日比谷同友会 書道愛好会

日比谷同友会 サークル活動

第205回例会(平成30年5月17日)

2018年05月23日 | 例会報告

◆先生の講義

1.龍門「始平公造像記」を書く

これは、綺麗な楷書ができる前の時代のもので、日本の書家はよく勉強している。

・この龍門様式の字の書き方としては、「字の中心から左側が太く、右側は細く小さい」ことに留意して書くと良い。

・この龍門様式の字を勉強することにより、綺麗な楷書の字を作る過程(字の形や線の引き方(側筆と同じ))を学ぶことになる。

・墨付したらエイヤーといろいろ考えずに筆を引き、終わりは直ぐにパッと抜くとよい。

・王羲之もこの字(特に側筆法)をよく勉強した。

・皆さんも興味があれば「北魏龍門二十品(上)」(二玄社刊)を買って勉強してください。

・昔の人は、字の外枠だけを写し取って、この上に自分で字を書いてみることで、書き方の研究をした。

2.作品展について

・色紙、半紙、半切1/4、半切半分、半切を使って、これらの紙にどう書くかを自分で 考えて、面白く楽しんで書くこと。

・作品を作るということは、字を作ること。読める程度の字であればよい。太い字で書くもよし、紙の余白を生かすもよし。これは本人の意識やセンスの問題だ。

指導者は、ああしろこうしろとか、うまいか下手かは言わない。
          

(出席者10名、記録:林)


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第204回例会(平成30年5月10日)

2018年05月23日 | 例会報告

◆先生の講義

1.字をうまく書く方法

・字を大人っぽくみせるには、面長に書く。

・漢字は画数によって大・中・小に分けて書く。

・漢字の斜線は、すべて45°に書く。ただし、これは単体としての一般論であり、左右両方からの斜線は角度を変えて良い。

・ヨコ線は、10°右上方向に書くのが常識。

・ヨコ線は、細かい部分まで均等に書く。ただし、これも一般論であり、例えば「目」の真ん中の二本のヨコ線の間隔は、上下の間隔と均等でなくて書いても可。

2.課題(楷書)の基本的書法の例

以上を基本にした上であれば、本人の自己流を加えてよい。

3.条幅の書き方

・検定用の楷書は、習字で良いが、作品として書く場合は、見せ所が必要。

・見せ所とは、真ん中あたりの字をポイントにすればよい。長い線を書けば、まわりが空白となりポイントになる。  

・ポイントの字のまわりをどう表現するかは自分でよく考えること。表現方法としては、太字や細字、墨付けやカスレの表現がある。

・指導者からの添削は、1回では済まさず、2〜3回添削を受けて仕上げていく。(展覧会用では4〜5回の添削を受ける必要あり。)

・検定用でも師範を受ける場合は、10番以内に入るために、「本人」の字を入れる必要がある。表現能力を高めていくことは本人の努力のみで、指導者の手には負えない。(指導者の添削を何回か受ける際、最初の指導と違うことも出てくるが、その場合には自分の意思を通すこと。結局、本人の問題だ。)

4.日比谷同友会作品展について

・遊び心があってよい。面白くやるとよい。

5.第3週の手本について
   

・これは、線が速く、勢いがある。紙に筆を押すように書くとよい。

・龍門様式(綺麗な楷書ができる前のもの。)

・顔真卿もこの字を習っていたほどのものなので、我々もよく勉強した方がよい。

出席者11名、記録:林)


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第203回例会(平成30年4月19日)

2018年05月04日 | 例会報告

◆先生の講義

1.検定/展覧会出品への指導について

・検定は、自分でやるかどうかを決めるものである。「書聖」で手本が掲載されてから始めるのでは遅いので、前もって意思表明してほしい。私が手本を書くということは、 その人を合格させるためであるということを理解してほしい。また、完成作品は4月中に検定料と合わせて送ること。推薦文を書いたりする時間が必要なので、5月の締め切りギリギリに提出することはやめてほしい。

・展覧会出品は、6段以上の人に声がけしているが、出品するかどうかはあくまで本人の自由意思である。また、展覧会出品は、個人で出すのは可能だが、表装等などの費用もあり先生経由より金がかかる。

2.右払い、左払いの基本

・起筆〜運筆〜収筆の三段階がある。起筆はゆっくり、運筆は手早く、収筆は後処理があるのでゆっくり引くと良い。左払いの起筆は、ちょっとお腹に抜けるように引くと良い。筆を上げると字が細くなる。収筆は水平方向に引くと良い。

・「友」の字の「又」の部分は、左払いは回っているのに対し、右払いの起筆は最初の左払いに対して頭が出ている。

・「敦」の字の左払いは、軽い線である。右払いは、だんだん太くしているが、これは腕全体を動かすと良い。

・「兄」の字の左払いの収筆は、穂先きが一本になるようにゆっくり引くと良い。右払いの字は、起筆から最初のタテ線は細く、筆を回して太くしていき、最後の跳ね上がる所は筆を持ち上げて少し動かしてから跳ねると良い。

(出席者9名、記録:林)


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第202回例会(平成30年4月5日)

2018年05月03日 | 例会報告

◆先生の講義

1.楷書の基本(教育書道の原点)

・明治期の日本人が、中国古典や日本の写経や空海/小野道風などの優れた能書を見て、「日本版の正しい漢字」を作ってきた。これが教育書道の原点となっている。

・穂先は綺麗で、柔らかさがある。平べったくもあり、太い字である。楷書としても行書に近い。

・字が滲んでない。滲まなく書くためには、墨をつけたら穂先を落としてゆっくりでなく書くこと。かすれ字も書く必要はあるが、その時は穂先の落とし方を大きくすればよい。

・字の中心が離れておらず賑やかなのがよい。

・王羲之よりも前の時代のもので、学ぶ必要がある。

・この字形を発展させた人は日本人には居ない。

・このような書き方が好きであれば、毎月の課題で楷書を書く際に、このような書き方を手本にして書くとよい。ただし、検定の場合は、教育書道に戻ること

2.右払い、左払いの注意点

・今回(4月)の課題は、右払いや左払いが多い。はね上がるのは駄目(紙から離れるのがいけない。)穂先を横に見ながら、下が平らになるように筆を引くとよい。

・また、払いを小さくするには筆を回せばよい。大きな払いの場合は。腕を回せばよい。

・さらに、筆を立てると、字が細くなるので、回しやすいし、うまく見える。

・これら何通りかのやり方を覚えてほしい。

3.検定の指導

・3段以下の人は、ある程度書ければ昇段する。

・6段以下の人は、指導を受けて完成に近づけることが必要。条幅と半紙が同じようにある一定の幅で書ければよい。

・師範部に入る人は、教育書道と自分の字が書けることが必要。隷書や行草書は何とかなるが、楷書が問題だ。例えば、「午」の字の「ノ」の角度が45°の基本に留意しているかが見られている。

・検定の場合は、書聖の先生の参考例をただ鵜呑みにするのではなく、辞書等で字をよく調べて書くこと。それを前提として、条幅は、「見せ所」と「全体感」に留意するなどの工夫をせよ。また、字の末端部での「後処理」をきちんとすることも大事である。

(出席者11名、記録:林)


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