「村」の草書体はよく似ているので、「お」の点の位置などに要注意。

● かなの「ま」

「ま」は「末」の草書体からきている。上の横画の方が、下の横画より長い。またタテ画の運びにも要注意。

● 漢数字の「三」

一番上の横画は、収筆部分へ向かって上へしなるように運び、かつ終わりのところで太くする(この形を「仰」と呼ぶ)。

二番目の横画は、45度で入って筆を軽く上げ、穂先が線の中心を通るように、かつ同じ太さのまま横へ運び、収筆は押さえながら穂先を上に向けて筆をまとめる(線の両端にくびれができる。同じく「平」と呼ぶ)。

三番目の横画の運筆は、二番目と同様だが、線の両端部分より真ん中部分が上にしなるように筆を運ぶ(同じく「覆」と呼ぶ)。

● 「ウ冠」の左はらい(かんむりの「ノ」の部分)

起筆より収筆の方に力を入れて止める。また収筆部分の線の幅が起筆部分より広くなる。

● 「日」

楷書と行書では、左と右のタテ画の間の幅は上も下もほぼ同じとなるが、草書では、右のタテ画が下の方で左のタテ画の方へ巻くように狭める(草書のつもりで同じ幅に書くと行書となり、3本の横画の2番目をしっかり書かねばならない)。

● 画数の少ない字は、小さく太く書くようにする。

 

3.課題作品の添削指導

   以上に先立ち、今月の規定課題作品「良之徳降情」および各人ごとに与えられた随意課題作品の添削指導が行われた。また依然として基礎が十分できていないことを踏まえ、今回から先生が見える前に、基本点画の自主練習を行うことになった。

 

(谷田貝記)


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第69回例会(平成23年10月20日)

2012年03月05日 | 例会報告

1.先生の講義

(1) 楷書の書家 これらの書家を学ぶとよい。

王羲之(おおぎし) 日本では最も代表的。

顔眞郷(がんしんけい) 硬い字、例えば看板とかお墓の字。線の太い細いがはっきりしている。

智永(ちえい) 四角く、写経等の小字体の字にぴったり。

虞世南(ぐぜなん) 丸みのある長方形の字。

褚遂良(ちょついりょう)柔らかく行書っぽい字。

欧陽訽(おうようじゅん) 最も日本人好みで、尋常小学校以降の書道の教科書のお手本になっている。

(2) 常用漢字は2010年に改定され、2136文字ある。憂鬱の「鬱」や容貌の「貌」の字も入っている。これに関連して最近の若者の言葉の乱れについて話しがあった。

例えば「やばい」。

 

2.課題作品の添削指導

   今月の課題、検定試験の添削指導があった。

 

3.今回の出席者

   秋澤信禎、因泥武彦、榎 彦左エ門、荻野滋生、小田原勝弘、後藤洋子、篠原周二、三田 清、谷田貝 清の全会員。更に新たに森 純通さんが入会し、会員数は10名となった。

 

書道愛好会の例会は

毎月 第3木曜日 午後1時から3時半まで 

日比谷ビルB4教養室で 

開催しています。

少しでも興味のある方、是非、覗いてみて下さい。

 

総務担当は

 荻野 滋生

 電話 (044)977-7373

メール oginos@rondo.ocn.ne.jp

 

(秋澤記)


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